読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

柴田 哲孝 著「銀座ブルース」

2009-11-01 | さ行
舞台は昭和20年代 元特高の警視庁刑事、武田幸史郎が活躍する昭和のGHQ占領下の謀略小説。
形式は6つの連作短編としながらも主人公武田幸四郎の生き様を語っています。
彼の身替わりで死んだ同僚の妻子を引き取って一緒に暮らしながら面倒を見、特高時代に責め殺した松尾一成の娘、美音子という若い女にも入れあげていく。
帝銀事件や下山事件・三鷹事件も、小説の中にリアルに描かれています。
同僚として名刑事平塚八兵衛や作家の太宰治も実名で登場しいい味をだしてます。
GHQの力関係やその権力闘争や、戦後のバラック街での暮らし振りなどが興味深い。
昭和の実録事件の、ノンフィクションでは書ききれない闇の部分に光を当て、あえてフィクションとして描いて真相をあぶりだしています。
2009年7月双葉社刊

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 吉田修一著「キャンセルされ... | トップ | 横山秀夫著「 真 相 」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

さ行」カテゴリの最新記事