過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『ピンク・パンサーの息子』(1993)
監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ロベルト・ベニーニ ほか
ベニーニの爆笑コメディ。ピンク・パンサー・シリーズは観たことないけど、十分笑えるクルーゾーJr.の物語り。
確かにこのヒットシリーズてイギリス映画なのよね。面白そうだから元ネタもチェックしたいところ。
ファンなら今作にもおなじみの顔ぶれが揃っているそうで、相変わらずのボケぶりをまた楽しめるということ。
すべて人の声による最初の有名なテーマ曲のジャズ・アレンジはとってもgreat
ロベルトの天然ボケには、どんなプロの殺し屋もかなわない。
このままずっと彼のボケ演技を永遠に鑑賞していたい気さえしてくる芸術的なボケなんだな、コレが。
能天気なキャラも完璧。もっともっと主演コメディを作ってほしいもの。
『Pure Luck』のマーティン・ショートに負けず劣らず人に迷惑かけて本人はいたってハッピーなのが笑える。
■『ピンクの豹』(1964)

監督:ブレイク・エドワーズ 出演:デビッド・ニーブン、ピーター・セラーズ ほか
これが有名なピンク・パンサー・シリーズの第1作目か。
よくあるサスペンスコメディ形態にしては2時間たっぷり使って、笑いと宝石
を巡るやりとりがミックスされている。
ピンク・パンサーは宝石のことで、コメディの中心はセラーズ演じる大ボケ警部クルーゾー。
セラーズといえば『博士の異常な愛情』で3役を演じ分けたあのunusualな俳優だ。
イギリス人で当時38歳。シリーズは5作まで。亡くなるまでこのシリーズとは長い付き合いだったようだ。
まだまだ初作ではドタバタ迷惑度は40%くらい。例の警部も出ていないし、ファッションも時代を感じさせる。
女優もハリウッド美人ばかりそろって、クルーゾーの奥さんももったいないほどの美人。
おなじみのテーマ曲にピンク・パンサーのアニメーションも楽しい。
間違って同僚の手にキスしたり、ドアにぶつかったり、譲り合って、結局2人で出口につっかかったり、
回した地球儀に寄りかかって倒れたり・・・セラーズが真面目にボケてるのが笑える/爆
(ピーター・セラーズ大好き

■『マウス』(1959)

監督:ジャック・アーノルド 出演:ピーター・セラーズ、ジーン・セバーグ ほか
セラーズがつつましい姫と長官、そして間の抜けたタナーの3役を例によって器用に演じ分けている。
『博士の異常な愛情』の兄弟みたいな作品だけど、こちらはいたって平和的。
ヒロインはセシル・カットのセバーグ。キュートな魅力、フランス語のセリフがあるが地元民に通じないのが可笑しい。
「絶対にこの映画のことを他言しないで下さい」なんて警告があったり、
爆弾を運んでいるシーンに爆発したシーンを挟んで「ありがちですがジョークです」といった
自由で皮肉でイギリス的な笑い。もしかしてMPのメンバーもセラーズ作品から学んだものは多いかも。
足を罠に噛まれて狐を追い払ったり、セラーズの真面目にボケた笑いもイイ。
ヒロインが嫌いだといってても、キスひとつですぐに結ばれちゃう安易さはまさに映画の世界そのもの。
爆発寸前の爆弾
をフットボールのように投げてゴールすると危機を脱するシーンは笑える。
■『ピンク・パンサー2』(1975)

