人口減少社会という希望 ・ 生き延びるためのラカン ・それから 他
なんだかまた忙しくて、とりあえず備忘録。あとでサルベージできればいいな。
人口減少社会という希望 広井良典
団塊Jr.より上の世代にもう少し利他的精神があるとよいのだろうがとは思う。経済成長主義と利他主義は本当は両立するはずだったのにどこかで見誤ったのだろう。経済学と経営学の違いみたいなものかもしれない。ここが克服できない限り、「国民総幸福」という指標も負け惜しみにしか感じ得ないのだろう。
それから「自己責任」というコトバ、あれこそ悪魔のキーワードだったと思う。あれ以来、殺伐に拍車がかかった気がする。イラク人質事件のときに登場した言葉だったが、ああやって世の中あおっといたスキに、国会は粛々と裁判員制度を可決させてしまっていることを忘れてはならない。
生き延びるためのラカン 斎藤環
すべては相対主義なのさと思えれば気も楽になるというものだ。
我々が認識する世界は文脈で解釈されるものであり、その文脈を構成する文節はたいがい意味そのものというよりは記号なのであって(シニフィアン)、しかも尽きることなき欲望のエンジンとなっていて、そういった欲望で構成されたものこそが対象аである。あってる?
史記のつまみぐい 宮脇俊三
再読。自分の会社人生が長くなってきたからか、今回は身にしみる記述が多かった。大意を示し、詳細を任せる。実力と思うか運と思うかが馬鹿と利口の分かれ道。人が一生懸命に書いたものをながしろにしてはいけない。
それから 夏目漱石
理屈を語らせれば一人前、政治家が悪い、ブラック企業は潰れろ、社畜は馬鹿だ、ビッチは去れ、老害は一掃せよ、マスコミは腐っていると息巻くパラサイトシングル。夏目漱石の先見性凄すぎる。
星の王子さま サン・テグジュペリ
最後の別れの場面こそ真骨頂ではないかと思う。こういう別れができるということは、見えない大切なものを分かち合ったということだ。「水」とは「愛」に他ならない。
失敗の本質 戸部良一・他
再読。ほんとこれはマネジメントの教科書である。目的の二重性、現場戦闘から戦略プラン修正へのフィードバック機能の欠如、創造的破壊因子を擁す余裕がない構造体、ものの見方の固定。その本質は、自己否定することの勇気だけど、これはむしろそれでも芯の部分で揺らぎない自己肯定感が確保されているからこそ可能なふるまいという気もする。
それにしても、最適化し過ぎると、時代の変化に合わせるのに遅れが出る、というのはけだし教訓だと思う。今でいうイノベーションのジレンマみたいなものか。
シンプルに書く! 阿部紘久
何かで読んだんだけど、「時間がないので文章が長くなってすみません」という手紙の冒頭。心底共感した。シンプルに書くって技術なんだよね。