ジョルジュ・サンド George Sand

19世紀フランス女性作家 George Sandを巡って /日本ジョルジュ・サンド学会の研究活動/その他

サンドのHP

2006年02月26日 | G.サンド研究

サンド研究者の皆さんは、すでにご存じのことと思いますが、ナレーション・音楽つきの以下のようなサイトがあります。雨の日の気晴らしに・・・

http://www.georgesand.culture.fr/

HPのアドレス

2006年02月21日 | 世界のサンド研究


前回のブログでお知らせした、フランスのサンド学会のHPのアドレスは次の通りです。

http://membres.lycos.fr/amisdegeorgesand/

今回お願いした日本サンド学会の情報が掲載されているページは、上のアドレスからトップページに行き、そのページの左側にある項の"Parutions en 2006"およびles manifestations 2006をクリックすると見ることができます。


Association Les Amis de G.Sand (France)

2006年02月19日 | 世界のサンド研究
フランスのジョルジュ・サンド学会のホームページが、日本のサンド学会の情報を掲載してくれました。サンドに関する膨大な量の情報をアップしなくてはならないところを、日本のサンド研究に関する数多くの情報を掲載してくださったLes Amis de George SandのAdministrateursの方々、とりわけサイト構築担当者に深く感謝したいと思います。

シンポジウム論文集についてのお知らせ Les actes du colloque

http://www.amisdegeorgesand.info/2006.html#colloques
http://www.amisdegeorgesand.info/parutions2006.html#projets

2005年秋のワークショップ(仏文学会)について

http://www.amisdegeorgesand.info/2006.html#monde


生誕二百年記念シンポジウムについて  colloque international de G.Sand au Japon (bicentenaire)

http://www.amisdegeorgesand.info/colljapon2004.html
http://www.amisdegeorgesand.info/2004.html#asso


日本のシンポジウムの概要

2006年02月10日 | G.サンド研究
先のブログに書いた「生誕二百年記念シンポジウム」、これから徐々に公開していこうと思っている「Cerisy国際学会」に関する内容は、昨年、依頼を受けて、大学紀要に書いたものです。少し堅苦しいもので恐縮ですが、ご参考までに。

<日本のサンド国際シンポジウムの概要>

 第一部の「政治参加としての小説技法」「イギリス趣味と作品Indianaにおける政治」「ジョルジュ・サンド・十九世紀フランス女性知識人」は、サンドの作品内部における政治・哲学思想の偏在性と両義性に着目しつつ、一貫したポリフォニックな詩的小説世界を構築するサンドの創作技法とバルザックやゾラのように堅固な文学理論をもたぬ女性作家における文学ジャンルの独創性を論証した。
 より具体的な観点から、第二部の芸術・前編では、「Laura, voyage dans le cristalにおける色彩と芸術」が、鉱物学にも硯学であった作家サンドの芸術観とノヴァリスの作品にも通底するサンド独自の世界観との相関性を検証し、次いでロマン主義時代の出版文化に大きく寄与した「挿し絵家Tony Johannot」とサンドの作品との関係が詳細なデータをもって論じられ、「サンド、芸術と偶然ーペンと絵筆」と共に、創作技法の背景となった科学と美術の役割を射程に収める新たなサンド論を展開した。
第二部の芸術・後編の「モーツアルトとサンドの諸作品」「サンドの作品を通してみられるnaif」および「映画化された創作作品」は、ロマン主義文学の中にサンドの作品と芸術観を位置づける綿密な試論であり、また映像、音楽芸術と創作の共生関係についての果敢な論究であった。
 第三部の政治編では、「ルルーの世代継承論とサンドの自伝的作品およびコンスエロ」が、これまでルソーの思想的影響のみ多くが語られてきたサンドを、フランス初のフェミニズム運動体であるサン・シモン主義の系譜を継ぐピエール・ルルーの思想との関連において照射する一方、「ファンシェット」は、二月革命を中心に捉えたサンドの政治思想と知られざる作品との深い関連を鋭敏な視点をもって論証し、『黒い街』は、台頭する十九世紀フランス産業社会の一産業都市と民衆を描いたサンドの、現実をフィクションの中に独自の手法で描き込む創作技法を強調した。
「サンドの作品における女性芸術家像ー政治と美学」「女性の問題と祖母の童話集」「ジョルジュ・サンドにおける娼婦の貌 ーイズィドラ」は、中・後期作品群の芸術上の枠組を再構築するのみならず、ジェンダーの視点からサンドの作品を捉え直した斬新かつ造詣深い考察であった。
 最後の「政治と審美の狭間でーある旅人の手紙」は、倫理と美学の互換性およびこれを止揚統一し融合させる作者の創作姿勢を闊達に論じ、コロック全体のエピローグとして、歴史学、社会学、女性学、建築学を始めとする諸分野の学際的研究を射程距離に入れた超領域的な国際サンド研究の未来のありようを示唆した。