里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

オオバノイノモトソウ 雄勝峠崎

2017-03-22 | 日記

石巻市雄勝町の半島部を巡る車道を歩いていると、法面の一角に緑色の草叢を
見つけました。常緑の草なのか羊歯なのか、法面を登って確認しましょう。
間近で観察すると、羊歯植物のオオバノイノモトソウですね。
これだけまとまって生えているのは珍しく、今年の1月に牡鹿半島で見た群落以来です。
県北部でも沿岸部や内陸の里山に、稀に1株2株と生えていますが、暖地の羊歯
ですから生き繋ぐのがやっとやっとなのでしょう。
ここは眼下に外洋が広がっている半島部ですから、冬場でも内陸よりは温かく、
暖地の羊歯には生き易い場所なのでしょうね。




                            二枚とも2015.11.29撮影

周辺の道路法面を丹念に探すと、落ち葉の間から数枚の三つ葉が出ていました。
オオバノイノモトソウの小株ですね。
こんな小株が三つ四つ、少し離れた道路法面に大株が一つありましたから、
順調に生育し、自生域を広げていると言えるでしょう。
これに関しては、大震災以降峠崎道路沿いの刈払いを実施していないようですから、
そのことがプラスに作用していると思われます。


                                2015.11.29撮影

イノモトソウ科イノモトソウ属の常緑性羊歯植物で、東北南部以南の本州、
四国、九州に分布する。
暖地では平地~山地の樹林下に普通に見られるが、宮城県においては自生地が
限られる希少な羊歯植物。
葉は多数密生し、栄養葉と胞子葉がある。
栄養葉は草丈20~40cmで、縁に細かい鋸歯がある。
葉身は1~5対の羽片に分れ、長さ10~20cm、幅2~3cmで先が尾状に尖る。
葉身の中軸に翼は無い。
胞子葉は草丈30~60cmで、栄養葉の羽片より幅が狭い。
縁が裏側に反り返ってソーラスを包む。



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