逃げる女、追う刑事。真鶴港の沖に浮かぶ地元実業家の遺体が発見された。共にクルーザーで出航した妻暁子はひとり港に戻り、すぐさま東京へ出かけたという。疑念を抱いた駿河刑事と岡田刑事は事件、事故の両面から捜査を開始した。妻の後を追うが、髪形、髪色、服装を変えた妻は都会の人込みに紛れこむ。妻の行方を捜す一方、その素性を洗うと、本名は浅野涼子といい広島で起きた殺人事件の容疑者として追われているという驚くべき過去が判明する。次第に明らかになる過去と実像この女は悪女なのか。・・・逃避する二人の女をめぐるサスペンスだが、あまりにご都合主義が過ぎて目に余る感じ、ラストはこの魔女の肖像が一抹の哀愁をおびたサプライズの結末が用意されている。
2019年9月双葉社刊
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