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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

顔にいる菌てこんなやつ

2005-07-12 22:19:00 | 身近な衛生

昨日の夜、洗顔(オイルで化粧を落とし、パウダータイプの洗顔料で洗顔)したあと、
培地を右のほっぺにペタンとして放置しました。

うあーいるいる。
いやいや、これでも少ないと思うくらい。
洗顔後ですしね。

見たところA/B/Cの3種類いる模様。
A菌がほとんどで、B菌3コロニー、C菌1コロニー。
皮膚の常在菌には、善玉さんのスタフィロコッカス エピデルミディス(表皮ブドウ球菌)、悪玉さんの ミクロコッカス属、そのほかピチロスポルム オバレなどなどがいるそうです。
さて、こいつらは一体何なんだろう。

ところで、皮膚が健康な状態であるのはこういう常在菌がいるからでもある。
「皮膚は弱酸性」って、よくCMで聞くけれども、それはこれらの常在菌が汗を食べたり脂肪を食べたりしてることで弱酸性の物質を出しているから。
健康な皮膚っていうのは、常在善玉さんがうまく繁殖している状態のことを言う。
バランスが崩れてくると、他の悪玉さんとかニキビ菌とか出てくる。
皮膚の奥底には常在さんがいるはずだから、洗顔をきちんとすると、日中についた悪玉さんとか余計な汚れとか落とせますよ。
そうすると常在さんは元気よく育つことが出来るんですね。

ところで、アルコールを頻繁に皮膚につけるのが良くないのは、
脂肪を溶かす性質があることから乾燥しがちになるのと同時に、
あまりに殺菌力が強くて常在さんまで殺されてしまうからとも言います。
その隙に悪玉さんがはびこったりするわけです。

でも私は実験で顔に菌が飛んだりしてそうで、たまにアルコールを塗り塗りしていたりします。
乾燥してしまいますが、死んでよかったとホッとしているのも事実。
こまったもんだ、職業病。


家庭での食中毒発生防止ポイント

2005-06-04 20:49:12 | 身近な衛生
前回、前々回と日常口にしているものの細菌数、そして器具の細菌数を実験してみました。
そこでやはり「こわいな」という気分から「もう気にしてしまって洗いまくっている」という生活まで発展してしまう人が出てきたりする可能性があって、誤解を生んでいるかもしれないので少し解説をしておきます。

これまでの通常の生活で、菌が原因で起こった大きな体調の変化(お腹を壊すなど)って少ないと思います。
そういう生活の中でも、これだけ細菌と接している機会と言うのは実はあるのです、ということを言いたかったわけです。
私の体調はあれだけ菌のいる肉を加熱して食べても大丈夫だし、あの菌がついた包丁を使っていてもお腹を壊したりしていません。
つまりは、私たちの身体はある程度の菌を取り入れても、大丈夫なのです。

だからと言って、極端に走るのは良くありません。
そこでどんなことがポイントになるのかを書いていこうと思います。


まず、大きなポイントというのは、ある特定の、少量でも中毒をおこしてしまう毒を発生する細菌(例えば大腸菌O157)がいない限りは、健康な人であれば相当数の細菌を同時に摂取しないと体調を崩すことはありません。
その数は10,000,000個以上と言われています。
最初から器具や食材にそれだけいることは少ないです。(器具を洗っていなかったりしたら、それは別です)

それだけの菌数が身体に入るのを防ぐには、次のことが有効です。

1.家庭で料理したものは、短時間で食べきる。
2.残り物は、なるべく低温で、なるべく短い時間で食べきる。更に、再食するときにはよく加熱する。

加熱したり、洗ったり、酢を使ったりしていれば菌が少なくなっているので、身体に入る菌数というのは少ないです。
更に、残っていた菌をなるべく増やさないのがポイントです。
低温でも時間がたてば増える菌もいますし、加熱したショックで増えだす菌もいます。
そのような菌は再び加熱することで死滅します。

さらに細かく気にするとすれば、

3.生食するような野菜サラダ、海鮮物は保存に注意

これは、洗っただけでは菌は残っており、再食するときに加熱することは出来ないからです。
時間がたってしまって気になるようであれば、お酢を使うことをお勧めします。

4.肉はよく加熱すること

肉が厚い場合、中心点までよく熱が伝わっていることが必要です。
厚い場合には蓋をしながら加熱したりしましょう。
血が滴るレアは、中心が冷たければ要注意。
(レアの焼き具合は本当は中心部も暖かいのが美味しいのです。by美味しんぼ)

とりあえずはこんなところでしょうか。
これから熱くなり、湿気も高くなることで微生物の繁殖は活発になります。
食材保存時の温度と時間が大切です。
低く、そして短く、が一番増えない条件です。
そして使った器具はきれいに洗い、乾かしておきましょう。
熱湯をかけたりすると、菌もよく死滅するし、乾きも早いですよ。


(もちろん、お弁当・お惣菜を扱う業種や、食品加工場での衛生管理は別物です。)


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包丁についてる菌はいかほど?