監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ピーター・セラーズ、クリストファ・プラマー ほか
邦題ではこれが2になっているけど、この前に『暗闇でドッキリ』がある。
今作にはドレファス警部も登場。上司でありながらクルーゾーを殺したいほど憎んでいる彼w
でも、ボケ、危険度は彼とあまり変わらない。でも、なぜクルーゾーはパリ警察にして喋り方が変なのかな?
セラーズはイギリス人でイギリス映画なのに? 謎の東洋人ケイトー(加藤?)も出てる。
身の回りの世話をしながらクルーゾーから武術を習っているらしい。よく分からん設定/爆
一難去ってまた一難。「道は知ってるか?」「知ってるよ」だけで教えてくれない通行人、
「あの車を追え!」と言われて、車から降りて走っていくタクシー運ちゃん。このギャグ日本のコントでもある!
ドアノブやベルは取っ手が皆外れちゃうし、何が起きても「へこたれないぞ!」と頑張るクルーゾー。
日本料理店でのケイトーの着物姿はスゴイ!「オリエンタルバカ」て爆笑した
例のオープニングアニメも楽しみなんだけど、ドアからドアへ追いかけっこしてる相手はクルーゾーなんだね。
だんだんパターンが分かってきたv
■『暗闇でドッキリ』(1964)

監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ピーター・セラーズ ほか
さて、これがピンク・パンサーの話じゃないことが分かって、クルーゾーは豪邸での殺人事件を担当することになったワケで、
ひと騒動もふた騒動も起こしてくれる。ドレファス警部の精神状態はかなり悪化してるみたい
ヌードキャンプのシーンも笑える。ギターで前を隠して歩いて、なんだか今作はこんなギャグが多い。
鍵が戸棚に挟まってズボンが割けたり、コサックを踊ろうとしたら、いきなりズボンが割けたり。
ヒッチコック作品も毎回美女が出るので有名だけど、このシリーズのヒロインも毎回違った魅力の一級美人が登場。
有名にはならなかったみたいだけど、その都度お相手できてセラーズも役得だねv
これだけボケまくってもなおかつ鋭い勘が働いて事件解決に結びつけちゃうクルーゾーは、
やっぱり警部たりうる才能の持ち主なんじゃないだろうか?
■『ピンク・パンサー3』(1976)
監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ピーター・セラーズ、ハーバート・ロム ほか
ドレファス警部が3年間精神病院で療養し、クルーゾーと名前を聞いても発作を起こさなくなって、
やっと仕事に復帰できると決まった当日、見舞いに来た“主任警部”クルーゾーのせいで元の木阿弥。
症状はさらに悪化して病院を脱走してクルーゾー殺害に躍起になる。
3作目は泥棒捕り物帳ではなく、完全にキレちゃったドレファスが大掛かりなクルーゾー殺害計画を実行するストーリーだが、
クルーゾーのドジぶりは筋金入りで、世界中のプロの殺し屋が寄ってたかって狙っても死なないw 彼こそ世界最強の男かも
セラーズは当時52歳というから驚き! 階段落ちから、河へ落ちること数回。
彼は'80に55歳の若さで心臓発作で亡くなっているけど、なんだか納得。ここまでやるのは素晴らしい芸人根性だと感心。
おなじみのアニメもディズニー風クリア&リアルで映画館でおふざけ、数々の名作にパンサーがすり替わるのが楽しい。
映像も'70年代してて、だいぶクリアだし、初めてセラーズの髪が栗色だと分かったほど。
相変わらずケイトーとの対戦も両者かなり腕が上がってヌンチャクやら使って、
毎回このシーンだけに何十分も割いているところも可笑しい
毎日あんなに部屋中メチャメチャにしてたら、家具代がさぞかさむだろうに
笑いに命を賭けてる、こーゆー人最近いないよ、なかなか。
room、phone、dogなどの発音が変でいつも人から聞き直される。
押しいれのドアから出ようとしたり、壁にぶつかって自分で「基本的なギャグだった」と解釈してるのもイイw
■『ピンク・パンサー4』(1978)

