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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

やる気なしになってる

2005-06-27 21:08:28 | 日記
ここ一週間ひどいやる気のなさでごめんなさい。

なんだか研究ちっくなことがやりたくない状況なので(でも実験はできる)
今日は私の好きなタイプについて。(聞きたくないとかいわないでー)

私は余裕のある人が好きです。
余裕のあるというのは、真剣に取り組んでる中にも遊びを持てると言うことをさします。
こういう「あそび」というのは、例えば何かの工作できっちり作ると「あそびがなくなって」壊れやすいから、すこし「あそび」を作ったほうがいいよ、というのと一緒です。
ゆとりを持たせるのも同義かな。
柔軟性があると言うか。
そういう人って素敵だし、そうありたいなーと思うのですが、これって私が特殊なのかな?
あんまり「好みのタイプ・・・・余裕のある人」って聞いたことない。

研究への取り組む姿勢も一緒なんです。
研究って「おもしろい、だからつきつめたい」、そういう気持ちが原点だと思うんです。
「やらなきゃいけない」「やらされてる」と思ったら、それはもう研究の面白さからはずれてしまっています。
「面白い」というあそびがあるかないかで、その研究が今後どう動いていくかがかかっていると私は信じています。

人生の岐路かなぁ

2005-06-20 21:56:36 | 日記

人には何度も「岐路に立ってるな」という状況が訪れると思うけど、私にも何度目だかわからない岐路が訪れてるのかなぁという状況。

少し前のブログには、「もう一回大学院行こうかな、行きたいな」だったけど、なんだかそうも言ってらんないのか?という感じ。

・・・これじゃあ、何言ってんだか全然わからないですよね。

私は実験とかやりながら、営業支援業務もやってきたんですね。
そもそもの発端は、商品のホームページを作るところから始まっていて。
もともと私がホームページを作れたり、パソコンで絵を描いたりするのが好きだと言うのはあまり有名ではなかったんです。
商品のホームページを作るといったときに、上司が私のことを話題に出した様子で、じゃあやってもらおう!ということになったわけです。
それからはホームページや展示会のブースパネルや配布資料(パンフレット)を作ったりして、まぁ趣味の部分を存分に活用していたわけですね。
それにプラス、広報活動と呼ぶのでしょうか、いわゆるマーケティングの手伝いもしたりしていました。
私としては営業アシスタント兼企画アシスタント兼広報アシスタントと言った感じかなー、と色々作ったり考えたりするのは楽しくやらせてもらっていました。
これは一年前から言われていることなのですが、営業さんが、自分の部署に私がいるといいな~という事を言っていたのですね。
確かに、アシスタント的な立場の人がいない状況ではかなり仕事に制約があったので、アシスタントが一人いることでかなり色々な活動が広められるのは間違いないと思います。

それが、今回上のほうから「私をアシスタントにして、実験要員を別に入れたらどうだ?」という話が出てきたんです。

うーん、困った。

私としては「研究やりたいし実験やりたいし勉強もしたいのよー」。
でも、そのままアシスタントがいない状況だと、今のままの2足のわらじで実験を後回しにしなきゃいけない状況が出てきたりするわけで。
かといって、そういう仕事が嫌いか?と聞かれると全然嫌いじゃないし、むしろ楽しい。


・・・困る・・・。


つまりそういう岐路に立っているっていうことは。
もし大学院に入りなおすつもりなら、今真剣に考えないとずるずる行ってしまうわけなんですよ。
もし部署が変わったら、大学院に入りなおすことはもう難しいかもしれない。
それになにより、今この状況で私に選択が迫られていると言うことは、もし研究を続けたいんです、と言えば、今の部署もしばらく続けることになる。
大学院再入学への道は遠くなるわけです。

違う観点からみると、自分の性格の弱点が見えてきて嫌。
営業さん(A)は「私は必要な人材だー貴重なんだー」と言うわけです。
それと反対に、上司(J)は「いなくなられると困るかなぁ」なんです。
恋愛にたとえると(たとえるな)

A君「俺は君が必要なんだっ!」
J君「とりあえず彼女いなくなると困るかな」

・・・押しに弱いのかなぁと自己嫌悪。

何と言うか、私って今のポジションで役不足な(研究のセンスない)のかなぁ・・・としょんぼりしちゃうわけです。
私じゃなくてもいいんじゃないか?という疑問。
自分でも不安だからこうなるんですよね。
実験やってて、やらなきゃいけないコントロールを忘れていたり、勉強不足だったり。
頭悪いなぁ、努力足りないなぁ、研究のセンスないよなぁ・・・、って。

