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読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

光原百合著「銀の犬 」

2009-02-04 | ま行
アイルランド・フィンランド・ウェールズ地方を中心とした
ケルト民族の民話・伝説を元に書かれたファンタジー小説。
声を失った楽人オシアンとその相棒ブランの物語。
5つのエピソードからなる逸話で
妖精・妖魔等が出て来たり魂が彷徨う原因を探る謎解きの部分もあり
ケルトの冒険おとぎ話って感じです。
2006年 角川春樹事務所 刊
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村上春樹著 「海辺のカフカ」   

2009-01-19 | ま行
ファンタジーな寓話。作者の大変意欲的な作品であろうことが感じられる小説。
創作力の意欲がひしひしと感じれる作品できわめて哲学的で迷宮化されて
複雑怪奇な展開だがなぜか引き込まれる。
15歳の誕生日、少年は夜行バスに乗り、家を出た。
一方、猫探しの老人・ナカタさんも、なにかに引き寄せられるように西へと
向かう。
暴力と喪失の影の谷を抜け、世界と世界が結びあわされるはずの場所を求めて。
15歳の少年田村カフカと不思議な老人ナカタさんを中心に交互に展開される。
難解だが面白い作品であるがその解釈もまた難解。
ナカタさんと青年の章になぜか引付けられた。
2002年  新潮社 刊
コメント (1)
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村上春樹著「アフターダーク」

2009-01-17 | ま行
今、旬で話題の作家ですが、この本は何を語ろうとしているのか、いまひとつ
私にはよくわからなかった本です。
深夜のファミレスで読書をして暇を潰す19歳のマリ、行為の直前に生理が
始まったという理由で、客から暴力を振るわれる19歳の中国人売春婦、売春婦を
殴り、持ち物を身包み持ち出して逃走した後で、会社に戻って仕事を続ける
サラリーマン白井、元女子プロレスラーでラブホのマネージャー、後ろ暗い
過去から逃げつづけるラブホ従業員、眠りつづけるマリの美しい姉エリ、
孤児だったこともある音楽青年タカハシ。
23:54から翌朝7:52までの物語?・??
2004 年  講談社刊
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道尾秀介著「向日葵の咲かない夏」

2009-01-11 | ま行
ホラーサスペンス。著者は1975生まれで、2004年「背の眼」で第五回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。
この作品は受賞後第1作。
9歳の小学生が主人公のホラーサスペンス。
友人の家に夏休みの宿題等の入った学校からの届け物を持参した時に
発見したのは
友人の変わり果てた姿だった・・・。
輪廻転生、動物虐待、イジメ、自殺、家族不和等を複雑に絡め同級生S君の
死を巡る真相に迫る。 怖くて意外ない結末が・・・。
2005年新潮社刊

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前川梓著「ようちゃんの夜」

2009-01-09 | ま行
第1回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。
ようちゃんこと塙絢子はちょっとかわった子
一人でじいっと何かを見つめているときもあるし、「空の向こうから誰かが見てる」と突然言い出したりもする。
主人公の小山亜紗子は、そんなようちゃんがうらやましくてたまらない憧れの存在。痛いけどやさしい。
かわいいけどこわい。10代の少女たちの日常を、繊細で詩的な文章で表した青春小説。
特に盛り上がるわけでもなく坦々としたスートリーで女性向?

  2006年 メディアファクトリー刊
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道尾秀介著「カラスの親指by rule of CROW's thumb」

2008-12-13 | ま行
ここでいう「カラス」というのは玄人の詐欺師のこと。
「詐欺」を生業としている、テツさんとタケさんというしたたかな中年二人組。
二人には闇金絡みで家族を亡くしているという共通点がある。
しかもタケさんは、自らの借金のせいでその闇金組織に働かされ、
人を自殺に追い込んだ苦い過去がある。
その時タケさんは自分のしたことに嫌気をさしその組織を裏切り警察に通報、
そのせいで組織に家を焼かれ一人娘を亡くした。
それ以後は一人きりで他人の戸籍を買いとって名前を変えて隠れるように
生きてきた。
ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んで来た。
戸惑う二人だったがやがて同居人は3人増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が
始まった。タケさんは情容赦のない取立ての闇金組織に対していつまでも逃惑う
生活に終止符打つため又失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの
過去と訣別するために、テツさんや同居人達と一緒に、闘うことを決意する・・・
それはそれは詐欺師の彼らが企てたのは大プランだったが・・・。
最後のどんでん返しには参りました。なるほど各所にそれらしき伏線が
張られてましたね。何だか気にはなっていたが最後のまで読まされてから気付くとは・・・
意外な真相と大きな仕掛けに・・・「あっ」という驚きでした。 
最初はわずかな借金がやがて多重債務者に・・・借金地獄の恐ろしさよ。
『親指は父親の意味で、親指だけが正面から他の指を見渡すことが出来るんです。』(本分よリ)

