ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

光秀の定理(レンマ)

2018-10-09 | 読書日記
新刊の「信長の原理」(垣根涼介)を読む前に
既刊の「光秀の定理(レンマ)」(垣根涼介 2013年8月刊)を読んでおこうと思って
読みました。




1人目の登場人物は
道端に
4つの腕を伏せて
そのどれに石が入っているかを当させる賭場を開いて小銭を稼いでいる
僧・愚息。

愚息は空き椀2つを取り除けると
残りの2つに賭けなおすよう客に促す。

2つの椀に石が入って確率は5分5分
なはずなのに
なぜか胴元の愚息に銭は集まっていく。
何故?

2人目の登場人物は
剣の腕を磨き
それで身を立てようとしている兵法者・新九郎。
新九郎は椀の謎に惹かれ
愚息と行動を共にするようになる。

そして
椀の謎に惹かれたもう1人は
浪人・明智十兵衛光秀。

愚息の住まいの片隅で道場を開いた新九郎は
笹の枝で稽古をつけているうちに
反動をつけないで剣を振る技を編み出し
笹の葉流として世に知られるようになる。

愚息は奇妙な念仏を唱えて
(ほにほに〜 地獄極楽 心次第
ほにほに〜 笑って暮らすが 極楽ぞ
ほにほに〜 朝は早起き 夕べはたのし 春は種まき秋は月
ほにほに〜 好きこそものの上手なれ )
村人の法要を執り行い
村人たちに慕われていく。

やがて光秀は
2人の力を借りて後の足利義昭を救い出したことをきっかけに
出世していく
・・・

明智光秀が
なぜ織田信長を討ったのか
という謎の解としては
(愚息の念仏のある言葉が鍵になる)
これまで読んだ中で
一番納得できるものだったのは確かです。





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