ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

喫茶店の椅子とテーブル

2018-10-24 | 読書日記
あたたかい日が続いています。

「喫茶店の椅子とテーブル 〜村田商會がつないだこと」(村田龍一 2018年8月刊)を読みました。




会社に勤めて
日本のあちこちを回る仕事をしていた筆者の趣味は
喫茶店めぐり。
ついには
目当ての喫茶店に行くために旅に出るようになる。

「自宅でも職場でもない場所に
心落ち着ける場所があることが大切だった」のだ。

そんなある日
ふと入った喫茶店が
月末に閉店することを知る。
店は壊してしまうから
椅子やテーブルは捨ててしまうというのだ。

筆者は思わず
「椅子とテーブル、
僕に頂けませんか」
と言ってしまう。

喫茶店の椅子とテーブルは
筆者の部屋に馴染んだ。

筆者は思う。
「喫茶店の椅子とテーブルは
使い込まれて味わい深く
新品では決して買うことができないようなデザインのものがある」
これらを欲しいと思う人は
他にもいるに違いない。
筆者は
思い切って会社を退職して
閉店する喫茶店の椅子とテーブルを売る
ネットショップ「村田商會」をはじめることにする。

閉店する喫茶店の店主に
「お店が閉店することは寂しい。
だからこそ
椅子とテーブルを
捨てないで
活かしたい」
ということを分かってもらえるように「話す」のが
一番難しいのだという。

という苦労話はさらりと流して
あくまでも主役は椅子とテーブル。

一点一点を
写真付きで
丁寧に紹介している。
(1脚3000円から)


欲のない本です。





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