監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ピーター・セラーズ、ハーバート・ロム ほか
オープニングテーマはブルーズィなノリ。セラーズが出演したのはこの4までかな?
さて、消えたドレフェスは無事、精神病院に戻っていたらしい。
今作には『ピンク・パンサーの息子』にも出ていた変装道具を売っているボールズとカニーが登場。
クルーゾーの変身キットはここで揃えてたワケね。
僧の格好やいかにも中国系の農民スタイルとめまぐるしく変わる変装術が見物。
選り抜きの殺し屋Mr.チョンは、香港映画ばりだけど、彼でさえ何階も下に落ちたらたまらない。
ケイトーとの対決は床に穴を開けるほど熱を帯びてきて、それでもなぜか電話
が鳴ると
「クルーゾー宅です」てそこだけ正気に戻るところが笑えるw
今回は香港が舞台で'70後半の香港の下町ってなんだか日本と似ているからビックリ。
クルーゾーはどうやら東洋文化が好きらしくて浴衣姿もなかなかサマになってる。
彼の行くところ行くところドレフェスが居合わせる。この2人よっぽど(本人らが望むまいと)固い絆で結ばれちゃってるのね。
クルーゾーを褒めちぎった弔辞を読まされてまた狂気が再発しちゃうのも分からなくもない。
ドーヴィエ役の俳優はどこかで観た覚えがあるけどどこだったかな?
■『ピンク・パンサー5 クルーゾーは2度死ぬ』(1983)
監督:ブレイク・エドワーズ 出演:デヴィッド・ニーヴン、ロバート・ワーグナー、ハーバート・ロム ほか
特別編集というから、重ね撮りでもしてセラーズの姿が少しは拝めるかとも期待したけど、やっぱムリか
でも、このクルーゾーの親戚みたいなスレイ刑事のマヌケ捜査ぶりも結構楽しめる。
ピンク・パンサーが再び盗まれ、捜査中のクルーゾーが失踪して3年、彼を探す担当になったドレフェス警部は
コンピュータで世界一のデカを割り出すが、実は逆に世界一ドジなアメリカの刑事スレイを選びだす。
このスレイ、本当にクルーゾーの親類じゃないかと思うほどよく似てるドジ+悪運強さぶり。
今作はまさにシリーズ総決算、主要キャラクター総出演で、クルーゾー=セラーズを偲ぶ、そんな作品。
オープニングテーマはアニメで、MGMということはこれだけアメリカ映画なのかな。
この楽しいシリーズも観終わって、次はピンク・パンサーを離れたセラーズの作品を観てみよう。
活躍したのは20年にわたっていて、出演作はピンク・パンサー以外はそう多くない。
主演したニーヴンはあまり話題にならなかったみたいだけど、その他のメンバはまだ揃っているし、
このピンク・パンサーシリーズの息子編からもっと新解釈版も引き続き観たいもの。
■『チャンス(BEING THERE)』(1980)

原作:ジャーズィ・コズィンスキー 監督:ハル・アシュビー
出演:ピーター・セラーズ、シャーリー・マクレーン、ジャック・ウォーデン、メルヴィン・ダラス ほか
これは文句なく名作の1本。晩年のセラーズがなんともイノセントな役で
ドタバタコメディとは全く違ったドラマティックな魅力を出している。
マクレーンほかの共演者も名優ぞろい。心の奥が鎮まり、ホッと和む映画になっている。
「人生とは心を映す姿」
彼は現世の人間なのか?とても不思議な余韻の残る終わり方。
家から一歩も外へ出ずにずっとテレビ
だけを相手に老年まで過ごしてきたなんていうのも信じ難い。
チャンスはTVで見たものしか知らず、車やエレベータも初めての代わりに大統領に対しても怖気づかない。
彼の妙な発言もユーモアにとられてすべてトントン拍子。
外国では物事を遠まわしにたとえ話にすることが多いから、こんな誤解もあり得るかも。
どこでも落ち着き、自然体のチャンス。不穏な世の中にこれほど受け入れられたのは彼の純真無垢、
失うものなど何もないあるがままの心があったからだ。
ラストには黒人の子どもの言葉をそのまま伝えるセリフでセラーズが何度も間違えたり、
吹き出してNGを連発する茶目っ気たっぷりのNGシーンが加えられている。
彼がこの年になくなったことなど信じ難いくらい。偉大なる俳優の早すぎる死は寂しいかぎり。
■『THE MAGIC CHRISTIAN』(1969)

