里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

ホオノキの大きな花

2018-05-22 | 日記
南三陸町戸倉地区での海浜植物の観察を終えて、国道を西へ走行しているとカーブの
先に大木があって、黄白色の大きな花が幾つか咲いているのが見えます。
少し手前の路肩に駐車してから、木に歩み寄って観察すると、大きな葉が枝先に6~7枚
輪生していますからホオノキですね。
地面に落ちた大きな実は見たことがありますが、花を間近に見るのは初めてです。
ホオノキはモクレン科の樹木ですから、モクレン同様に大きな花を付けるのでしょう。


                                 2018.5.12撮影


          〈みんなの花図鑑 ホオノキより〉

ホオノキの花は両性花なのですが、時期によって「性」を変えて自家受粉を防いて
いるのだそうです。開花1日目は雌しべが張り出して雌花となり、2日目は雄しべが
張り出して雄花となります。開花した初日に、昆虫が運んできた他個体の花粉を雌しべ
につけてもらって受粉し、2日目には、昆虫の体に雄しべの花粉をつけ、他個体の雌しべ
へと運んでもらいます。

これが花の開花状態で判るのだそうです。開花初日の花は少しだけ開き、このとき雌しべ
が熟します。花はいったん閉じて、翌日は雄しべが熟します。花びらが全部開くときは、
すでに雄しべが散った後なのだそうです。
花の寿命は2~3日で、3日目にはおしべ、そして花びらも落ちてしまうのだとか。
私の写真の花も、この日の夕方には散っていることになります。
それでホオノキの花をあまり見ないのでしょうね。


                                 2018.5.12撮影

モクレン科モクレン属の落葉広葉樹で、樹高20~30mの高木。
北海道~九州に分布し、山地~丘陵地のやや湿り気のある落葉樹林内に自生する。
幹は灰白色、平滑で皮目が多い。葉は互生であるが、6~10枚が枝先に輪生状につく。
葉身は倒卵形~倒卵状楕円形で長さ20~40cm。先端は短く尖り、基部はまるい。葉縁は全縁で
大きく波をうつ。葉表は緑色、葉裏は粉白色。托葉は膜質、早落性。葉柄は長さ3~4cm。
花期は5〜6月、花は黄白色で芳香があり、直径15cmほど、枝先に上向きに付く。
花被片は9〜12個。外側の3個は短い萼状、淡緑色で一部紅色を帯びる。内側の6〜9個は花弁状。
雄しべと雌しべは多数らせん状に集まってつく。雄しべは長さ2cmほど、花糸は赤色、葯は黄白色。
果実は長楕円体で長さ10~15cm、袋果が100個ほども集まった集合果で、1個の袋果に1~2個
の種子が入っている。種子は長楕円体で長さ10〜15mm、種皮の外層は赤褐色、中層は肉質。
長い糸状の珠柄で袋からぶら下がる。


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