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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

大食漢の細菌2

2006-01-24 00:00:42 | 細菌は疎水性?
京都大学ニュースリリース「◆細菌の“口”の移植によるダイオキシン分解「スーパー細菌」の創成(研究成果の概要)」

先日お伝えした、大食漢のShingomonassp.スフィンゴモナスさんの詳細が京都大学のニュースリリースとして出ていました。
電子顕微鏡写真も載っていますが、これは傍目から見ると孔あいて死んでるみたいに見えます。
以前の記事では推測でしたが、導入したのもスフィンゴさんでした。

それにしてもスフィンゴモナス一族が環境ホルモンの分解能力が高い背景には、「その細菌表面が高疎水性(水となじみにくい性質)であるからだ」というのは知らなかったです。
なるほど納得。
疎水性ということは、疎水性物質とくっつきやすいです。くっついてきたものを栄養分として分解する(これを専門用語で「資化する」といいます)ことが出来れば、生き延びることもたやすくなります。

私が扱ってたスフィンゴさんは栄養リッチな培地の上だと、橙黄色のダレダレドロドロな蓋をして逆さに培養すると、翌日は蓋側にタラタラ流れちゃってるような、非常に流動性が高すぎて扱いにくい、しかしバイオレメディエーションに働いてもらうには大変優秀な方でした。


なにやらラッシュ

2006-01-22 19:33:21 | 日記
なにやら最近身の回りに起こっているラッシュが。


それは結婚!


サイキンのオハナシのmoakoさん、おめでとうございま~す!
たまにブログでもラヴラヴな日常をお伝えいただいてましたので、きっと幸せな夫婦になっていることでしょう

というわけで初春からおめでたいなぁ、と思っていたら、職場で他部署の男性がご結婚だとの噂が!しかも来月。ちょうど31歳、お嫁さんは27歳ですから、適齢同士という感じでしょうか。

・・・・・・と思っていたら。

最近一緒に仕事している女の子にいつものようにセクハラ発言をしていたときです。

私「そろそろ結婚しなきゃ~子供早く産まなきゃ~」(余計なお世話)

もうこの台詞は毎日のように彼女に対して向けられる、いわゆる習慣。
彼女は子供が大好き。今すぐにでも欲しいとよく言っています。
本当に大好きで、彼の甥を大層可愛がっている様子を毎日のように教えてくれます。
そんな彼女に私は、子供が欲しいなら早めに産むと体力も持つよ、とアドバイスをしてるのです。
いつもなら、

彼女「そうだね~、タイミングがね~」

くらいの返答で終わる彼女。

今回は違った!
彼女「・・・・・・・ほぼ今年で」


なぬっΣ(゜Д゜;≡

私「えっ、えっ???」←動揺しすぎ
彼女「まぁ・・・ほぼ。」


(◎皿◎)ナンデスト!!


・・・・あまりに動揺しすぎで「おめでとう」って言えなかった(;つД`)


うっうっ、ごめんよ、おめでとう。
お人形さんのようにかわいい彼女のことですから、きっと幸せなお嫁さんになることでしょう。
結婚式楽しみだなぁ。
呼ばれなかったって落ちになったら寂しいかな・・ (((´・ω・`)

みなさん、本当におめでとうございます。






・・・・私?そこはそっとしておくところですよ、察して。orz

大食漢の細菌

2006-01-16 19:12:14 | 様々な微生物
あけましておめでとうございます。(おそい)
年末にコメントいただいていた皆様すみません。実家に帰省してしまいまして、返信がかけずにそのまま・・・となってしまいました。年初めに出足が悪くて申し訳ないです。

とにかく、今年は大変な年になると予想です。とりあえず、本年も宜しくお願いします。

さて、今年第一報目は、大食漢の細菌です。
ダイオキシンひと飲みスーパー細菌 京大グループ発表 (朝日新聞) - goo ニュース

体長の10分の1にも及ぶ「大きな口」をあけて物質をのみ込む特殊な細菌の遺伝子を、ダイオキシンを分解する能力がある別の細菌に組み込んでその力を倍増させることに、京都大大学院農学研究科の村田幸作教授(応用微生物学)らのグループが成功した。16日発行の米科学誌ネイチャーバイオテクノロジー(電子版)に掲載された。

 ほとんどの細菌は、体外にある高分子の物質を酵素で低分子に分解してから取り込む。ところが村田さんらは、体の表面に大口(体腔(たいこう))をあけて高分子物質を丸ごとのみ込んで分解する土壌細菌を発見した。

 スフィンゴモナスという細菌の仲間。この細菌から、大口の装置を担う主な五つの遺伝子を取り出し、別のダイオキシン分解細菌に組み込むと、大口からダイオキシン類を取り込み、従来型の半分の時間で分解・除去する「スーパー細菌」になったという。

 グループは、ほかの細菌にも応用できるとみており、重金属などの有害物質を浄化したり、有用物質を効率よく作ったりするさまざまな「スーパー細菌」の開発につなげたいという。

gooブログについているお絵かきツールを初めて使用して、きったない絵を描いてみました。
しかも構造とか分子の大きさとかすごくイメージ的でとってもアバウトです。
その辺ご承知の上、ご覧下さい。
通常、細菌にはポーリンと呼ばれる孔が細胞表面に開いていて、ある一定の分子の小ささにならないと細胞内に取り込むことが出来ません。
そのため、細胞外に栄養素を分解する酵素を分泌しているんですね。
さて、水田で見つかったSphingomonas sp.(スフィンゴモナス属)さんはそのポーリンを自由自在にデカクすることが出来るというわけです。

スフィンゴモナスの一族は、いろいろなことが出来るんですよねー。
環境ホルモンのビスフェノールやダイオキシンの分解能力をもっており、バイオレメディエーション(微生物を使用して環境浄化を行う)で将来を有望視されている細菌にはスフィンゴモナス一族が多いのです。
今回はその大口を開ける能力が、ダイオキシン分解能力を持つ別の細菌に遺伝子的に受け継がれたということですが、ダイオキシン分解能力を持つ細菌がスフィンゴ一族かは書いてません。でもその可能性が高いかな?

それにしても「くわっ!」と口をあける細菌てなんだかいやだな・・・。
大食漢というより口裂け女?