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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

実験は体力勝負?

2006-03-03 21:47:40 | 実験ネタ
デスクワークによる事前資料のまとめなどが終わって、最近は実験が密です。
実験する前日に用意できるところはしておいて、当日は、文字通り出社してから帰社時間まで実験。

本日は約80検体、各検体につき3枚のシャーレで混釈培養(注1)、すなわち約240枚のシャーレに作業をしました。
これ全部一人でやるのー?と計画した自分を呪ったのは、半分が終わったころ。

実は培養だけの作業ならいいんですよ、200枚くらい。
検体の試験条件の設定やセッティングや実行から何から、ぜーんぶ一人。
誰か手伝ってくれるといいな・・・とは思ったのですが、実は私、手伝われるのが苦手です。
だから、手伝ってくれる人がいるといいなーとは思いますけど、実際手伝われるとかなり気を使ってしまいます。

あ、話がそれました。

それで最後のほうはですね、体力落ちてきまして。
しかも金曜日ですし。残りの体力もほんの僅かです。
ビンの蓋がきっちりしめられないんですよ。
検体は全部ビンに入っている液体なんですが、ねじ回すタイプのフタ付きで、フタを閉めてガチャガチャと振って混ぜるんです。
しっかり閉めてるつもりが、振ってみて漏れてくることに気づく、の繰り返しでした。
握力落ちちゃってるんですね。

あーちかれた。
明日は計画きちんと練ろう・・・。
でも一番仕事が進むのがこの時期なんですよ。なにせ一心不乱に何も考えず実験に没頭しているから。
消耗は激しいが結果が出るのも多い。
体力は落ちるが成果は上がる。
こうやってワーカーホリックは生まれるんですね。


注1:混釈培養
 検体(検液)をシャーレに取って、加温滅菌で溶けている温かい培地を直接シャーレに流し込み、そこですかさず水平に動かして、ゆさゆさグルグル混ぜ混ぜする培養方法)

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上清を英語で言うと?

2005-08-02 21:09:13 | 実験ネタ

イメージバトンなるものが、響樹さんのブログ「優陽」から私に廻ってきました。
この手の「~バトン」は、ミュージックバトンしか知らなかったです。
そのミュージックバトンは質問が一杯あってめんどくさいなぁ~というものなのですが、このイメージバトンは、前の人が答えた言葉から何かを連想するというもの。
今までの所、

「教室→料理→愛情→PEACE→写真撮影→光線→瞳→力→猫→家族→お宝→シーサー→ムーミン→ギャンブラー自己中心派→弁当工場→スーパー」

と続いてきたようです。
お宝あたりまでは連想するのもわかるんですが、そのあとはなんだか理由を知りたいような並び。
さて、私も「スーパー」から何かを連想しなきゃならないのですが。

一番最初に浮かんだのは、「あれだよあれ、”上清”」
ていうことで、間違えちゃいけないので、こんな時は役立つWEBページ
医学英単語辞書

supernatant 上清


・・・学部時代に必死こいて論文を読んでいた頃、「上清はスーパーだ」と覚えていたのは私です。(爆)
だって、直属のボスのノートでは、沈殿はppt.(precipitate 沈澱物)、上清はsup.って書いていたんですもの。
最初は上清=スープ!?って思っちゃいましたよ。(爆)
・・・若いっていいな


ってことで、上清にしようかなーと思ったのですが、連想しにくいかな。

それとも近所のスーパーのみかんがアオカビだらけだから、ペニシリウム(アオカビの学名です)とかにしようかな。
それでも連想しにくいか・・・。

ということで、やっぱり上清にします。

次の方に廻そうと思いますー。
えーと、よく遊びに来ていただく&遊びに行っている「山猫日記」のlone_lynxさん、是非にー。
お忙しいところ恐縮ですがよろしくお願いします。

地震が実験中におきた場合

2005-07-23 23:59:51 | 実験ネタ
今日の夕方の地震、関東圏のみなさん、どこにいましたか?
私はレンタル半額開催中!これ幸いと、先日販売された「シャークテイル」が最後の一個残っていたのをGETしてホクホクでレジにいたところでした。(笑)
いやーそれにしても怖かったです。
だってCDやビデオが並んでる棚からいくつか落ちたんですもん。
思わず動きが止まってしまって、店員さんに「焦りますよね」なーんて、きっと心の中では「はやく会員証出してくれよ」と思われていたに違いない。(笑)

ところで、こんな地震がもし実験中に起きたら、どうしましょう。
とりあえず、頭の中真っ白になって動きを止めてはいけません。(でも止めない自信は私にはありません)

というわけで、今のうちにどうすればいいのか考えておくことに。

火を使っていたら消す。ガスバーナーはコックを閉める。余裕があれば元栓も締める。
ドアに近いところにいたらドアを開ける。
(ちなみに、火災時はドアではなく窓を開けましょう。外で火災が起きている場合は不用意にドアを開けると火が向かってきたり火の柱が立ちます)
菌液の入った器具を扱っていたら蓋をする。こぼれて自分にかかったら大変です。
(私はこれが一番なりたくない想定。)
メスなどを扱っていたら安全な場所に置く。刺さって怪我したら大変。
液体試薬は蓋を閉める。
硫酸とか硝酸はもってのほかですけど、酢酸とかも結構きついですよ。蓋を開けているだけで鼻やられます。
30%過酸化水素とか過酢酸は身体に付いたら悲惨です。(あの痛みとただれは独特←指に付いたことある私)
次亜塩素酸Naの濃いヤツも結構危険。
(殺菌料近辺しか出てこない(笑))
トリフルオロ酢酸とかメルカプトエタノール、ブタノールとかアンモニアは色んな意味で危険。

