読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

伯方 雪日著「死闘館-我が血を嗣ぐもの-」

2010-08-28 | は行
仕事の疲れと恋人由佳里との恋愛に行き詰まりを感じた、実は格闘技オタクの刑事・城島は、
かつて事件捜査で出会った格闘家のガトロ・スチュードの住むニュージーランドへと旅立った。
のんびり休暇を楽しむはずだっただが、ガトロの祖父で一族の長テ・ケレオパの邸宅へ向かうことになる。
その人里離れた山奥に佇む不思議な日本家屋には格闘家一族が呼集されており、テは彼らに対し、最も強いものにすべての権力と財を譲ると告げる。
具体的なことをなにも知らされず、一族が困惑する中、折からの嵐と火山噴火によって屋敷が孤立したのと同時に、一族の男の扼殺死体が発見された。
はからずも日本から遠く離れた異国で捜査をすることになった城島。
しかし第二第三の殺人が連続して起きて・・・。
ニュージーランドの山奥、嵐と火山で閉ざされた日本家屋。
格闘家一族をめぐる不可解なな連続殺人をマオリ族の伝承神話と第2次大戦後のフェーザーストーン日本人捕虜収容所暴動事件を絡めて
マオリの格闘術と日本の柔術を融合したアオテア柔術の創始者一族に起きたミステリー。
『敵がおらず、ぬくぬくとして精神が徐々に磨耗していく・・・現実という敵から逃げて、なんとなく時が解決してくれるのを待っている。・・・
でも、もう。・・・理想を仮託して代償的に満足する必要はない。--自分が、動けばいいのだから。』(326P)
大手書店の文芸書担当作家がグレイシー柔術の一族を想像させる架空の格闘家一族を登場させて「ニュージーランドにある日本屋敷を舞台にした格闘技のお話」を書き上げた、結構楽しめました。

2010年6月東京創元社刊

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1 コメント

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格闘技プラスアルファだと思うと面白い (隆太郎)
2013-04-26 16:27:08
この作品、かなり面白かったですね。
格闘技あんまり見ないですが、それでものめり込み
ました。
しばらく影響が残って、格闘技番組とか見ちゃってました。
伯方雪日さん、新作『ガチ! 少女と椿とベアナックル』も
出ているので結構ネットでも盛り上がってますね。
伯方さんを解説するサイトまで見つかってしまいました。
http://www.birthday-energy.co.jp/

どうやら今後こそ格闘して生きていく様です。
何に格闘するかは、ちょっと分からないんですけどね。
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