監督:ジョセフ・マッグラス 出演:ピーター・セラーズ、リンゴ・スター、リチャード・アッテンボロー、
ローレンス・ハーヴェイ、クリストファ・リー、スパイク・ミリガン、ロマン・ポランスキー、ラクウェル・ウェルチ、ユル・ブリナー、
ジョン・クリーズ、グラハム・チャップマン ほか
こんなブッ飛んだ映画はなかなかないぞ。私ですらついていくのが難しいほどのブッ飛びワールド


オスカーの特別賞でもあげたい。♪Money, that's what I want 金が全ての世の中を皮肉ったヒットナンバーの裏返し。
♪Come on get it やるから取れよという歌に乗せて、即席大金持ち親子が仕掛ける罠また罠。
とことん金

で動くモラルや正義、歪んだ世の中を風刺した作品。ここまでやれるとは恐れ入った。
腐りきってもなお歴史を刻んでゆく英国パワーは並じゃないと、この映画で分かった。
なにが驚いたってセラーズとMPのメンバの共演
でも今作のセラーズはMPを超えるキレぶり。
最も度肝を抜かれたのは、♪Man met a boy を歌う妖しいゲイボーイがなんとユル・ブリナー!息が止まっちゃった!
ウェルチはSM女王のごとく、女の子がボートを漕ぐのを急かして、ゴリラは出るわ、大混乱。
パーキングチケットを飲んじゃうオヤジはじめ、金に弱い人間の心理、もう言うことなし。
電車で東洋人がすり替わったり、席がズレたら性倒錯者の乱チキパーティで尼僧のセラーズが怖い。
その他の変装もたくさん。一応英国人の役だけど喋り方はやっぱり変。フランス系なままり?
こんなアクの強い時期があったのねぇ。主役がストリッパーのハムレットってのもあったな。
part4からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。
■『ピンク・パンサーの息子』(1993)
監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ロベルト・ベニーニ ほか
ベニーニの爆笑コメディ。ピンク・パンサー・シリーズは観たことないけど、十分笑えるクルーゾーJr.の物語り。
確かにこのヒットシリーズてイギリス映画なのよね。面白そうだから元ネタもチェックしたいところ。
ファンなら今作にもおなじみの顔ぶれが揃っているそうで、相変わらずのボケぶりをまた楽しめるということ。
すべて人の声による最初の有名なテーマ曲のジャズ・アレンジはとってもgreat

ロベルトの天然ボケには、どんなプロの殺し屋もかなわない。
このままずっと彼のボケ演技を永遠に鑑賞していたい気さえしてくる芸術的なボケなんだな、コレが。
能天気なキャラも完璧。もっともっと主演コメディを作ってほしいもの。
『Pure Luck』のマーティン・ショートに負けず劣らず人に迷惑かけて本人はいたってハッピーなのが笑える。
■『ピンクの豹』(1964)


監督:ブレイク・エドワーズ 出演:デビッド・ニーブン、ピーター・セラーズ ほか
これが有名なピンク・パンサー・シリーズの第1作目か。
よくあるサスペンスコメディ形態にしては2時間たっぷり使って、笑いと宝石

ピンク・パンサーは宝石のことで、コメディの中心はセラーズ演じる大ボケ警部クルーゾー。
セラーズといえば『博士の異常な愛情』で3役を演じ分けたあのunusualな俳優だ。
イギリス人で当時38歳。シリーズは5作まで。亡くなるまでこのシリーズとは長い付き合いだったようだ。
まだまだ初作ではドタバタ迷惑度は40%くらい。例の警部も出ていないし、ファッションも時代を感じさせる。
女優もハリウッド美人ばかりそろって、クルーゾーの奥さんももったいないほどの美人。
おなじみのテーマ曲にピンク・パンサーのアニメーションも楽しい。
間違って同僚の手にキスしたり、ドアにぶつかったり、譲り合って、結局2人で出口につっかかったり、
回した地球儀に寄りかかって倒れたり・・・セラーズが真面目にボケてるのが笑える/爆
(ピーター・セラーズ大好き


