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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(2001.8~ part2)

2014-01-12 09:04:17 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『シックス・デイ』(2000)
監督:ロジャー・スポティスウッド 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ロバート・デュヴァル ほか
違う役者でやったらけっこー見応えあるSFになってただろーに。
シュワちゃんのお茶目な演技がすべて台無しになってチープな笑いにしてると思うのは私だけ?
途中途中に入るピロピロとしたフラッシュバックと近未来の目新しいCGぬきには見られない。
唯一、久々元気な姿を見せたデュヴァルだけがドラマを引き締めてる。

"I'll be back"ってまだやってんだもんな・・・自分との2ショットでジョークを言い合うシーンとか、
「自分が2人いれば、自分とヤレるからな」とかさ、セリフもチープ。
このネタ『X-FAILE』のほうに回せばもっとダークでおどろおどろしくなって、
人の命とアイデンティティの尊厳のドラマにまでもっていけただろうに。
最新ヘリはスゴイかも。もし今あの技術があればUFOと間違えられてる。


『クリムゾン・リバー』(2000)
監督:マチュー・カソヴィッツ 出演:ジャン・レノ ほか
残忍な殺人、奥深い山の小さな村、女の犯人、何年にも渡る恨み・憎しみ、
なんだか金田一耕助シリーズを観てるみたい。
犯人を走って追いつけない刑事のシーンは、たけしさんの映画にもあったな。
とにかく死体の再現が生々しくてリアルなのがポイント。
で、謎の仕組みがどーも分からずついてけないまま終わっちゃったカンジ・・・
2人の刑事の掛け合いはスピーディでイイ。太っちゃったジャン・レノも撮り方によってはまだまだイケてる


『グリーン・デスティニー』(2000)
監督:アン・リー 出演:チョウ・ユンファ、ミシェール・ヨー、チャン・ツィイー ほか
あの身のこなしならキリマンジャロもひとっ飛びで登れるな/爆
ちょこっとワイドでワイヤーが見えたのもご愛嬌。
結局、剣の道って腕を競って殺し殺され、復讐に次ぐ復讐で不毛なんじゃないか?
同じワイヤーものでも『マトリックス』とカンフーとだとこうも違った楽しみ方が出来るのは新鮮。
チョウ・ユンファも新地開拓だ。

あれだけの技を持ってたら世界平和に役立てりゃいーのに
亡き夫に貞節の誓いを立て、夫の親友だったリーと心を通わせながら手も握らなかった(あの歳まで!?)
2人の大人の愛?と、若く才能あふれるが故に暴走するSとRの若い愛の2つの物語のシンクロが見物。

透き通るような白い肌のお嬢さんが、ひとたび剣を持つとスーパーガールに変身して、
空を飛び、水上を走って戦うアクションがかっちょいい。
屋根から屋根へ飛び回るシーンなんか足が着いてなかったもんねw 気力で飛んでるのかな?
人もあんな風に飛べたらどんなにいいか。
解毒剤を取りに行くのも馬より空を駆けたほうが速かったんでないの?


『ことの終わり』(1999)

監督:ニール・ジョーダン 出演:レイフ・ファインズ、ジュリアン・ムーア、スティーヴン・レイ ほか
限りなくロマンティックで、キリスト教ならずとも信仰について深く関わった作品。
1人の魅力的な女性を愛して、夫と愛人が同居するフシギな世界。
同じタイトルのハリウッド映画のビデオがあったがリメイクか?

「会わなくても続く愛はある。見えなくても人々が神を信じるように」
「僕の愛は違う。感じてこそ愛だ」
「それは本当の愛じゃないってことよ」

「もうあなたの不在には疲れた」
「憎しみで始まったが憎むのも疲れた。今はただ、神よどうかわたしを永遠に忘れ去って下さい」

これはもしかして小説の映画化なのかも。見事なプロットとキャラクター設定。
妻を愛していながら一度も夫婦とならなかったHも不思議だ。

「Sの不倫は知っていたが、君だとは知らなかった。変だが安心したんだ」


『ハンニバル』(2000)
原作:トマス・ハリス 監督:リドリー・スコット 出演:アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア ほか
レクター博士の完結編? にしてはまだ続きそう。
これぞ当たり役だったホプキンスがまたホッケーマスクを着けたのに、なぜジョディは断ったのか?
今作も決して食前、食後には見たくない“食人”にこだわった1作。
クラリスと連続殺人鬼のフシギな関係、緊張感がおもしろい。
なぜここまでいちFBI捜査官の女にこだわるのか。

ハンドクリームの香りを鼻のきく香水嗅ぎ師?にかがせて地域を特定したり、
PCのアクセスから本人の自宅住所、ケータイ番号まで分かったり、
一体FBI情報網はどこまで調査可能なのか!?
一流VS一流同士の知的な闘いのおもしろみを伝えるには、原作者の知的さも問われる。
友だちが原作がおもしろかったって言ってたから映画にない深みが隠れてるんだろーな。


『キャスト・アウェイ』(2000)
監督:ロバート・ゼメキス 出演:トム・ハンクス、ヘレン・ハント 、クリストファー・ノース ほか
CAST AWAY=漂着する。