2005-06-02 19:40:57 | 身近な衛生
いっぱい付いてました、菌。

包丁は朝洗って、食器カゴの箸などを乾かすところに入れておいたもので、夕方培地にペタッと一回だけつけたものです。
私は手が結構小さいので、普通の大きな洋包丁は使いづらく、果物ナイフほどの大きさの包丁を使っています。
裏表、根元の裏表と、培地の違うところにぺたぺたしました。
1日目でまだコロニーが小さかったので、今回は2日間置いておきました。
その数、85CFU(Colony Forming Unit:コロニー形成単位のことで、ただ1つの菌から生じたと考えられる菌集落)。
これは25cm2の培地なので、計算すると、3.4CFU/cm2
1cm2あたり、3・4個いたということになります。

菌種ですが、表面を見た感じ、大きいコロニーはBacillus属の様子。
(左の写真で赤いポッチは携帯のランプです)
乾かしていましたから、乾燥に強い胞子(芽胞)が残っていたというところでしょうか。
他のも芽胞かもしれませんね。

乾かしていても結構残っているのだなぁ。
芽胞菌だったら、エタノールかけるよりは、洗剤つけてゴシゴシスポンジで洗ったほうが落ちますね。
スポンジが汚くなければの話ですけどね。
スポンジが汚ければ、かえって菌を付けかねませんのでご注意を。

うちは家族で納豆食べる人がいるので、その納豆菌が残ってたり?
それとも私が連れて帰ってるのかな。


さーて、明日で一週間も終了。
最近は実験をせず、勉強の時間がたくさん持てています。
なかなか勉強する時間は少ないので、頑張っております。
上司は「仕事してないな・・・」と思ってるかも。(笑)
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発泡トレーの細菌検出結果

2005-05-31 19:58:45 | 身近な衛生
昨日やっておいた豚ロース肉しゃぶしゃぶ用のトレーの菌チェックですが。
写真がぼけてて申し訳ないです。
白く見えるのが菌が生えているところ。
ていうかこの時点で数数えるのは無理です。


いっぱい。



いすぎ。



かなりショックですねぇ。
2日間1℃で保存してこの状況というのはすごいですね。

(しっかり加熱して食べれば問題ないですよー!)

一体肉の方にはどれくらいいるのでしょうか。
今度は肉片からシャカシャカ洗い落としてやってみることとしましょう。

菌種を特定するのは、私は細菌検査のエキスパートではないので、見ただけでは判断できません。
ただ、赤い菌はいないので、セラチアはいなかった様子。

蓋を開け、におってみました。
パカっ・・・ああっ!!・・・・・・・・クサイ。(笑)
おそらく大腸菌の一種と、これはこれは、おそらくシュードモナスのようです。
それも、かなりいい匂いのするタイプのシュードモナスです。
シュードモナスは大抵、緑がかったり茶色がかったりしたコロニーなのですが・・・。はて?
色は白しか見当たらないのですけど、シュードモナスに独特な芳香族のニオイがします。
職場で扱っているPseudomonas aeruginosa通称「緑膿菌」(緑がかった膿を見つけたことがある方、それは緑膿菌の仕業です)はクサイ感じのシュードモナスです。
今回のシュードモナスはマスカットガム系です。
マスカットガム系シュードモナスは、以前の職場で環境ホルモン分解菌をスクリーニングした時にいました。
そのときのマスカットのニオイを更にマスカットに近くしたニオイがします。


うーん。


そのときから連れ添ってる、私の常在菌・・・・なんてことはないよな・・・。


さてさて、またしても新たな実験をしております。
今回は朝に洗って乾かしておいた包丁に、夕方、培地をペッタンしてみました。
明日がこわい楽しみです。


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実験リベンジ~豚ロース肉の発泡プレート版~

2005-05-30 20:13:10 | 身近な衛生
この間のコメの大腸菌チェックは不発に終わった(というかいなくて良かった)ので、今日は本当にチェックできる実験をやろうと。