■『マウス』(1959)


監督:ジャック・アーノルド 出演:ピーター・セラーズ、ジーン・セバーグ ほか
セラーズがつつましい姫と長官、そして間の抜けたタナーの3役を例によって器用に演じ分けている。
『博士の異常な愛情』の兄弟みたいな作品だけど、こちらはいたって平和的。
ヒロインはセシル・カットのセバーグ。キュートな魅力、フランス語のセリフがあるが地元民に通じないのが可笑しい。
「絶対にこの映画のことを他言しないで下さい」なんて警告があったり、
爆弾を運んでいるシーンに爆発したシーンを挟んで「ありがちですがジョークです」といった
自由で皮肉でイギリス的な笑い。もしかしてMPのメンバーもセラーズ作品から学んだものは多いかも。
足を罠に噛まれて狐を追い払ったり、セラーズの真面目にボケた笑いもイイ。
ヒロインが嫌いだといってても、キスひとつですぐに結ばれちゃう安易さはまさに映画の世界そのもの。
爆発寸前の爆弾

■『ピンク・パンサー2』(1975)

監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ピーター・セラーズ、クリストファ・プラマー ほか
邦題ではこれが2になっているけど、この前に『暗闇でドッキリ』がある。
今作にはドレファス警部も登場。上司でありながらクルーゾーを殺したいほど憎んでいる彼w
でも、ボケ、危険度は彼とあまり変わらない。でも、なぜクルーゾーはパリ警察にして喋り方が変なのかな?
セラーズはイギリス人でイギリス映画なのに? 謎の東洋人ケイトー(加藤?)も出てる。
身の回りの世話をしながらクルーゾーから武術を習っているらしい。よく分からん設定/爆
一難去ってまた一難。「道は知ってるか?」「知ってるよ」だけで教えてくれない通行人、
「あの車を追え!」と言われて、車から降りて走っていくタクシー運ちゃん。このギャグ日本のコントでもある!
ドアノブやベルは取っ手が皆外れちゃうし、何が起きても「へこたれないぞ!」と頑張るクルーゾー。
日本料理店でのケイトーの着物姿はスゴイ!「オリエンタルバカ」て爆笑した

例のオープニングアニメも楽しみなんだけど、ドアからドアへ追いかけっこしてる相手はクルーゾーなんだね。
だんだんパターンが分かってきたv
■『暗闇でドッキリ』(1964)

監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ピーター・セラーズ ほか
さて、これがピンク・パンサーの話じゃないことが分かって、クルーゾーは豪邸での殺人事件を担当することになったワケで、
ひと騒動もふた騒動も起こしてくれる。ドレファス警部の精神状態はかなり悪化してるみたい

ヌードキャンプのシーンも笑える。ギターで前を隠して歩いて、なんだか今作はこんなギャグが多い。
鍵が戸棚に挟まってズボンが割けたり、コサックを踊ろうとしたら、いきなりズボンが割けたり。
ヒッチコック作品も毎回美女が出るので有名だけど、このシリーズのヒロインも毎回違った魅力の一級美人が登場。
有名にはならなかったみたいだけど、その都度お相手できてセラーズも役得だねv
これだけボケまくってもなおかつ鋭い勘が働いて事件解決に結びつけちゃうクルーゾーは、
やっぱり警部たりうる才能の持ち主なんじゃないだろうか?
■『ピンク・パンサー3』(1976)
監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ピーター・セラーズ、ハーバート・ロム ほか
ドレファス警部が3年間精神病院で療養し、クルーゾーと名前を聞いても発作を起こさなくなって、
やっと仕事に復帰できると決まった当日、見舞いに来た“主任警部”クルーゾーのせいで元の木阿弥。
症状はさらに悪化して病院を脱走してクルーゾー殺害に躍起になる。
3作目は泥棒捕り物帳ではなく、完全にキレちゃったドレファスが大掛かりなクルーゾー殺害計画を実行するストーリーだが、
クルーゾーのドジぶりは筋金入りで、世界中のプロの殺し屋が寄ってたかって狙っても死なないw 彼こそ世界最強の男かも

