「言葉の園のお菓子番」は連歌を題材にしたシリーズ
第1巻「見えない花」
第2巻「孤独な月」に続く
第3巻「森に行く夢」(ほしおさなえ著 2022年8月 だいわ文庫)を読みました。
主人公一葉は勤めていた書店が閉店して職を失い(第一巻)
実家に身を寄せることになる。
そこで祖母の遺品を整理していて
十二月のお菓子メモを見つける。
祖母は、連歌の会に参加していて
お菓子を準備する係だったらしいのだ。
祖母のメモにあったお菓子を持って連歌の会に挨拶に行った一葉は
思いがけなく会に参加することになる。
連歌は五七五(長句)→七七(短句)→五七五…
とつなげていくものなのだが
そこには細かいルールがある。
第一句は挨拶句で季語を入れる
第二句は第一句と同時同場、寄り添って、体言で終わる
などなど
源氏物語は歌がいまひとつ
と言われているらしいけど
この作品の連歌は
はっとさせられるものが多い。
その魅力に加えて
月々のお菓子の話。
一葉は連歌の会の人の紹介で
ブックカフェに勤めるようになっているのだが
この巻では
歌人と作家による
少女漫画についての講演会を
(萩尾望都、大島弓子…)
ブックカフェで行うという
美味しさ。
新しい参加者があるたびに
連歌のルールを紹介するという場面が何回もあるので
ルールが分からなくてもついていける
という仕掛けです。