・・・はぁ。


ここ2ヶ月くらいが山かもしれません。
毎日の生活に一杯一杯で、しかも特に私は不便を感じないんですよね。
そのために危機感がなくて、どうも真剣に考える時間と言うのが少ないです。
何がいいんでしょう?
って人に聞くなって・・・(自己突っ込み)
あんまり考え込むと精神的に良くないし。
でも考えなきゃいけないことなんだよなぁ。



お口直しに、私が今聴いている曲はDEPAPEPE(アコギデュオ)のStart(曲が試聴できる&Videoも見れる)です。
メジャーデビュー前から好きで、CDも予約して買いました。(私はアコギが昔趣味で、いかもソロインストが好きだったのです。ゴンチチとか好き。)
Start、始まりですからね。
いいきっかけになりますように。

Mrインクレディブルを見た

2005-06-19 09:42:50 | 日記

なんだか忙しいのです、色々と。(更新出来ない言い訳)

でも15日に発売されたMr.インクレディブルは見ていたりする。(忙しくないということか)
本当は買おうと思っていたのだけど、とりあえずレンタルで見てみた。
おもしろかったですよー。
ストーリーのスピード感があってテンポよく見れて、見終わった後はスキッと爽快感のある感じ。
特に出だしとエンドロールのデザインはかなりいい感じ。
キャラ的にはリアルさをわざとはずしているモデリング。
シュレック(同ピクサーによる映画)程のリアルさはなく、肌の質感なんかはどちらかというとお人形さん風。
バランス的にも女性は頭が大きすぎたり、足首が折れそうに細い主人公とか、リアルではなくて。
逆にリアルを求めていたら、この映画にしっくりこないというところでしょう。
キャラはそれぞれ個性的過ぎる感はあるけれど、それが味というもの。
中には「貞子!?」というようなパクリキャラが娘として出てきたり。(笑)

日本語吹き替えには黒木瞳さんとか雨上がりの宮迫さんが出演していたりします。
ちゃんとシーンに出てくる英語も日本語に書き換えられていたり、と、最近のアニメ映画はその土地にあわせたものを提供するのが主流の様子。
ジブリ映画がアメリカで公開される時もそうですね。
構成の仕方を少し変えて、その国の人にわかりやすくしていたり。


ところで一つ残念なのは、どうやらレンタル版に収録されていないシーンがあるみたい。
昔劇場の予告編で見たシーン(主人公が太ってしまってヒーローになるときのスーツが入らなくなって悪戦苦闘する場面)があるのですが、ココで入りそう、なのに入ってない!というもの。
こりゃあ2枚組みを買ってみるしかないかな。


学術ネタはもう少し余裕が出来たら書きます。
ぼちぼち書いていくので、お許しをー。


細菌たちの会話2 ~DNAがポイントの細菌~

2005-06-14 21:00:35 | 細菌たちの会話
わかりにくいところがあればコメントください。私も頭がこんがらがってくるような話なので巧く説明できる自信がありません。


細菌たちの会話、クオラムセンシング(QS)について本編第1回目です。
今日は会話のポイントがDNAである細菌に焦点をあててみます。

細菌が周囲の菌の存在を知り、その存在の量比が新たな活動や抑制を生みだす仕組みがQSです。
お互いの存在を知るツールは細菌の種類によって様々であり、その生命活動も様々です。
中でも、会話が重なった結果、最終的にDNAを受け取る能力が上がったり、受け取ったDNAそのものが更に内部で活動を生みだしたりする細菌を紹介します。

■肺炎双球菌                                  
肺炎双球菌というのは高校の生物でも出てくる有名な細菌で、形質転換、つまり、外部のDNAを取り込んで、自分が持っているDNAにすることができる細菌です。
この外部のDNAを取り込む性質がQSによって調節されています。

①肺炎双球菌の comC というDNA領域から、 ComC というペプチド(アミノ酸のつながったもの)が翻訳(つまりDNA情報がタンパク質に変換)されます。

ComC は少し消化され、更に小さなペプチドである CSP になります。

CSP は細菌の外へ出て、他の細菌の中に入り込みます。
 この CSP が肺炎双球菌の会話の言語ツールです。


==== comC ======== 形質転換遺伝子領域 ========= comX ==== 肺炎双球菌のDNA(位置は適当です)
   ↓
   ↓①翻訳
   ↓
 ComC(ペプチド) 
   ↓
   ↓②消化
   ↓
 CSP(小ペプチド)           細胞内
===↓=========================
   ↓③分泌                 細胞外
       CSP   
                          CSP   
 CSP           CSP   
            CSP           CSP   



