里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ミヤマワラビ 巨岩の割目

2018-08-04 | 日記
岩手県一関市室根町津谷川地区、気仙沼市境の山地の巨岩帯で、岩の割目に見慣れ
ない羊歯を見つけました。北向きの大岩下部に生えていますから、かなり薄暗く、やや
湿り気のある場所です。小型の羊歯で、岩から下垂気味に生えていますから、最下羽片が
上側にはね上がって見えます。葉柄を見ると針金のように細く、かなり長いですね。
葉身より長いかも知れません。




                             二枚とも2018.7.27撮影

周囲を探すと他にも何株か生えていて、岩にも着生していますが、岩の根方付近の地上にも
生えています。何れもかなり薄暗い場所です。

ふと浮かんできた名前がウサギシダです。
「しだの図鑑」でウサギシダを見ると、葉柄は同様に長いものの、最下羽片がはね上がる
ことはないようです。別ものですね。
ウサギシダの前後のページをめくっていると、ミヤマワラビという種があって、最下羽片
の形やはね上がり方がそっくりです。念のためネット検索でミヤマワラビの記事を見ると、
岩場に生えている写真が多いので、ほぼ間違いないでしょう。


                                 2018.7.27撮影

ヒメシダ科ヒメシダ属の夏緑性羊歯植物で、北海道~九州に分布するが、中部地方以西では
かなり希少で、北方系の羊歯に分類されるだろう。草丈は20~45cm。
落葉樹林内の岩礫帯や斜面、腐植土の多い林床などに自生し、小群落を形成する。
根茎は直径1.5mmほどで、長く横走し、鱗片がある。葉柄はわら色で長さ10~30cm、
有毛で下部に鱗片がある。 葉身は3角状楕円形、先端は尖り、基部は切形、長さ幅ともに
10~15cm。2回羽状深裂~全裂。最下羽片のみがハの字形に下がる。
最下の裂片は基部が中軸に流れ翼になる。裂片は長楕円形~三角状で、大きいものは長さ
1.8cm、幅6mm、鋭頭~円頭で両面とも毛がある。葉質は草質~柔らかい紙質で、緑色。
ソーラスは裂片の辺縁近くにつき、直径1mm、苞膜を欠く。胞子嚢は黄褐色で有毛。




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