メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

柳家さん喬 「船徳」ほか@日本の話芸

2019-11-30 12:59:51 | テレビ・動画配信
柳家さん喬 「船徳」




日本には四季折々の行事がある

浅草の観音様 一年中いろんな行事がございます
四万六千日 7月の9日と10日、観音様にお参りをすると
4万6千日通ってお祈りをしたご利益を頂戴できる
「ほおずき市」と言ったほうが馴染みがある

「どうしても船頭になりたい」という若旦那とくさんは親方に止められるが
あまりしつこくお願いされて仕方なく認める

オタミにみんなを呼びに行かせる
オタミ:小言だって

船頭:
オタミの言うことはアテにならない
きっとシンゾウ?を壊したことだ
間違えて持ってきた天ぷらそばを食べたことか?
オレが謝るから 任せとけ

親方に言うと知らないと言われるw

親方が「これから若旦那を“徳”と呼んでくれ」と事情を話す

どうにか船を動かすようになった若旦那

夫婦で暑い日に四万六千日に船で行こうという夫

女将:もう全部出て、船頭がいない

夫:あすこに1人いるじゃないか

女将:お得意さんだから、こないだみたいに船ひっくり返したらダメですよ

妻は船に乗るだけで酔う

船がやっと動いて、調子よく歌いながら漕ぐとすごい揺れ
竿が流れて櫓にかえるが、石垣に寄りすぎて逆ギレする若旦那

妻は船酔いを抑えるために煙草を吸う

夫:船が流れてないか?! 大桟橋まですぐそこなんだから!

若旦那:もうヤダ…

船が中洲に乗り上げる

夫:オレがおぶっていってやるから(入ると首まで浸かるw

若旦那:すいません 船頭1人雇ってきてくれませんか?



立川談四楼 「柳田格之進」




柳田格之進は、小さい頃から曲がった事が大嫌い

ある日上司が商人からちょっと袖の下をもらって
見過ごすことができず、ひと騒動起きる

始末書を出すと、誰かが改ざんして
柳田が袖の下をもらったことになりお役御免となる

女房を早く亡くして、一人娘の糸がいる 歳は17
親子二人で浅草の長屋に住み始めたのは春先

糸が繕い物で内職をしていたが暮らしの支えにはならず、柳田は私塾を始める
安いのが目玉で長屋衆の子ども達が大勢押し掛けるも
ここでもうるさくして、数人に減る

碁会所があると娘に教えられて外に出かける

相手をする知り合いがいないと言うと、主がちょうどいい人がいると紹介したのは
両替をしている商人のよろずやまんべえ

2人は馬が合い、酷暑の日に行くと碁会所は混雑
よろずやの家に誘われる

夜になると酒が用意され、断れず碁談義+お土産までもらうが
それから後悔して行かなくなった

よろずやは機嫌が悪くなり、下人が「頼むから来てくれ」と長屋まで来たため仕方なく行く

秋の月見の宴を抜けて碁を始める2人

翌朝、番頭から宴の際の五十両のことを言われるが覚えていない柳田は「口は慎め」と怒る

番頭も五十両がないと言いに来たため、柳田は書状を書いて糸に頼むと
糸は「父と離縁したい」と言いだす

糸:
父は私がいない間に腹を切るつもりでしょうが
それはやめていただきたい

まずはお金を返すことが先
女は吉原に行くと金になると言う
どうぞ私を吉原とやらへお連れくださいませ

父はもちろんお金を取っておりません
お金が出てきた暁には、万兵衛、徳兵衛の首をはね
柳田の家名をお守り頂きいただきとう存じます

明け方、女衒と吉原に行き50両をもらう

番頭が五十両を柳田が届けてきたと主に告げると
よろずや:えらいことをしてくれた!

長屋に行くと、もう引っ越した後

よろずや:
金は大事だが、あの世に金を持っていけると思っているのか!?

私の歳を考えろ
これから先、ああいう友達ができると思うか?
早く柳田様を探すんだ!

師走 煤払い 機嫌の悪い主
貞吉が離れの掃除をしていたら、額の後ろから五十両が出てくる

よろずや:
思い出した! あの時、厠に行き、落としちゃいけないとそこに置いたんだ
みんなで柳田さんを探してくれ!