セラーズは当時52歳というから驚き! 階段落ちから、河へ落ちること数回。
彼は'80に55歳の若さで心臓発作で亡くなっているけど、なんだか納得。ここまでやるのは素晴らしい芸人根性だと感心。
おなじみのアニメもディズニー風クリア&リアルで映画館でおふざけ、数々の名作にパンサーがすり替わるのが楽しい。
映像も'70年代してて、だいぶクリアだし、初めてセラーズの髪が栗色だと分かったほど。
相変わらずケイトーとの対戦も両者かなり腕が上がってヌンチャクやら使って、
毎回このシーンだけに何十分も割いているところも可笑しい

毎日あんなに部屋中メチャメチャにしてたら、家具代がさぞかさむだろうに

笑いに命を賭けてる、こーゆー人最近いないよ、なかなか。
room、phone、dogなどの発音が変でいつも人から聞き直される。
押しいれのドアから出ようとしたり、壁にぶつかって自分で「基本的なギャグだった」と解釈してるのもイイw
■『ピンク・パンサー4』(1978)

監督:ブレイク・エドワーズ 出演:ピーター・セラーズ、ハーバート・ロム ほか
オープニングテーマはブルーズィなノリ。セラーズが出演したのはこの4までかな?
さて、消えたドレフェスは無事、精神病院に戻っていたらしい。
今作には『ピンク・パンサーの息子』にも出ていた変装道具を売っているボールズとカニーが登場。
クルーゾーの変身キットはここで揃えてたワケね。
僧の格好やいかにも中国系の農民スタイルとめまぐるしく変わる変装術が見物。
選り抜きの殺し屋Mr.チョンは、香港映画ばりだけど、彼でさえ何階も下に落ちたらたまらない。
ケイトーとの対決は床に穴を開けるほど熱を帯びてきて、それでもなぜか電話

「クルーゾー宅です」てそこだけ正気に戻るところが笑えるw
今回は香港が舞台で'70後半の香港の下町ってなんだか日本と似ているからビックリ。
クルーゾーはどうやら東洋文化が好きらしくて浴衣姿もなかなかサマになってる。
彼の行くところ行くところドレフェスが居合わせる。この2人よっぽど(本人らが望むまいと)固い絆で結ばれちゃってるのね。
クルーゾーを褒めちぎった弔辞を読まされてまた狂気が再発しちゃうのも分からなくもない。
ドーヴィエ役の俳優はどこかで観た覚えがあるけどどこだったかな?
■『ピンク・パンサー5 クルーゾーは2度死ぬ』(1983)
監督:ブレイク・エドワーズ 出演:デヴィッド・ニーヴン、ロバート・ワーグナー、ハーバート・ロム ほか
特別編集というから、重ね撮りでもしてセラーズの姿が少しは拝めるかとも期待したけど、やっぱムリか

でも、このクルーゾーの親戚みたいなスレイ刑事のマヌケ捜査ぶりも結構楽しめる。
ピンク・パンサーが再び盗まれ、捜査中のクルーゾーが失踪して3年、彼を探す担当になったドレフェス警部は
コンピュータで世界一のデカを割り出すが、実は逆に世界一ドジなアメリカの刑事スレイを選びだす。
このスレイ、本当にクルーゾーの親類じゃないかと思うほどよく似てるドジ+悪運強さぶり。
今作はまさにシリーズ総決算、主要キャラクター総出演で、クルーゾー=セラーズを偲ぶ、そんな作品。
オープニングテーマはアニメで、MGMということはこれだけアメリカ映画なのかな。
この楽しいシリーズも観終わって、次はピンク・パンサーを離れたセラーズの作品を観てみよう。
活躍したのは20年にわたっていて、出演作はピンク・パンサー以外はそう多くない。
主演したニーヴンはあまり話題にならなかったみたいだけど、その他のメンバはまだ揃っているし、
このピンク・パンサーシリーズの息子編からもっと新解釈版も引き続き観たいもの。
■『チャンス(BEING THERE)』(1980)

