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里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ギンリョウソウ 菌寄生植物

2017-03-27 | 日記
花渕山の標高800m辺りの、ブナの森で見かけたギンリョウソウです。
ギンリョウソウは光合成を行わないため、葉緑素を全く持っておらず、茎も花も
鱗片状に退化した葉も、全てが真っ白です。
普通の植物は発芽し、葉を茂らせ、光合成で養分を得ています。
それから花を咲かせて種子を実らせますから、数ヶ月間地上に姿を現しています。
ところが、ギンリョウソウは全ての養分を土中の菌類から得ていますから、地上に現れて
種子を実らせるまでの期間は、30~40日間といわれています。
それに地上に現れるときから、この姿ですから全く無駄がありません。




                             二枚とも2015.6.5撮影

正面から見た花は、奥に青色のものが見えますが、これは雌しべの柱頭です。
その周りに、同じ程度の高さで雄しべがあるようです。
授粉に際しては、蜜を出してマルハナバチなどの昆虫を招きよせているようですから、
普通の虫媒花と同じですね。

根は普通の植物のように長く伸びておらず、寸詰まりな形をしています。
この根の部分に菌類が付着しており、分厚く鞘状に根を取り囲み、さらに根の内部に
くさび状に侵入する構造で、「モノトロポイド菌根」と呼ばれます。 
この菌を介して、菌根と共生関係にある樹木の根から栄養をもらう、という複雑な
寄生をしているようです。 


                                 2015.6.5撮影

イチヤクソウ科ギンリョウソウ属の多年草だが、菌寄生植物で葉緑素を持たないため
根以外は全て白い。日本全土に分布し、薄暗い樹林下の湿った腐葉土に生える。
一箇所から3~10本を叢生、花茎は直立し、高さは5~15cm、鱗片葉が数個ある。
花期は5~8月で、花は長さ2cmほどの筒状。
花弁は3~5個、長さ10~20㎜、幅5~15㎜の惰円形。
初めは花が俯き加減だが、次第に横向きになり、雌しべの青色の柱頭が見えるようになる。
果実は白色で直立し、長さ9~20㎜、幅10~24㎜の卵形。
種子は粉のように細かく軽い。


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