CSP が他の細菌に認識されると、他の細菌は「あ、周りに仲間がいるんだなー」と(人間的に言えば)認識することになります。
 ここでポイントなのは、菌の数が増えれば、細胞外は総体的に CSP の濃度が高くなってくる点です。密度が高くなると言うとわかりやすいでしょうか。
 1つの菌だけポツンとあって、CSPを分泌していたって、そのCSPは他の菌に接触する機会は少ないわけです。

周囲に菌がたくさんいる
   ||イコール
CSP がたくさん存在するようになる
   ||イコール
CSP が菌に認識される頻度も上がる

というわけです
⑤この CSP は、 comX というDNA情報の転写を活性化する働きがあります。

⑥活性化されて出来た ComX は、 形質転換遺伝子領域 の転写を開始させる働きを持っています。
 (専門的に言えば、 ComX はRNAポリメラーゼと結合、形質転換遺伝子領域の開始部分を決定する役割。このように開始地点を決定する働きを持つものをシグマ因子といいます)


          ⑥形質転換開始信号
          ←←←←←←←←←←←←← ComX
         ↓              ↑
         ↓              ↑⑤転写
==== comC ======== 形質転換遺伝子領域 ========= comX ==== DNA
                        ↑
                        ↑④活性化
                       CSP 
                        ↑     細胞内
========================↑=========
                        ↑  細胞外
       CSP   
                          CSP   
 CSP           CSP   
            CSP           CSP   


従って、見た目には、「菌数が多いと形質転換の形質が見受けられる」ということになります。
その実際は、このような機構となっていたわけですね。

長くなりました・・・・・・・・疲れました。
何が疲れるって、ブログでこういう図式を色つきで書くのは面倒・・・・。
何を隠そうこの図を完成するまでに3日間かかってしまいました。
こんな調子で続きが書けるかなぁ・・・。(涙)

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細菌達の会話1 ~はじめに~

2005-06-10 22:33:38 | 細菌たちの会話

最近ちょっと専門的な記事がなかったので、そろそろ頑張ってみようと思います。
自分の勉強ためにやっているので、気合が入っていないと書けなかったりするんです。
あと興味の持てる題材とか、仕事の内容に関係のないものとか(守られていません(爆))。
このところ気合が入っていなかったので、ようやっと重い腰を少しづつあげていこうと思います。


細菌は、自分と、自分と同じ種類の菌が周りにどれだけいるか知ることが出来ます。
彼らは仲間内でコミュニケーションをとっているというわけです。
コミュニケーションを取っていて大分増えてきたなーと思うと、ドカンと一発毒素を生産しだしたりします。
コミュニケーションを取ろうとしてない仲間を共食いしちゃったりします。
なかなか過激な細菌達ですね。

このように、コミュニケーションの結果現れる機構を「クオラムセンシングQuorum-Sensing(QS)」と呼びます。
この言葉は臨床微生物学としては有名かもしれません。
もともと、ある一定の数になったときに現れるシステムの事をそう呼んでいました。

クオラムセンシングは、言い換えれば密度依存性の調節機構です。
この調節機構は、毒素を生産する時期を調節し、病原性を発揮する時期を調節し、胞子を形成する時期を調節したりしています。

密度はどうやってわかるのでしょうか。
細菌達は、それぞれに特異的(1細菌だけにしか通じない)な分子を出し、そしてそれを受け取る頻度によって、様々な機構を調節しています。
それは植物や動物の細胞でおきている、ホルモンの分泌や受容、外敵の進入を知らせる情報伝達物質の分泌と受容といったものと非常に似通ったものです。

次回からもう少し突っ込んで、このクオラムセンシングについて書いて行きたいと思います。


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家庭での食中毒発生防止ポイント

2005-06-04 20:49:12 | 身近な衛生
前回、前々回と日常口にしているものの細菌数、そして器具の細菌数を実験してみました。
そこでやはり「こわいな」という気分から「もう気にしてしまって洗いまくっている」という生活まで発展してしまう人が出てきたりする可能性があって、誤解を生んでいるかもしれないので少し解説をしておきます。

