新宿花園裏交番シリーズ第二作。警察サスペンス。
コロナ緊急事態宣言の出たさなか、歌舞伎町ゴールデン街に接するジャンボ交番の若手警察官、坂下浩介と内藤章助は、コロナで静まり返った街でカラスが我が物顔にふるまう苦情を受けた。だが、巣のあるビル屋上には、何者かの白骨死体が・・・。現場の老朽ビル群は、反社不動産屋同士が再開発を巡って暗闘。折しも日本初の官公庁クラスターが所轄署で発生して、周囲の署が連携する不規則な体制で捜査は進められることになった。さらに、白骨死体に関わるとみられた組事務所はコロナウイルスと思しきものが持ち込まれ、組員一同が発症していた。事件の続発に、眠らない街を疾駆する坂下と内藤たち。緊急事態宣言下の新宿、混沌とする夜に屋上の白骨死体、老朽ビル再開発騒動と暴力団の抗争、置き配窃盗、賭博に集う政財界の大物たち。新型コロナによる外出禁止令。戒厳令ばりの有事により、異常な状況に置かれた街。この夜発生するクラスターとそれが事件に及ぼすのだ。一夜のうちに無数の事件が連鎖する目まぐるしい展開に中々付いていくのが大変だったが後半見事に起承転結で収束された。
2022年6月祥伝社刊
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