一昨日買ってきた国産豚ロース肉しゃぶしゃぶ用、一昨日半分使って今日残りを使用しました。
その間は1℃(と銘打っている)冷蔵庫の新鮮保存用の場所に保存。
肉が入っていた発泡スチロールのプレートに、「ぺったん」と培地(標準寒天培地:平たく言えば大抵の細菌(一般生細菌という言い方をします)が生えてくれる培地)をくっつけて培地に(いるかいないかわからない)細菌を写し取ります。
例によりポットの下に保温。
今回は生えてくれそうだなー。
赤い(桃色)細菌が出たらそれはセラチアかも。
動物の死骸が赤くなったりするのをみて、霊の仕業だと昔ささやかれていた事例、実はセラチア菌が繁殖していたから。なので、セラチアは「霊菌」と呼ばれたりもします。
今回は豚のスライスだし、すごいたくさん出そう!
エルシニア(低温でも増殖できる)とかカンピロバクターとかウォルシュ菌(Clostridium perfringens) とか一杯いるかなぁ?
ワクワクしとこう。
一応料理して食べちゃったし。既に。
怖がる心配はない。


ちょっと怖いんだけどね、ホントは。


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たまには遊びの実験

2005-05-25 22:29:47 | 身近な衛生
ネタがないので、たまには遊び実験でもやろうかな、ということで実行。

何をしようか考えて、普段食べる生米には大腸菌がいるのか見てみたくなった。
乾燥してるので、大腸菌はいないはず。
生米にはセレウス菌(Bacillus cereus)という食中毒菌がいる事はあって、セレウス菌は乾燥に強い芽胞(胞子)を持つから。
お弁当のご飯とか、結構この菌が増えて食中毒になる例があります。

セレウス菌の対策には、再加熱法がお勧めです。

芽胞は、一度熱を加えると、硬い殻にひびが入って、発芽します。
(これをヒートショックと言います)
そういうわけで、生米にセレウス菌がいる場合、一度炊いたご飯には発芽したセレウス菌がいます。
芽胞は熱に強いので、炊いている間は熱に耐え、冷えてきた時に発芽して増えていきます。
なので、一度炊いて、すぐに冷やしていくと、セレウス菌の温床と化します。
そこで、発芽したセレウス菌ばかりなのがポイントになります。
2~3時間ほどして、もう一度よく加熱すると、セレウス菌は芽胞ではない状態の細胞(栄養細胞と言います)なので、死んでしまいます。


本当はセレウス菌がいるかどうか見たいところだけど、セレウス菌の判定にはNGKG培地(赤い色素の培地で、セレウス菌が育つ時培地がオレンジ色になる)が必要なので、手に入ったらやろうともくろんでおきます。

というわけで、今日から生米の大腸菌チェック。
材料は5kg袋を開封して、もう半年くらいの残りちょっとの生米。
(減ってない言い訳:私は無類のパン好きです)
数は数えてないけど、写真で見えるように手のひらにこんくらい。
9mlの生理食塩水でシャカシャカして、その水(写真のように白く濁った水)を0.9ml培地に使用。
培地はポットの下に敷いて保温。
さーて菌は出るか?
予想的には出ない(というか出て欲しくない)

薬と作物に付く微生物

2005-04-17 15:31:38 | 身近な衛生
風邪引いて熱も上がってきているらしいので、デザイン変更でもして気分転換だ!
と気合を入れておいて。

今日は薬と作物に付く微生物についての話題です。

作物には微生物である細菌・カビが付いているのは普通の話。
ところが、普通じゃない、ほとんど微生物が付いていない作物も同じ商品としてスーパーに並べられているのをご存知ですか?
輸入物の野菜・果物がその典型です。
出荷され、輸入される前に薬をたっぷり身にまとってくるのです。
私の仕事場では、実験材料として野菜や果物を使用することがあります。
処理の仕方によって、どれだけ野菜や果物にいる微生物を死滅させることが出来るか、と言った実験です。
ところがこの実験が成り立たないことがあります。
実験材料である野菜や果物に微生物が全くと言っていいほどいないのです。
そのような野菜や果物は輸入物であることが大半です。
国内産のものでそういう現象になったことはありません。

微生物が完全に死んで、そのあとも長い時間寄り付かない食べ物。
人間の身体にいいのでしょうかね。

菌は食材のどこにいる?

