ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

塑する思考

2017-12-03 | 読書日記
「塑(そ)する思考」(佐藤卓 2017年7月刊)を読みました




筆者は「明治おいしい牛乳」や「ロッテクールミントガム」のパッケージをデザインした人
3年かけてこの本を書き上げたという

筆者は心配している
みんな
デザインというものは
「普通と違うもの」だと誤解しているのじゃないか
昭和の時代には花模様のついたジャーやポットが
「デザインされたもの」だと思われていたし
現代では
「デザイン家電」などという電気製品があるし・・・

みんな
デザイン=付加
だと思っているのじゃないだろうか

例えば冷蔵庫は
食品の出し入れ以外の時には
むしろ静かに存在を消していてほしい
キッチンの壁の一部に冷蔵庫が組み込まれていてもいい
24時間、黙々と食品を保冷する
それ自体が「デザイン」なのだから

ロッテクールミントガムのデザイン変更は
あんまりガラッと変わったら
買いに来た人が探せなくなってしまうから
旧デザインのペンギンを生かして

上面に文字を
側面にペンギンの絵を

と分けた
分けたけれど
棚に置くと2つ面は同時に目に入る
(9枚入りになって側面が大きくなったから)
・・・・

といった調子で「明治おいしい牛乳」からリカちゃんの目まで
例をあげて
「デザイン」というものは
付加するものじゃなくて
その中にあるよさを見出し際立たせるものなのだ
と語っています
(なるほど)







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