ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

人工知能と経済の未来

2017-12-11 | 読書日記
雨が降って
道はシャーベット状態

「人工知能と経済の未来」(井上智洋 2016年7月刊)を読みました



筆者は経済学者なので
内容は「経済の未来」寄り

AIが雇用を奪うのではないか・・・
という問いに対して
答えています

いきなり
将来は「純粋機械化経済」というものになって
人間は働く場を失う
と言わずに
まずゆるゆるとした助走からはじまる
この助走が上手くて
この部分がなければ
たぶん
筆者の言っていることが
荒唐無稽だと思ったかもしれない

最初の3章を読むうちに
そうかもしれないと思うようになる
という構成が上手い

結論は
人間は働く場を失い
収入を失うから
ベーシックインカム
(収入の如何にかかわらず
全ての人に無条件に一律の金額を給付する制度)
を始めた方がいい
それも今から
というものでした

(ベーシックインカム=国民配当
という訳語を当てはめれば抵抗はなくなるだろう)

一番印象的だったのは
「人間の価値は有用性(役に立つかどうか)にある」
(役に立つ人になるために教育を受け
社会に出て働く)
という考え方を捨てて
「生きていること自体に意味がある」
というふうに転換しないと
AIが仕事の大半をしている社会では生きていけない
という下りでした

わたしたちは
ついつい有用性を考えてしまう
自分をつくりなおす必要がある
のかもしれない







コメント    この記事についてブログを書く
« 青い城 | トップ | 神様 »

コメントを投稿