関口 尚著「シグナル」

大学の授業料を稼ぐ為宮瀬恵介が始めたアルバイトは駅前の銀映館という映画館。
ここの映写室には３年間映画館から外に出ていないという引籠もりの映写技師の女性・杉本ルカがいた。
恵介がアルバイトに採用される際に支配人から出された条件が３つ。
ルカの過去について質問をしてはいけないこと、２は月曜日になると神経質になる
ルカをなるべくそっとしておくこと、そしてルカとの恋愛は御法度。
映画館の映写室を舞台に映写技師のルカと同い年の青年の話です。
恵介がルカの秘密のその固く閉ざされた心の扉を、そっと押し開いていく恋愛過程が
ファンタジーなタッチで書かれたミステリー青春小説です。
「この人とだけはわかり合いたいと思ったら、必死に心の手を伸ばすんだよ。
奇跡的に巡り合えたたったひとりの人なんだから、何があっても信じ続けるんだよ」（本文より）

2008年2月　幻冬舎刊