2005-03-02 19:53:27 | 身近な衛生

今週は、毎日ピペットマン(マイクロピペッターとも言う)を1000回以上カシャカシャカシャカシャピペッティングしています、spirillumです、どもども。
学生時代はいつのまにかメモリがずれていることもたびたびでしたが、現在では全く動きません。
本人が知らないところで手は頑張っている様子。(笑)
学生時代には腱鞘炎にもなりましたが、今はまったくならないなぁ。

たまには衛生関連の話をしてみたいかなー(というよりネタが思いつかなかった(笑))。
ということで、普段料理をする物についている細菌は、いったいどこについているのか?と言うことをテーマに。

まず、一番わかりやすい野菜からいきましょう。


1.根菜類

 根菜類というのは、ごぼう、大根、にんじん、ジャガイモなど、土の中にある根っこの部分を食する野菜です。
 細菌は土の中にわんさかいますので、言うまでも無く、根菜類の表面全体は細菌が付いていると思ってください。
 皮、食べてもいいですけど、良く洗って、火を通してくださいね。


2.葉茎類

 葉茎類は、キャベツや白菜、ほうれん草などの葉を食べる野菜、アスパラなどの茎を食べる野菜です。
 表面にある細菌は比較的洗えば落ちるのですが、実は根に近い部分というのが細菌の溜まり場だったりします。
 土に近い部分だからですね。
 

3.果菜類

 果菜は、トマトやキュウリ、ナスなどの実を食べる野菜です。
 これは土から離れて形成され、植物にとっても一番末端にある部分。
 そして大事な種を守っている部分でもあります。
 種が侵されてしまっては大変。
 細菌の数としてはとてもすくないです。
 でも表面はやはり付いているので、きちんと洗いましょう。


というわけで、野菜の細菌量としては根菜>葉茎>果菜。
ちなみに3.で出てきた種が侵されてしまっては大変、というところで面白いのは、種の中や種の周りの部分には抗菌性の物質がある例が多い、ということ。
植物も子供は大切なのです。


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食中毒性細菌で増殖が速いヤツ

2005-01-12 22:53:07 | 身近な衛生

食中毒性の細菌で、「腸炎ビブリオ菌(Vivrio)」というのがいます。
ビフィズス菌とは違います。

細菌が一回分裂してから次に分裂するまでの時間を「1世代時間」といいますが、腸炎ビブリオはその世代時間がすごく速い菌です。
その時間7.5分。
つまり、1時間あれば60÷7.5=8回分裂できることになります。
1個の菌は2の8乗、256個になります。


 → ○◎ (1回目)
  → ○○◎◎ (2回目)
  → ○○○○◎◎◎◎ (3回目)
  → ○○○○○○○○◎◎◎◎◎◎◎◎ (4回目)
  → ○○○○○○○○○○○○○○○○◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎(5回目)

  → ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
    ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎ (6回目)

  → ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
    ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
    ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
    ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎ (7回目)

  → ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
    ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
    ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
    ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
    ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
    ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
    ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
    ◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎ (8回目)

というように、1時間たつと目に見えないところでこんな数になってしまうのを視覚化してみました。
当然9回目にはいると更に倍になります。

腸炎ビブリオ菌は海にたくさんいて、魚など塩濃度が高くて夏場に良く増殖するものなので、夏場のお刺身などは新鮮なうちに食べきりましょう。

ちなみに上の例は1個からの増殖ですが、細菌が1個だけ汚染しているとは考えられません。
最初から2個あったら更に倍です…。


雑菌対策は鍋?電子レンジ?

2004-12-12 19:26:45 | 身近な衛生

前の日に作って冷蔵庫に置いておいたシチュー、鍋で温めるのと電子レンジで温めるのと、どちらが雑菌を殺すことが出来るのでしょう?

答えは、どちらも同じ

実は、雑菌を殺すことができる条件として、
75℃、1分間
という定説があります。
鍋で加熱しようが電子レンジで温めようが、要するに全体が75℃で1分間温めることが出来たら、大半の菌は死にますよ、ということです。

ここで注意する点は、75℃以上にしないと雑菌が死滅しないのではなく、75℃以上で大体の菌は死んでくれるという点。60℃で死んでしまう菌もいますし。
それから、この条件を満たしたからといって、全部が死んでしまうのではないということ。
前からこのブログで言っている、胞子(芽胞)を作る細菌は、胞子の状態で75℃でも生き残ることが出来ます。
もう一点重要なのは、全体がこの条件になる必要があること。
シチューやカレーなど粘性が強くて対流が起きにくい液体は、全体を均一に混ぜる必要があります。
シチューなどは電子レンジで加熱したら、適当なところで一度混ぜて、また電子レンジで加熱したほうが雑菌対策になります。


これは相対的な菌の数が減るという話しです。
強力な毒素を出すような菌がいて、それが活発に活動したあとだと、食品全体に毒素が回っています。
こういう毒素は大抵熱に強いので、加熱しても毒性が残っています。
臭いや味がおかしかったら食べるのはやめましょう。

今は冬で全体的に菌の数が減っていますから、頭の片隅に残しておくくらいで大丈夫です。