 2008年 7月 講談社刊 1785円
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松本賢吾著「月虹(ムーンボー)」

2008-11-30 | ま行
月虹 (ムーンボー)は、夜空にかかる虹。
「その虹の色は、いる人により7色に輝いて見えたり白一色の冷たい色に
見えたりする」らしい。
ハードボイルドな刑事物。新宿署○暴の部長刑事、生方利三が主人公。
読み終わって、大沢ワールドの世界かと思うほどよく似た背景、展開。
やたら、人が死ぬのはいただけないがシリーズしてもと思う面白さ。

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松本賢吾著「女の街 」

2008-11-26 | ま行
自称風来坊の流れ土工の五郎は、30年前新宿歌舞伎町で風子という好きだった
女を助ける為にヤクザを撲殺して逃げ出してから一度も東京には足を踏み入れていない。
15年前事件は時効になったが新宿に帰る口実を越中おわらで知り合った
亮二の兄捜しに見つけ一緒に東京に行くことになった。
新宿署マル暴の生方刑事長田刑事が登場して浪花節松本賢吾の
歌舞伎町ワ-ルド全開。
哀愁を帯びた胡弓の「風の盆」名調子が活かされた人情小説?
2003年 毎日新聞社
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光原百合著「十八の夏 」

2008-11-20 | ま行
2002年第55回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作。
表題作他「ささやかな奇跡」「兄貴の純情」「イノセント.デイズ」収録されてい
る。
大学を目指す一浪中の三浦信也が夕方あるきっかけから年上の女性と出会い恋心
が芽生える。同じアパ-トの階下に住むようになり・・・・
恋愛物かなと思って読み進めると最後に意外な展開がミステリ-ぽくなくて好い。
2002年 双葉社 刊☆
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宮部みゆき 著「 誰か」

2008-11-09 | ま行
会長専属運転手梶田信夫が自転車に轢逃げされて死亡する。
今多コンツェルンの広報室でグループ社内報の編集者杉村三郎は、会長で
義父にあたる今多嘉親から梶田氏の遺族の2人の娘が書く
「お父さんの伝記」の手伝いを仰せつかる。
妹の梨子は本を出すことによって、犯人を見つけるきっかけにしたいと
意気込んでいるが、結婚を間近に控えてた姉の聡美は、
出版に反対しており結婚の延期も考えていることがわかる。
事故が起きた時間に家の前を、凄いスピードで走り抜ける赤いTシャツを
着た男の子の乗った自転車が目撃されているが。
暴走自転車による死亡事件の犯人探し、2人の姉妹の確執、
梶田家の27年前の出来事・・・
物語は、意外な方向に展開を見せ動き始める。
『法に触れこそしないものの、私はもっともっと凄いことを何度もやってきたよ。
裏切りも企みも、駆け引きも暗闘も、収奪も秘匿も。
人間はそういうものだ。必要に迫られれば何でもやるんだ。
・・・問題は、それを背負っていかれるかどうかだけだ。』(本文より)
人間の持つ妬みやエゴ描きながら謎を解き明かすミステリー小説。
2003年 実業之日本社 刊
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森 健著「 火薬と愛の星」

2008-11-06 | ま行
著者は、1973年愛知県一宮市生まれ。
2003年第46回群像新人文学賞受賞作品。
デビュー作。非常勤の予備校の講師をしながら自堕落な女性関係を続ける
主人公「ケン」と逸れを取り巻く女たちの生態を描いた
私小説的現代風若者の実態小説。

2003年 講談社 刊
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松久淳+田中渉著「あの夏を泳ぐ・天国の本屋」

