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上海。郊外の団地。再開発。高層ビル。「私たち、上海に住でるのよ。欲しいものは欲しいって、今、世界で一番言える街に」ケガで体操選手を諦め、臨時体育教師になった阿青。結婚目前の恋人には初めてのチャンスが訪れていた。・・・「上海蜜柑」。
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ヤクザの仁義なき戦いと警察小説が融合した「孤狼の血」シリーズ続編。平成二年、前作で広島県警呉原東署暴力団係として活躍した日岡秀一巡査は、僻地の駐在所勤務になっている。懲罰人事だ。田舎の駐在所の日岡は、穏やかな毎日に虚しさを感じていた。そんななか、懇意のヤクザから建設会社の社長だと紹介された男が、敵対する組長を暗殺して指名手配中の国光寛郎だと確信する。彼の身柄を拘束すれば、刑事として現場に戻れるかもしれない。日岡が目論むなか、国光は自分が手配犯であることを認め「もう少し時間がほしい」と直訴した。男気あふれる国光と接するにつれて、日岡のなかに思いもよらない考えが浮かんでいく。
前作が広島抗争なら、今度は暴対法成立前夜の山一抗争がモデル。正義とは何か。仁義とは何なのか。国光は裁判で、「敵対組織の幹部を殺したのはヤクザとしてやらなければならない当然のことをやったまでだ・・・ただ、亡くなった人たちの冥福は祈ります。それが仁義というものだ。」(P310)。日岡は「捜査のためなら、俺は外道にでもなる。」とある決心をする。日岡の成長物語として面白かった。週刊誌の記事やマスコミの報道は、すべてを伝えるものではないのでこの小説は、その見えない部分のドラマを堪能できる。警察vsヤクザの意地と誇りを賭けたドラマでした。
2018年3月KADOKAWA刊
運命に抗え。時は明治。海賊と海軍の戦争が生む狂気の中を、友情、恋慕、嫉妬、裏切り、三人の運命が交錯する。19世紀末。かつて幼なじみであった新太郎、灯、鈴の三人は成長し、それぞれの道を歩んでいた。新太郎は呉鎮守府の軍人に、灯は瀬戸内海を根城にする海賊に、そして鈴は思いを寄せる灯を探し、謎の孤島・鬼仙島にたどり着く。「海」と「山」。決して交わることのない二つの血に翻弄され、彼らはやがてこの国を揺るがす争いに巻き込まれていく。
時の支配者の手の及ばない治外法権の島という設定し、青い目を持つが故に青鬼と呼ばれ不当で激しい差別を受ける「海族」が難を逃れて住み着き、島の支配層となっているという展開。細かな事を無視し明治時代と戦時中を背景にした、対立する「海」と「山」の部族の冒険物語と思えば楽しめますが鈴の無鉄砲さ甘さなど色々気にしだすとつまらない作品かも。
2019年5月中央公論新社刊
バブルの売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつなぐこの男。24歳の横道世之介、が主人公。彼はいわゆる人生のダメな時期にあるのだが、彼の周りには笑顔が絶えない。鮨職人を目指す女友達浜本、大学時代からの親友コモロン、美しきヤンママ桜子とその息子亮太。そんな人々の思いが交錯する27年後。オリンピックに沸く東京で、小さな奇跡が生まれる。・・・
世之介以外は、前作とはまったく違う登場人物が出てくるが、誰かに向ける言葉だったり、世之介がかけられる言葉だったりで前作とのつながりを感じる。善良とは「正直で性質のよいこと。実直で素直なこと。また、そのさま」。
「彼と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるわけではない。それでも彼と出会えたことで、なぜか自分がとても得をしたような気持になってくる」
「世の中がどんな理不尽でも、自分がどんなに悔しい思いをしても、やっぱり善良であることを諦めちゃいけない。」(P409)
次の続編は30代の世之介か?
2019年2月中央公論社刊