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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1994 WIMBLEDON

2004-02-07 22:07:55 | テニス
さて、今年のウィンブルドンは6/13~始まって、
放送も1回戦からNHK夕方4時~2時間でコンパクトに観れる(最初、見逃したのもあるけど)。
日本人選手は、ここのところ特に女子が応援しがいがある。


まず、男子は、唯一のホープ、松岡修造が昨年負けた同じ相手ウッドフォードに対していい所もなく、また敗れたのは残念。

シード選手もエドベリ、シュティッヒと、グラスコートのベテランがシードダウンしている中で
ボリス、アガシ(!)、チャンらがまだ残っているらしい。

そして世界中を驚かせたのは、ディフェンディングチャンピオンのグラフが今年も最有力候補のはずが、
なんと1回戦で格下の黒人プレイヤーのサーヴ&ネットに敗れる史上初の番狂わせ
これで女子は他はほぼ同レベルだから、誰しもウィンブルドン優勝のチャンスが与えられたとちょっと湧いている。

サバティーニ、ノボトナは、いつもの顔だけど、日本女子がなんと3人も1、2回戦突破
男子よりは食い込みやすいとはいえ、今までじゃ考えられない。

宮城ナナ、伊達公子、遠藤愛、それぞれ頑張ったけど、3回戦はならず・・・
と、そこへ大勝利したのが沢松奈生子×メアリー・ジョー・フェルナンデス 6-0 7-5
フェルナンデス相手にこのスコア! 本当に1時間ちょっとのゲーム中、ずっとこんなに興奮して、
スカッと決まるゲームは今まで観たことない

スマッシュ、ボレー、ドロップショット、その切り返し、それからバックハンドのストレート
なにからなにまで、やることなすこと当たりっぱなし、信じられない奇跡の連発!

観客もメアリーも、解説の坂井さんも声が上ずっちゃって、
それに思い切り笑えたのが、フォルトっぽかったボールに対しての沢松の強気の抗議。
最初英語でカッコ良く「That was exactly fault!」と言った後、「どこ見てんの、おじさん!」

アナウンサーがすかさず「彼女は関西出身ですから、“どこ見てんの、おじさん”と聞こえました・・・」
これには爆笑
日本人選手が活躍すれば、こんな楽しい場面もオマケ付き。

そのゲーム後のインタビューも笑える。

「6-0、6-0になったらギネスに載るんじゃないかと思いましたけどね。
 でも4-0から4-4になった時は、メアリーならやりかねないと思ったけど、それで落としたのかも。
 自分のほうがシードは上なんだって思いこめて、キープでここまできたんだと思い込んで、取ることができました」
と頼もしいひと言。

自己最高成績ベスト16に再度来て、日本人ファンとしては十分誇りに思えて、
次負けても、もう十分満足した大会通じてのハイライトを楽しませてもらったけど、
まだ始まらなきゃ分からないし、リッキーコーチに変えて、今年は全然違うものね。

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女子決勝 マルチナ・ナブラチロワ×コンチータ・マルチネス

7/3、今年のウィンブルドンもシングルスファイナルを迎えた。
上で書いた沢松は、マルチネスに敗れ、マルチネスは、グラフを敗ったマックニールもなんなくクリアした。

マルチナは38歳、マルチネスは22歳と、年齢のことをとやかく言われるのも今年がラスト。
というのも、マルチナは、今年ラストにシングルスの引退をとうとう発表した。
だから、1994年のセンターコートが、彼女のプレーが観れるウィンブルドン最後と言える。

そしてその結果は、マルチネスの6-4、3-6、4-6
フレンチに続き、スペイン勢の活躍が目立つ中、13年ぶりナブラチロワとグラフ以外の新しい優勝者が誕生し、
二重の感動的シーン、テニスの歴史上でも大きなファイナルだった。


ナブラチロワのテクニックを究めたサーヴ&ボレーの闘い。
ショットを深く、スピードを落として、その時間を利用してネットをとる。
スタミナ、脚の速さ、ショットの威力の衰えを考えた、まさに頭を使ったプレイ。

アナウンサーはしきりに往年のパワーとスピードで誰も止められなかった頃と違うと言っていたけど、
私は今のスタイルの印象が強く、以前の彼女を知らないから、逆にパワフルなナブラチロワを一度見てみたい気がした。


セミファイナルのジジ・フェルナンデスとのゲームもファイナルと変わらない感動があった。

住む場所も近いことで普段から親友同士の2人。
なあなあだったワケじゃないけど、相手が転んだり、何かあるごとに笑いやジョーク、雰囲気がやわらぐシーンが多く、
今年がラストのナブラチロワとプレーするのは複雑な気持ちだというジジが負けても
なお、肩を並べてゲーム後の感想を語り合う姿は良かった。


ナブラチロワの記録、功績、なにをとっても、もう引退して長いエバートを越えるほどの素晴らしい存在。
今年もファイナルまで危なげなく上がってくる実力を持ちながら、
本当に二度と芝のコートから彼女が消えてしまうんだろうか、とても信じられない。

これまでしつこいほど「来年は戻ってくるか?」「この年齢でまだ続けるか」などと周りからプレッシャーを受け続け、
ここへきてとうとう自身も決意したその背景には、どんな物語りがあったのだろう。

引退をキッカケとして、きっと彼女に関するあらゆる記事、本なども出るだろうし、とても興味深い。
38歳でなお体をキープし、プレーの幅を広げ、世界のトップを走ってきている彼女の
想像を絶する努力、精神力のタフさ。

マルチナ・ナブラチロワは、テニスの歴史そのもの。
私たちの記憶の中にいつまでも残ることだろう。
コーチ、パートナーとして見守り続けたキング夫人のように、新たなホープを育てていくのか、
コメンテーター等で活躍し続けるのか、彼女の「これから」もとても楽しみでならない。


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男子決勝 ピート・サンプラス×ゴラン・イワニセビッチ

大方の予想通りの顔合わせ。7-6、7-6、6-0でピートが昨年に続いて連勝した。

2人とも超スピードのサーヴの持ち主
とくにゴランは、昨年の大会を通じて200本を超えるサーヴィスエースの新記録の持ち主で、
今年も1試合中20~30本のエース、最高速度200km/h超えたのはビックリ。

でもやっぱり世界NO.1、オールラウンドプレーで安定しているピートは、
今のところ誰にも崩せそうにないみたい。

第1セット、第2セットとも1ブレイクもなかっただけに両方のタイブレイクを落として、
ゴランはもうお手上げ状態。

2セットダウンでも全然堪えないチャンと違って、すっかりやる気が切れちゃった感じ。
ダブルフォルト、ボレーミス、ショットはフォルトの連続で崩れまくって、あっという間にピートが勝った。

ゲーム前のピートのコメントで「小さい頃からウィンブルドンのセンターコートは憧れだった」

一方、ピートにストレート負けしたチャンのコメントがまたイイ。
「ピートには料理以外はすべて負けてる」

一昨年に続いて2度、決勝で敗れたゴランは、かつてのアガシを思い出させるけど、
もう一度ぜひ優勝に向けてもう一歩前進してトライしてほしいな。