2008-10-22 | ま行
『天国の本屋』シリーズ4作目
高校の水泳部でライバルだった麻子と朝子。卒業から5年たったOB会の日、
5年ぶりに会えるのを楽しみにしていたが、麻子は不思議な書店に迷い込む。
無理やり店の仕事を手伝わされるうち、あのころの気持ちを少しずつ
取り戻していく。
いっぽう朝子は見知らぬアロハシャツの男性から、麻子との宝物を渡されて・・・。
過去と現在、天国と現世が交差する、5年前のあの事件以後止まってしまった
二人の時間を再び動かすために。
二人のコンビ作家によるファンタジー青春小説。全体的に爽やかで、
読み易い作品。随所に挿入された田中によるイラストが物語を引き立てる。
コーチをめぐる二人の心理がみずみずしく語られてよい。
スピードアップされ慌ただしい毎日、複雑な人間関係、煩わしい日常生活の中で、自分を見失いがちな日々。
しばし立ち止まって、自分の好きだったもの、忘れていた大切なことを
思い出したら又違った世界が見えてくるかも。

2008年7月 新潮社刊
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三上洸 著「アリスの夜 」

2008-09-07 | ま行
2002年第六回日本ミステリ-大賞新人賞受賞作品。
題名も「日出づる国のアリス」から改題、著者名も「藍川 暁」より改名
138編の応募作品から、選ばれただけ有る面白い作品です。
児童売春組織を扱った小説で、スピ-ドある展開スリル・サスペンス、
アクションを兼ね備えたミステリ-小説。
9歳半の少女「アリス」に魅せられ恋をした自らの事業の借金の為に
プロダクションの運転手する水原真彦こと「マ-ちゃん」と組織の
追いかけっこのハラハラドキドキ、アリスの父親は?母親は?
そして、アリスは・・・・結末まで一気に読ませてしまう作品でした。
2003年 光文社刊

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宮部みゆき著 「 ブレイブ・ストーリー(上・下)」

2008-08-30 | ま行
上下刊約1300ペ-ジの長編ファンタジ-小説です。
地方新聞に1年3ヶ月に渡り連載された。
小学校5年生の三谷亘が主人公。両親の離婚の危機に幻界(ヴジョン)へ
の扉を見つけ、友だちの芦川美鶴(ミツル)から異界への旅人の証「ペンダント」を貰いそして、扉の内側に。
そこでワタルは勇者の剣を貰い見習い勇者になって女神がいる運命の搭をめざし旅にでる。
襲いくる敵に対して味方はネ族の娘ミ-ナ、水人族のキ・キーマ。
はたしてミツルは友人か敵か、運命の搭にたどり着くのはどちらが早いか?
退魔の剣は手に入れることが出来るか?
「ロマンシングスト-ンサ-ガⅢ」のようなTVゲ-ムの世界に
タイムスリップしたような冒険ファンタジー小説。
作者は、幻界(ヴジョン)を,
「現世の人間の想像力のエネルギ-が創りあげている世界。」とし
「幻界は虚にして実、有にして無、存在するか実存するわけでない空の世界」と
している。
2003年 角川書店刊
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三崎亜記著「鼓笛隊の襲来」

2008-08-29 | ま行
戦後最大規模の台風の来襲と思いきや鼓笛隊が襲って来る
・・・そんな夜を、足の不自由な義母とすごすことになった一家。
避難もせず、防音の部屋も持たないのだが、遭遇したら体力の続く限り鼓笛隊に追随してしまうという・・・
しかし、鼓笛隊の上陸予想ポイントで完全防音のヘルメットで迎え撃つ筈
だった一千人のオーケッストラの防御網は突破されこちら方面に向かっているらしい・・・無事に鼓笛隊の来襲をのりきることができるのか。
表題作ほか全9編の短編集。
コンクリート製でなくて本物の象のすべり台・・・『象さんのすべり台のある街』
二重人格じゃなくて覆面を被った同僚・・・『覆面社員】
引きこもり?イエ異次元への空間に閉じこもり・・・『「欠陥」住宅。』
5年前突然居なくなった彼からのメッセージ・・・『同じ夜空を見上げて』
よく知っている日常の中のアイテムや状況を少しだけずらした発想。
複雑な現代社会で我々の意識の中で、欠落している「負の部分」を
意識の欠落をテーマにしている独特の世界 。
眩いほどに不安定で鮮やかな世界を覗かせてくれる短編集
2008年3月刊光文社
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