原作:ジャーズィ・コズィンスキー 監督:ハル・アシュビー
出演:ピーター・セラーズ、シャーリー・マクレーン、ジャック・ウォーデン、メルヴィン・ダラス ほか
これは文句なく名作の1本。晩年のセラーズがなんともイノセントな役で
ドタバタコメディとは全く違ったドラマティックな魅力を出している。
マクレーンほかの共演者も名優ぞろい。心の奥が鎮まり、ホッと和む映画になっている。
「人生とは心を映す姿」
彼は現世の人間なのか?とても不思議な余韻の残る終わり方。
家から一歩も外へ出ずにずっとテレビ

チャンスはTVで見たものしか知らず、車やエレベータも初めての代わりに大統領に対しても怖気づかない。
彼の妙な発言もユーモアにとられてすべてトントン拍子。
外国では物事を遠まわしにたとえ話にすることが多いから、こんな誤解もあり得るかも。
どこでも落ち着き、自然体のチャンス。不穏な世の中にこれほど受け入れられたのは彼の純真無垢、
失うものなど何もないあるがままの心があったからだ。
ラストには黒人の子どもの言葉をそのまま伝えるセリフでセラーズが何度も間違えたり、
吹き出してNGを連発する茶目っ気たっぷりのNGシーンが加えられている。
彼がこの年になくなったことなど信じ難いくらい。偉大なる俳優の早すぎる死は寂しいかぎり。
■『THE MAGIC CHRISTIAN』(1969)

監督:ジョセフ・マッグラス 出演:ピーター・セラーズ、リンゴ・スター、リチャード・アッテンボロー、
ローレンス・ハーヴェイ、クリストファ・リー、スパイク・ミリガン、ロマン・ポランスキー、ラクウェル・ウェルチ、ユル・ブリナー、
ジョン・クリーズ、グラハム・チャップマン ほか
こんなブッ飛んだ映画はなかなかないぞ。私ですらついていくのが難しいほどのブッ飛びワールド



オスカーの特別賞でもあげたい。♪Money, that's what I want 金が全ての世の中を皮肉ったヒットナンバーの裏返し。
♪Come on get it やるから取れよという歌に乗せて、即席大金持ち親子が仕掛ける罠また罠。
とことん金



腐りきってもなお歴史を刻んでゆく英国パワーは並じゃないと、この映画で分かった。
なにが驚いたってセラーズとMPのメンバの共演

最も度肝を抜かれたのは、♪Man met a boy を歌う妖しいゲイボーイがなんとユル・ブリナー!息が止まっちゃった!

ウェルチはSM女王のごとく、女の子がボートを漕ぐのを急かして、ゴリラは出るわ、大混乱。
パーキングチケットを飲んじゃうオヤジはじめ、金に弱い人間の心理、もう言うことなし。
電車で東洋人がすり替わったり、席がズレたら性倒錯者の乱チキパーティで尼僧のセラーズが怖い。
その他の変装もたくさん。一応英国人の役だけど喋り方はやっぱり変。フランス系なままり?
こんなアクの強い時期があったのねぇ。主役がストリッパーのハムレットってのもあったな。
すごいですね~ほとんど知らない映画ばかりです。
というかリンゴも俳優としてけっこういろいろ出てるんですね。僕はビートルズの映画でしか見たことないんですけど。
映画も時間さえあれば、いろいろ見たいんですが、なかなか。
映画の感想にコメントもらえるのは嬉しいです/礼
>というかリンゴも俳優としてけっこういろいろ出てるんですね。
なんだか、意外とわたしの好きなコメディに出てたりしてびっくりです。
がくさんも観たくなってくる映画をこれからも
どしどし紹介してゆくので、
よかったからご参考にどうぞ~♪