ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

「川と人類の文明史」

2023-06-09 | 読書日記

「川と人類の文明史」(スミス著 2023年2月 草思社刊)を読みました。

筆者は言う。
水とは
代替物がなく
国際法が十分に整理されておらず
必要性が圧倒的であるような
唯一の希少物質だと。

ご存知のように文明は川のほとりで誕生した。
川は時には交通路であり
国境であり
水を巡っての争いもあった。
政治にも影響を与えた。

黄河決壊に対する対応に失敗した蒋介石は
堤防や堤の修復に力を尽くした毛沢東に
道を譲った。

インドではすべての川を
水が余っている川と
水が不足している川に分類し
余っている川から不足している川に水を移すプロジェクトが
進行中だ。

ダムは今曲がり角に来ている。
(おりしもウクライナで巨大ダムが決壊というニュース)
ダムを壊す工事が進行している所も多い。
ダムの問題を解決する方法には以下の3つがある。
デザイナーフロー
土砂通過技術
流れ込み式ダム
……

などなど興味深いことばかり。

川の未来も語られる。

あらゆる方向から「川を見」ている。
こんなにもたくさんの切り口があったとは
と思わせられる。




 

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