ジョルジュ・サンド George Sand

19世紀フランス女性作家 George Sandを巡って /日本ジョルジュ・サンド学会の研究活動/その他

「われ愛す故に存在すJ'aime donc je suis.」

2005年09月09日 | G.サンド研究
デカルトが 「Je pense donc je suis. われ思う故にわれあり」と云ったことは有名ですが、ジョルジュ・サンドは「われ愛す故に存在すJ'aime donc je suis.」と知人への手紙に書き残しました。恋多きサンドの言葉です。が、その作品を読むと「愛」という言葉が必ずしも男女間の限定された愛に留まるのではなく、友愛、師弟愛、親子の愛、人類への愛と限りなく広がりのある「愛」が小説世界に散りばめられ、描き込まれていることに驚きます。

八月末からパリとマルセイユにしばらく滞在して帰国したところです。
いつもは学会参加が主な目的のため、一箇所に留まって、閉鎖された時空間を過ごすことが多いのですが、久しぶりにパリのホテルや友人宅に滞在し、フランスの日常社会に溶け込んで、世の様変わりを経験してきました。

以前は多かった泥棒や、メトロや公園の物乞いの人々の数はごくわずかでしたし、意図的なお釣りの計算間違えにも出会うこともなく済みました。こちらが云いたいことをはっきり相手に伝えるという毅然とした態度をモットーにしたことが、少なからず、功を奏したのかもしれません。
例えば、円をユーロに替えたい時には窓口の人のいうなりになるのではなく、これこれの額のユーロを欲しいのだがそちらの条件はどうか、と交渉するのです。両替の窓口によっては信じられない額の手数料comissionを要求するところがあるので、よく注意しなくてはなりません。銀行だからといって日本のように安心できないのがフランスです。ある両替所では欧米人らしき旅行者と、自由経済なのだから譲れないと高額な取引を主張する窓口の居丈高な女性とが大喧嘩をしていました。良心的な両替所もあるので、そのような両替店はさっさと見切りをつけた方が賢明です。

ところで、「世界の国々の中で、友人を作るならフランス人が一番だ」とよくいわれますが、今回もフランス人の友情の厚さに様々な場面で感動しました。彼らは大げさなことはしません。ですが、仏人の友人は概して、友人となった相手には自分のできる範囲で、さりげなく、時には懸命ともいえるほどの暖かい友情を捧げてくれます。友人ではなくても心を動かされる出来事に出会うことがこれまでにもたびたびありました。機会を見つけて、このブログにそんなことも書いてみたいと思っています。


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