ジョルジュ・サンド George Sand

19世紀フランス女性作家 George Sandを巡って /日本ジョルジュ・サンド学会の研究活動/その他

Sabban日仏会館館長の講演会

2006年03月02日 | サンド生誕二百年
サンド生誕二百年記念コロックで大変お世話になりました、日仏会館館長Madame Sabbanの講演会が来週の土曜日に開かれます。Madame Sabbanは、ご主人と共作の料理に関するご著書"Pasta"があり、英語にも翻訳されているようです。先日、日仏会館で偶然お会いしましたが、とてもよく覚えていてくださっていて、暫らくの間、パリ郊外の暴動について話がはずみました。確か、シンポジウムの地震の時にも会場にいらして、驚かれたものの一緒に心配してくださったこと、シンポの後、準備してくださった6階のパーティのとても豪華だったメニューのことなどが思い出されます。お時間のおありの方、講演会に是非、ご参加くださいね。

-----------------------
講演会のテーマ:「読むことと作ること:料理に関する社会科学分野の研究」
講 師:フランソワ―ズ・サバン 氏(日仏会館フランス学長/社会科学高等研究院教授)
日 時:3月11日(土)午後3時~4時30分
会 場:日仏会館601号室(6階会議室)渋谷区恵比寿3-9-25
   (JR恵比寿駅徒歩7分)
会 費:500円(会員:無料) 逐次通訳付
主 催:日仏女性資料センター(日仏女性研究学会)

サバンさんは、ご自身の研究を振り返りつつ、今フランスでは、歴史学、人類学、社会学の分野で、「食」についてどのような研究が展開されているかをお話しくださいます。お忙しいお仕事の合間をぬって今回の講演を快く引き受けてくださいました。皆様との交流も楽しみにしておられます。是非、御参加ください。

連絡先 :日仏女性研究学会 lesfemmesfj@hotmail.com
     http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Library/5526/index.htm
-----------------


 

サンド生誕二百年記念シンポの思い出 Le souvenir du colloque

2006年01月23日 | サンド生誕二百年
日仏音楽友の会のM.Franceさんには、G.Sand生誕二百年記念のcolloqueでお世話になりました。演奏の最中に折しも新潟大地震が起こり、会場の日仏会館もひどく揺れて、ホール入り口の天井近くまで届く巨大なガラス窓が大きく一面に波打っていたのを思い出します。招聘教授の先生方は初めての経験にひどく驚き、フランス人のほとんど全員が会場で総立ちとなりました。日本の北の方で起こった地震seismeなので心配ないこと、エレベーターは震度3で止まるようになっていることを説明しましたが、演奏会の後、soireeの開かれた6階まで行くのにエレベーターを使わないと言い張る方もいて、今度はこちらが驚く番でした。それだけではなく、彼らがその少し前に訪れた京都では、台風typhonに見舞われ、急遽、予定を変更して東京へと新幹線のとんぼ返りをするというアクシデントにも見舞われてしまいました。Il ne manque rien 何でもありね!と言いつつ、フランス式に事態を楽しもうという参加者の寛大な態度に救われつつ、東海直下型地震でなくてよかったと胸をなで下ろし、このときばかりは神に感謝したい気持ちでいっぱいになったことを思い出します。

ジョルジュ・サンド生誕二百年(3)Le colloque international

2006年01月08日 | サンド生誕二百年
「ジョルジュ・サンド生誕二百年フランス政府刊行資料集」より(3)

・ブラジルでは、2004年3月にジョルジュ・サンド・コンクールが創設され、優勝を勝ち取った一名の学生にフランス留学一ヶ月の賞が授与された。これはSciences-po(パリ政治学院)の四名の女子学生たちの発案によるもので、アリアンス・フランセーズ、在ブラジル・フランス大使館およびブラジル国際フランス語教授連合の協賛とエールフランスの賛助のもとに、フランス語とフランコフォニー週間祭の枠組みで実施されたコンクールである。

・アジアではとくに中国で、2004年8月に50の大学の文学研究者が集い、「フェミニズム」、「田園小説」、「サンドの散文」、「ボードレールとサンド」、「『アンディヤナ』を読む」をテーマとする国内学会が開かれた。

・日本が開催したジョルジュ・サンド国際シンポジウムについては、この仏政府刊行の『サンド生誕二百年ドキュメント集』は、大学人が主催した国際学会がダイナミックなサンド研究の推進と発展に大きく寄与したことを強調しつつ、日本の国際シンポジウムを、フランス、アメリカに次ぐ、中国より前の三番目に取り上げている。