正月は雪 番頭は年始周り

立派な武家の乗る籠が来る
きつい坂になったら籠から降りて一緒に歩き、平らなところになったら乗り直す

立派な侍になった柳田が声をかけられ、事情を話す番頭
柳田:明日、首を洗って待っていろよ!

店をたたむことにしたよろずや
そこに柳田が来る

よろずや:どうか番頭の命は助けて欲しい

柳田:
娘を吉原に送ったが、収賄が発覚し、吉原に駆け込むと
幸い娘はまだ客を取っていなかったが
外出も一切せず食事もせず、日々やせ衰えていった

柳田が斬ったのはよろずやではなく碁盤

柳田:
そのほうを斬るわけにはいかない
これで白黒がついたのだ 達者で暮らせ さらばじゃ

落語というよりも人情話



一龍斎貞山 「竹の水仙」




名工とうたわれている左甚五郎は
現在の岐阜県、飛騨の高山でみっちりと修行をして
あちこちで修行をしたいと飛騨を出て伏見に住んだ

ここでふと竹で水仙をこしらえた
本当の水仙のようにパッと咲くというのが評判になったが
甚五郎は鼻を高くすることもなく酒を飲んでぼーっと過ごしていた

ある日、江戸・日本橋 呉服屋の番頭が訪れてくる
主の八郎右衛門から「甚五郎に会って刻んでも貰ってきてくれ」といいつかってきた

番頭:
手前どもに随分昔から運慶のこしらえた恵比寿様がある
この運慶という方は大黒様にかかる前に亡くなった

恵比寿・大黒は福の神
揃っていなければ面白くない

運慶に勝るとも劣らない名人に彫っていただきたいと常に考えていた
それを持ってきたのでこれと一対になるようお願いしたい

甚五郎:
さすがに運慶だけあって大したものだ
分かった私も大黒様を彫ってみよう

主が金持ちなら300両もらう
まず手付金の30両をもらう

番頭:いつまでに彫っていただけます?

甚五郎:
なるべく早くするつもりだが、仕事なんてものはあんまり急ぐとろくなことがない
だから日を決めることはできない

すぐに仕事にかからず酒を飲んでいるうちに元の木阿弥一文無し
甚五郎:江戸にでも行ってみようか

夏の初め 尾張国 宿屋の大松屋が宿の客引きをしている

甚五郎:
酒があるなら泊まってやる
持ち合わせがないから、主にニ分ほど貸してくれと言ってくれないか
一分はお前の茶代だ
もう一分は店の者への祝儀だ 持ってきな

酒を飲み明かして寝ては起きの日々が過ぎて、ちょうど6日目

おかみさんは勘定のことを心配し始め
主は仕方なく勘定をもらいに行く

甚五郎:
自慢じゃないが逆さに振っても一文もない
お前の家に竹やぶはあるか?

裏庭の竹やぶの中から竹を一本切り落とし
その日は酒を一滴も飲まず、コツコツと仕事を始め
出来上がったのは例の竹の水仙

甚五郎:
これを水に挿して「売り物」と札を付けて出しておけ
誰か必ず買うに違いないから


夕刻 熊本の45万石 細川の行列が通る 江戸に御参勤の途中
大松屋の店の前を通った時、殿様が店先にある竹の水仙を見て
殿様:あれを買い求め、本陣に持参いたせ

家来が買うと言い、驚く主
甚五郎に言うと「相手は細川様だから50両でいい」と言う

「高過ぎてお手打ちになってしまう!」と主は恐る恐る値段を言う

家来:あのようなものを50両とはけしからん
と怒って殿様に告げると

殿様:たかだか50両のものを買わないとは何事だ と怒り、竹の水仙は買われる

甚五郎:
買ってくれてよかった
俺は江戸に行くまでの金があればいいんだから、50両のうち3両だけあればいい
後はお前がとっておけ

おかみさん:
あのお客に1年ぐらい泊まってもらって、毎日竹の水仙を作ってもらったら儲かるね(w

甚五郎は江戸に着き、ようやく大黒様を彫りにかかる


大黒様を彫る話じゃないんだ
以前聞いた飛ぶ鳥を描いた画家の話に似ていた



コメント    この記事についてブログを書く
« 究極の水族館の歩き方 バッ... | トップ | 揺れる“超大国”アメリカはど... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。