この世の見えない仕組みに挑む感動の物語。27歳、大学院生の須藤周二が5歳年上の彼女・松川夏美と与那国島へ旅行に行く。そこで、「島留学」中の美しい少女・久遠花と出会う。何かを探しているという花の姿が、周二には不幸な事件で亡くした従妹に重なって見えた。数日後、花が姿を消して・・・・。
登場人物の視点で語られる展開も、花の探している「何か」を見つける過程で周二の過去の出来事が浮かび上がりミステリー様相も、沖縄に伝わるスピリチュアルな雰囲気も織り交ぜて、繊細で透明感のあるタッチで展開される。「目の前にあるかけがえのないものに、気づいていますか」というメッセージにも考えさせられた。
2018年7月光文社刊
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