里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

カラハナソウ ホップの仲間 

2017-03-24 | 日記
南三陸町の水戸辺川に沿った林道を歩いていると、道路際の藪にたくさんの
白っぽい実のようなものが生っています。
近寄ってみるとカラハナソウですね、ホップに似ているので一度見たら忘れません。
それにしても実生りが好いですね。
この藪のあたりも津波の浸水域でしたから、それがミネラルの供給となって、植物が
活き活きとしてくるのかも知れません。
塩害を受けるのは人が植えた作物や樹木だけで、それ以外はかえって葉の緑が増し
たり、実生りが良くなったりしているように感じられます。




                             二枚とも2015.9.27撮影

カラハナソウはビールに添加するホップ(セイヨウカラハナソウ)と同属です。
明治初期、北海道岩内を訪れた開拓使のお雇いアメリカ人がカラハナソウの実を見つけ、
ホップと思い込んでビール醸造に使ったそうですが、苦味がなくてビールの風味が出な
かったそうです。しかし、そっくりな植物が育つのだから、ホップの栽培も可能だろうと
ホップ苗を輸入し、北海道でのビール醸造が始まったと言うことです。
その醸造所が現サッポロビールの前身とのこと。


                                 2015.9.27撮影

クワ科カラハナソウ属のつる性多年草で、北海道と中部地方以北の本州に分布する。
山地の林縁や川沿いの草薮などに自生し、雌雄異株。つるや葉柄にはとげがある。
葉は対生し、葉身は広卵形で長さ5~12㎝、先端は尖り、縁には粗い鋸歯がある。
基部は心形で、葉柄は4~5cm。
花期は8~9月で、雄花は総状花序を出して、淡黄緑色の小花を多数咲かせる。
雌花は淡黄緑色の苞に包まれていて、球状に固まって葉腋から垂れ下がる。
この苞が成長して、長さ3cmほどの松かさ状の果実となる。
苞の基部には、包まれるように痩果が1個ついている。
痩果はレンズ状で厚さ2.5~3mm、表面には黄色い腺点が多く苦味がある。


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