里山の野草と花木 宮城県北トレッキング

宮城県北部の山野を歩き回り、季節ごとの草花や果実を撮影し、その特徴や自生地の環境等について記録する。

タカノツメ 沢沿いの黄葉

2017-11-10 | 日記
大和町宮床地区南部、集落の集会所に車を置いて、南側の山を目指して集落道を
下って行くと、電気柵に行く手を阻まれました。イノシシ避けのものでしょう。
川近くの民家ではフェンスと電気柵の二重防御にしていますから、イノシシには困り
果てているのでしょうね。

電気柵をまたいでから少し下ると、南川の支流を小さな橋で渡ります。
橋を渡ったところが二股になっていて、今日は右の林道を上がっていく予定なのですが、
左の道の少し先に、鮮やかに黄葉した木が見えるので、ちょっと寄り道してみました。




                             二枚とも2017.11.7撮影

初めはコシアブラの黄葉かと思いましたが、複葉の枚数が違います。
コシアブラの場合は掌状複葉と記述されるように、小葉が5枚ありますが、私の写真の葉は
3小葉ですから別物ということになります。葉をよく見ると、葉質が厚くやや光沢がありますね。
たぶん、同じウコギ科の別の樹種でしょう。

樹木図鑑で「3小葉のウコギ科」を調べると、タカノツメという樹種と判りました。
葉に光沢があること、秋に黄葉することなども合致しますから、間違いないでしょう。


                                 2017.11.7撮影

ウコギ科タカノツメ属の落葉広葉樹で、樹高15mになる高木。
北海道〜九州に分布し、山地の林中や林縁に自生する。宮床地区では、沢沿いに生える印象。
樹皮は灰白色。丸い皮目が多数あり、しばしば地衣類が着生する。枝は短枝が発達する。
葉は互生し、ふつう短枝の先に集まって付く。3出複葉だが、ときに単葉のものもある。
葉柄は4〜15cm、無毛または短毛がまばらに生える。小葉は卵状楕円形で長さ5〜15cm。
両端は鋭く尖り、縁には短い芒状の鋸歯がある。両面とも光沢があるが、裏面はより光沢が強い。
表面は無毛、裏面の脈腋には毛叢がある。雌雄異株。
花期は5〜6月、短枝の先に散形花序を出し、小さな黄緑色の花を多数付ける。花柄は長さ2〜5cm、
小花柄は長さ7〜10mm。花弁は4個で、長さ2mmほどの狭卵形。雄花には雄しべ4本と小さな花柱
1個がある。雌花に雄しべはなく、花柱は2裂する。
果実は液果。広楕円体で長さ5〜6mm、9〜10月に黒紫色に熟す。中には種子が2〜3個入っている。
種子は長楕円体で長さ4〜5mm、表面は赤褐色で、両端は短く尖る。




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