100分de名著 オルテガ 「大衆の反逆 」
④ 「保守」とは何か
オルテガは現代人が人間の理性を過信しすぎているという。
合理的に社会を設計し構築していけば、世界はどんどん進歩してやがてユートピアを実現できるという楽観主義が蔓延しているというのだ。
しかし、どんなに優れた人でも、エゴイズムや嫉妬からは自由になることはできない。
人間は知的にも倫理的にも不完全で、過ちや誤謬を免れることはできないのだ。
こうした人間の不完全性を強調し、個人の理性を超えた伝統や良識の中に座標軸を求めるのが「保守思想」だが、オルテガはその源流につながる。
歴史の中の様々な英知に耳を傾けながら「永遠の微調整」をすすめる彼らの思想は、急進的な改革ばかりが声高に叫ばれる現代にあって、
大きなカウンターになりうると中島岳志さんはいう。
第四回は、オルテガの思想を保守思想の源流とつなぎながら読み解き、長い時間をかけて培われてきた良識や経験知に学ぶ方法を明らかにしていく。
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