100分de名著 スピノザ「エチカ」
③ 自由
「力=活動能力の増大」がスピノザ倫理学の目標だが、言い換えると「自由」という言葉で表現できる。
しかし、この自由は単に制約からの解放ではない。
たとえば、魚は水という制約の中でこそ活動能力を発揮できる。
水を離れては自由にはなれない。
同じように、人間が自由になるとは、何の制約もなくなることではなく、その条件にうまく沿って生きることで活動能力が増大させることなのだ。
さらにスピノザは「自由意志」をも否定する。
私たちが一つの行為を選ぶとき、実際には非常に複雑な要因がからまっているにもかかわらず、自由意志が唯一無二の原因で選んでいると単純化してとらえてしまっているという。
第三回は、固定観念で覆われ、私たちが見逃しがちな「自由」や「意志」の本来の意味を、スピノザの視点から照らし出す。
Once upon a time in America
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