これまでの通常の生活で、菌が原因で起こった大きな体調の変化(お腹を壊すなど)って少ないと思います。
そういう生活の中でも、これだけ細菌と接している機会と言うのは実はあるのです、ということを言いたかったわけです。
私の体調はあれだけ菌のいる肉を加熱して食べても大丈夫だし、あの菌がついた包丁を使っていてもお腹を壊したりしていません。
つまりは、私たちの身体はある程度の菌を取り入れても、大丈夫なのです。

だからと言って、極端に走るのは良くありません。
そこでどんなことがポイントになるのかを書いていこうと思います。


まず、大きなポイントというのは、ある特定の、少量でも中毒をおこしてしまう毒を発生する細菌(例えば大腸菌O157)がいない限りは、健康な人であれば相当数の細菌を同時に摂取しないと体調を崩すことはありません。
その数は10,000,000個以上と言われています。
最初から器具や食材にそれだけいることは少ないです。(器具を洗っていなかったりしたら、それは別です)

それだけの菌数が身体に入るのを防ぐには、次のことが有効です。

1.家庭で料理したものは、短時間で食べきる。
2.残り物は、なるべく低温で、なるべく短い時間で食べきる。更に、再食するときにはよく加熱する。

加熱したり、洗ったり、酢を使ったりしていれば菌が少なくなっているので、身体に入る菌数というのは少ないです。
更に、残っていた菌をなるべく増やさないのがポイントです。
低温でも時間がたてば増える菌もいますし、加熱したショックで増えだす菌もいます。
そのような菌は再び加熱することで死滅します。

さらに細かく気にするとすれば、

3.生食するような野菜サラダ、海鮮物は保存に注意

これは、洗っただけでは菌は残っており、再食するときに加熱することは出来ないからです。
時間がたってしまって気になるようであれば、お酢を使うことをお勧めします。

4.肉はよく加熱すること

肉が厚い場合、中心点までよく熱が伝わっていることが必要です。
厚い場合には蓋をしながら加熱したりしましょう。
血が滴るレアは、中心が冷たければ要注意。
(レアの焼き具合は本当は中心部も暖かいのが美味しいのです。by美味しんぼ)

とりあえずはこんなところでしょうか。
これから熱くなり、湿気も高くなることで微生物の繁殖は活発になります。
食材保存時の温度と時間が大切です。
低く、そして短く、が一番増えない条件です。
そして使った器具はきれいに洗い、乾かしておきましょう。
熱湯をかけたりすると、菌もよく死滅するし、乾きも早いですよ。


(もちろん、お弁当・お惣菜を扱う業種や、食品加工場での衛生管理は別物です。)


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包丁についてる菌はいかほど?

2005-06-02 19:40:57 | 身近な衛生
いっぱい付いてました、菌。

包丁は朝洗って、食器カゴの箸などを乾かすところに入れておいたもので、夕方培地にペタッと一回だけつけたものです。
私は手が結構小さいので、普通の大きな洋包丁は使いづらく、果物ナイフほどの大きさの包丁を使っています。
裏表、根元の裏表と、培地の違うところにぺたぺたしました。
1日目でまだコロニーが小さかったので、今回は2日間置いておきました。
その数、85CFU(Colony Forming Unit:コロニー形成単位のことで、ただ1つの菌から生じたと考えられる菌集落)。
これは25cm2の培地なので、計算すると、3.4CFU/cm2
1cm2あたり、3・4個いたということになります。

菌種ですが、表面を見た感じ、大きいコロニーはBacillus属の様子。
(左の写真で赤いポッチは携帯のランプです)
乾かしていましたから、乾燥に強い胞子(芽胞)が残っていたというところでしょうか。
他のも芽胞かもしれませんね。

乾かしていても結構残っているのだなぁ。
芽胞菌だったら、エタノールかけるよりは、洗剤つけてゴシゴシスポンジで洗ったほうが落ちますね。
スポンジが汚くなければの話ですけどね。
スポンジが汚ければ、かえって菌を付けかねませんのでご注意を。

うちは家族で納豆食べる人がいるので、その納豆菌が残ってたり?
それとも私が連れて帰ってるのかな。


さーて、明日で一週間も終了。
最近は実験をせず、勉強の時間がたくさん持てています。
なかなか勉強する時間は少ないので、頑張っております。
上司は「仕事してないな・・・」と思ってるかも。(笑)
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