避難する時には防火金庫に入っていない大事なデータを忘れずに。
もしかして火事発生したら大変ですよ。パソコンとかね。

盲点なのは何だろう。

何か思いついたら是非教えてください。
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実験から感染の危険性

2005-07-22 01:46:18 | 実験ネタ
<O157>細菌学の実習中に学生1人が感染 大阪大医学部(Yahoo!ニュース 毎日新聞7月20日付)

大腸菌O157を扱って、菌が培養されたシャーレから菌体をとって、顕微鏡観察までした実験。
どうやら一人の学生が「経口」感染したらしいです。
一時期は危篤状態でICUで治療したとか。
感染経路はわからないというけれども、どう考えても、「菌が手に残ってた」あるいは「身体や服一部に菌がついていてそれが手に付いたか、食べ物に付いた」。
O157は菌の量が少量でも、生産する毒素が強力なために中毒になる菌です。
阪大医学部さん、この間の捏造事件といい、良くないことが続いています。
消毒液が足りない状態で、白衣を着ていない学生がいる状態で、O157の実験は無謀だったとしか言いようがありません。

私は実験からくる感染の危険性、アウトブレイク(実験室外に持ち込んで広めてしまう)をかなり気にします。
それは私自身が気持ち悪いからです。
目に見えない存在である微生物(カビは成長すると見えるようになるけれども)だから、余計に気が立ちます。
このあたりは、仕事をしていると、とても緩慢になりがちです。
実験に携わるうちに日常的作業に慣れてしまって、実験室以外に菌を広めないという点を忘れてしまいがちになります。
私も瞬間瞬間に、これっていいんだっけ?と思う作業があったりします。
今一度自分のやることを深く考えてみてもいいかもしれません。

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カビが死んでた

2005-05-08 00:38:05 | 実験ネタ
前にこのブログで、職場で保管しているカビの菌株を植え継ぎながら(培地上で生きている状態を保持:「継代」と言います)保存しているという話をしたのですが、今回は問題が発生しました。
20種類ほどあるカビのうち、2種が死んでいました。(涙)

私は去年の9月あたりから、かなり営業支援の仕事が増えてきていました。
締め切りが迫ると、間に合わないので何日間か実験が出来ない旨を上司に伝えるほどです。
やらなければやらなければと思っていたカビの継代を、半年も(!!)放っておいてしまいました。
カビの継代は2~3ヶ月で行うのが一般的。カビは結構デリケートな生き物で、それくらいで新しい培地に移してあげないと、死んでしまうものもあるわけです。
詳しく言えば、比較的生命力の強い細胞である胞子をたくさん作ったりするカビは死ににくいのですが、培地で人間がぬくぬくと育てると、子孫繁栄の為に胞子生産を頑張らなくなるカビ(「温室育ち」と私は呼んでいます)が死んでしまいやすいのです。

職場はひじょーーーーーーーーーーに人数が少ないので、ルーチン作業を行う人がおりません。
通常なら、カビが死んでしまった場合に備え、培地ごとくりぬいて50%グリセロールの中に沈めて冷蔵庫で保存(グリセロストックと私は呼びます)しておくことが望ましいのです。


知っています、知っているんです。


時間がないんですよ・・・。
やりたいんですよ…。


ごめんなさい・・・それは言い訳にしかならないのも知ってます…


今回ばかりはグリセロストックしよう、と決意。
保存用のチューブ滅菌しとこう・・・。

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リンクに2件追加しました!
Tappyさんの「樹水庵」(学術ネタ実験ネタ満載です)
moakoさんの「サイキンのオハナシ」(わかりやすく書かれた微生物ネタが満載です)
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微生物学実験の「困らぬ」先の杖?

2005-04-11 23:12:07 | 実験ネタ
衛生管理や品質管理などで微生物の検査を行う場合、微生物の同定に困ったりする場合は多々あります。
それは微生物の種類が多岐に渡り、経験したことのない微生物に出会う場面が多いからです。
私は実際に品質管理業務を行っているわけではないので、品質管理に従事している方が知っている微生物の種類や生態の数には到底及ばないはずです。
現在では遺伝子の解析による同定が一番確実であり、細かなところまで確定することが出来ます。
しかしながら、いちいち全てを遺伝子解析しているわけにはいきません。
知識と技術を総動員して実験・観察し、同定する方法が一般的です。

実際に困った場面が起きてから探すよりも、転ばぬ先の杖として、
どんな場合に困ることが出てくるのか事前に知っておくと、のちのち生きてくると思います。

そういう事例をQ&Aとして紹介しているサイトがありました。
臨床微生物迅速診断研究会
の「質問箱」というコンテンツで、質問を受け付けて専門家に答えていただくコーナーがあります。
これまでの質問と答えについてもかなりの数が公開されています。
それを読むだけでも役立つ知識になりそうです。

検査同定はもちろんのこと、感染症、消毒殺菌、PCR法などまで幅広く紹介されています。
衛生に携わる方だけではなく、微生物関連のちょっとした勉強にどうぞ。

左メニューのリンクにも掲載しておきます。

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