ゆらゆら荘にて

このごろ読んだ面白い本

チェコの十二カ月

2017-12-27 | 読書日記
気圧計の針が
ぐんぐん下がっています。

「チェコの十二カ月」(出久根育 2017年12月刊)を読みました。
理論社のホームページに連載されている
「プラハお散歩便り」というエッセーの書籍化です。




出久根育は
高楼方子の挿絵を描いているひと。





2002年からチェコに住んでいる。


この本は
チェコの行事のことを書いている。

2月の「謝肉祭」
3月の(4月のこともある)の「復活祭」
12月の「クリスマス」
というよく知られたものばかりではなく
「3人の王様の日」
「魔女焼きの日 」
「死者の日」
などというのもある。

印象に残ったのは
「銀河鉄道のネトリツェ」という章
筆者は芝居を見にネトリツェへ行く

小さな無人駅に観客が集まって
待っていると
くたびれた皮のトランクを引きずった女性や
人を探していると周囲に話しかける人などが
次々にやって来る。
(旅人に扮した役者たち)
しばらくしてメガホンを持った人が現れて
「切符はお持ちですか?」
と聞く。
芝居のチケットではなく切符?
客たちはどよめいて切符売り場に並ぼうとする。
そこへ劇団員がやって来て
芝居のチケットと引き換えに厚紙でできた切符をくれる。
切符を持って線路の上を少し歩くと
列車がとまっている。
乗り込むと
どこに行くかも分からずに座っている客たちの目の前で
いくつものひとり芝居が繰り広げられる
・・・・

やがてひとり芝居は終わり
客たちは列車から降ろされて
松明を掲げてやって来た役者の後をついて行くうちに
ぬかるんだ土で
靴がどんどん重くなる。

現れたのは1台のピアノが置かれた広場

トレーシングペーパーで作られた箱(灯籠?)の置かれた広場
・・・・

物語の 中のようなチェコでの暮らしが
語られます
もちろん
筆者の絵入りで





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