里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

シノブ 岩壁に着生

2018-08-02 | 日記
岩手県一関市室根町津谷川地区、気仙沼市境の山に岩場や巨岩の連なる一帯があって、
そこで岩壁に着生していたホテイシダを観察しました。その岩から少し上がった所にも
岩壁があって、今度はシノブがたくさん着生していました。岩は硬質の頁岩のようです。
この辺りはしばしば山霧がかかり、岩壁でもほどよく湿気が保たれるのでしょう。

シノブが着生していたのは岩壁の北面で、足掛かりが無くて登れそうもないので、ここでも
別の方角から岩上に出て、真上から撮影しました。




                             二枚とも2018.7.27撮影

シノブは古典園芸植物として、江戸時代より楽しまれてきました。
山に自生するシノブをコケ玉などに巻き付け、軒などから吊るして楽しんだようです。
これを「吊りシノブ」、或いは玉シノブと呼びます。
シノブの名の由来は、強健で乾燥に強く、頻繁に水遣りしなくても「耐え忍ぶ」ことからそう
呼ばれたようです。実際に吊りシノブとして楽しむ場合は、あまり苛めては可哀想です。
潅水は玉ごとバケツの水などに浸して行い、時には打ち水を行うとよいようです。


                                 2018.7.27撮影

シノブ科シノブ属の夏緑性羊歯植物で、北海道~沖縄に分布するが、中心は中部~東北地方。
低山~山地の、空中湿度の高い岩壁や樹幹などに着生するが、陰湿な環境は好まない。
根茎は太く直径5mmほど、褐色~灰褐色の鱗片を密につける。岩壁や樹幹を長く這い、分枝
しながら広がる。葉身は三角状卵形で長さ10~20cm、3~4回羽状深裂、葉質は紙質。
裂片は長楕円形から被針形で鋭頭、幅1~2mm。
葉柄は長さ5~15cm、細い針金のようでかたく、全体無毛。
胞子嚢群は裂片に1個つき、包膜はコップ状。


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