以前から海外の国際学会に私費で参加しそのいくつかで発表してみたり(4回)、日本の二つの大きな国際学会のお手伝いをさせていただいて、これらの経験を土台にそれなりの準備をしていたつもりだったのに、いざとなると非力と時間不足がたたってうまくいかないことが多く、反省することばかり。自分にとってはとても成功したとはいえないシンポでした。大会終了後は、むしろ気分がひどく塞ぎ、鬱々とした日々を過ごしていたことを思い出します。が、このような形で公にお誉めいただくと、開催責任者としては少しは役に立ったことが心うれしく、とりわけ、貴重な時間を割いて邁進された実行副委員長を始めとするサンド研究の仲間の皆さんのご苦労を思うと、今は、よかった!という安堵感と感謝の気持ちでいっぱいです。

ジョルジュ・サンド生誕二百年(2)Le colloque international

2006年01月06日 | サンド生誕二百年
[ジョルジュ・サンド生誕二百年記念政府刊行資料集」より

・前ミッテラン大統領が創設したラ・ヴィレット科学都市にある道路が「ジョルジュ・サンド通り」と命名された。ジョルジュ・サンド通りは、「フランコフォニー広場」と呼ばれる広場に通じる道である。
・政府の男女平等監視局がパリ三区と連携し、ジェンダーの問題を取り上げる講演や展示会を開催する一方、ノアンとガルジレスでは、ECHESS(社会科学高等研究院)のF・ガスパールがアフガニスタン、イラク、パレスチナ、チャド、カンボジアの女性作家やフェミニズム運動家を集めて「世界の女性達」と題するコロックを組織し、現代女性が直面している問題とサンドのフェミニズム思想との関連について論議を交わした。
・メディアに関しては、フランス文化放送France Cultureが年間を通して十回のサンド特集番組を編成、ラジオ・クラシック、フランス・アンフォ、フランス・アンテルのほか、TV5、フランス2、フランス3などもサンドの特別番組を放映した。また、ル・モンド、ヌーベル・オプス、マガズィンヌ・リテレール、リールLireなど、新聞、文芸批評誌の紙媒体メディアもサンド特集を組んだ。(Magazine litte'aireの特集号には日本のサンド国際学会の招聘者の多くが健筆を揮っている)。

ジョルジュ・サンド生誕二百年(1)Le colloque international

2006年01月05日 | サンド生誕二百年
フランス政府は2003年3月6日、文化コミュニケーション省の通達を介し、2004年を国家の「ジョルジュ・サンド年」とすると発表した。この時以来、外務省、文化省、科学省、農林省、職業の平等とパリテ兼女性の権利省などの協力のもとにR.Prat文化担当官が中心となって、フランスのサンド年が強力に推進され、サンドに関する世界のあらゆる情報が文化コミュニケーション省に集約されることになった。政府のホームページに「サンド年」専用の巨大な凝ったURLが特設される一方、ロゴが作成され(作家の肖像の下に「平等」と記し、フランス国旗の赤、青、白のトリコロールでカラーを統一したもの)、サンドに関するあらゆる生誕記念事業にこのロゴを使用するよう関連機関に周知された。

政府の刊行資料(A4・全312頁)によれば、生誕記念に関連する催しは世界で824件を数えた。その内容は、シンポジウム・講演が227、展覧会163、演劇・コンサート348、映画34、このほか、旅行ツアー、サンドゆかりの地の文学散策、コンクールなど52、映画上映34であった。

【フランス国内】
・ツール、オルレアン、ディジョン、グルノーブル、ナント、トゥルーズ、カルカッソンヌ、ルルド、リヨン、シャルメット、サロン・ドゥ・プロヴァンスなど国内のあらゆる地方で、シンポジウム、講演会、展覧会、コンサート、演劇、記念植樹、サンドを偲ぶ集いや文学散策など様々な催しがおこなわれた。なかでもパリ市歴史図書館で開催された「ジョルジュ・サンド、その人生と作品」展は、10日間で2万人の集客数を誇った。

【海外諸国】
・海外でサンドの生誕を祝う各種の催しを実施した国の数は43カ国にのぼる。あたかもオリンピック参加国の国旗をみるような国々の名前は以下である。
ドイツ、オーストリア、アゼルバイジャン、ベルギー、ベラルーシ、ブラジル、ブルガリア、カメルーン、カナダ、中国、コンゴ(RDC)、韓国、コスタリカ、スコットランド、アラブ首長国連邦、スペイン、合衆国、ハンガリー、インド、アイルランド、イスラエル、イタリア、日本、リトアニア、リビア、マラウイ、マリ、モロッコ、モーリシャス、ノルウエー、オランダ、ペルー、ポーランド、プエルトリコ、ポルトガル、カタール、ルーマニア、スロバキア、スウェーデン、スイス、トルコ、ヴェトナム、ザンビア。