一番の見所は脂肪ブクブクだったトムの身体が、ラストにはスッキリダイエットされるまでかな
一体どうやってあすこまで体重を落とせたのか、そのほうが気になる・・・

現代のロビンソー・クルーソーは前の生活に戻って何を学んだか?
やっぱりコーラと肉食、車と電気のある生活からは抜け出せまい。
案外あっさりと前世を忘れて、カワイイ娘ともう一度青春も悪くない、みたいなラスト。
機内ではおススメできない作品のひとつ

「この荷が私を支えました、ありがとう」
男の仕事に対する使命感、てか女に対する執着心はすごいパワーをも生み出す!
新たな人生に向けての晴れた顔でラスト。

荷のスケート靴をナイフにしてココナツを切ったり、それをポットにして雨水をためたり、
火をおこして魚やカニを食べたり、嵐の時は洞窟へ、となかなかこの男はやるもんだ。
人の本当の敵は、厳しい自然より孤独感なのかも。

「島にいる時、妻はいつもずっと側にいてくれた」


『アンナと王様』(1999)
監督:アンディ・テナント 出演:ジョディ・フォスター、チョウ・ユンファ ほか
ミュージカル全盛の頃の初作は男っぽいユル・ブリナーと女優のエキゾチックな
アジアン風ラブストーリー仕立てだったけど、今回のリメイクはマレーシア?の島1コ
借り切ってセットを立て、歴史的ドラマにしたのがおもしろい。

ユンファ演じる王がとことん善人キャラになってて実話っぽいが、実際どうかは別として
英国の権力と、内外の紛争で微妙な立場に翻弄されるアジアのお国事情にも注目。

シャム?が今のタイ、バンコクなのが驚き。素晴らしい仏教美術と建物、自然が見事によみがえり、
当時の衣装、王宮内での生活の豪華さがうかがえる。ジョディの新作も待ち遠しい。


『X-MEN』(2000)
監督:ブライアン・シンガー 出演:パトリック・スチュワート、ヒュー・ジャックマン ほか
ひと昔前の「Aチーム」が超人類集団となって、あらゆるイマジネーションをふくらませて
誕生したキャラがそのまま映像化できるのがスゴイ。
なんともハンパな終わり方。シリーズ化してTV放送で毎週見たいかも。
でも金と時間かかってムリだろーね

それぞれの特殊メイクが個性的。ウロコ女のメイクは毎回6~7時間かかったとか。
スピーディに駆け回り、動き回るミュータント映像は、演技力よりCGチームの苦労がうかがえる
とくに天井まで走り回っちゃうトカゲ男とかキョーレツ


『tamio okuda TOUR "29-30"』(1995)

♪セトリ:
人間2、ルート2、愛する人よ、403、ハニー、人間、眠りの海のダイバー wake me up、これは歌だ、
たばこのみ、674、月ひとしずく、女になりたい、コーヒー、息子、ハネムーン、愛のために、人の息子、
奥田民生 愛のテーマ、つくば山、BEEF

なぜか最近気になるこの人。「HEY! HEY! HEY!」で聴いたスローナンバーが心に染みてからか。
スカしたコミックソングを聴いてからか? バンドメンバが仲良さげなカンジが出てる。
意外にイイ声。妙にサラサラなマッシュルームカットはどーかw

あらゆるリズム、ジャンル、メロディが豊富で飽きないし、なんといっても簡潔でお気楽な中に
しみじみ感動できる詩の世界と言い回しが独特で魅きつけられる。
思わず聴き入ってしまう言葉の力がある。
感覚的にどんどこ歌を書いていってるようで、実はいろんな味わいが深い―――気がする。

ビジュアル的には薄いw
桑田みたく暴れたり、客にアピールしないし、ダラっとした気楽さが合ってるんだろーな。
座り込んで木魚やら、小学校の運動会でしか見ない鉄琴のデカイやつ(重いんだよね、コレ)まで持ち出してる。
渋谷公会堂かな。29-30は30歳になったって記念? なら今は36歳か。
ますます詩にも渋みってゆーか奥行きが出たかんじ。

シングルもじっくり聴いてみたい。アルバムも面白いだろーけど、
友だちがずっと前カラオケで歌ってくれた歌はヒット曲なんだろーか?
あの頃から好きだって言ってたから、やっぱ目のつけどころが違うよな。
“身近な兄ちゃん”ぽさがイイのかも。PUFFYにもそのダルさは受け継がれてるし。

(自分で思ってたよりもっと後に知ったんだな。最初の印象って面白いw
 ユニコーン時代は知らないし、多分、スカパラと一緒に出た時に意識したかんじ。


『17歳のカルテ』(1999)
監督:ジェームズ・マンゴールド 出演:ウィノナ・ライダー、アンジョリーナ・ジョリー、ウーピー・ゴールドバーグ ほか
女の子版『カッコーの巣の上で』ってとこか。
ウィノナも、今が旬のジョリーも(作品によって随分と印象が違うね)
10代を地でいけちゃうのがうらやましい。何気に豪華キャストの今作。

正気か狂気かなんて区別は難しい。とくに'60年代なんて時代にはw
社会に順応していけるのが正気なら、おかしな社会の中で個性は保ったまま付き合っていけるかどうかってことか?

「みんな背中を押されたがっている。なぜ私の背中は押してくれないのか?」
「あなたはすでに死んでいる。ここでしか生きられないのよ」

精神病院でもこんなところは5つ星らしい。今でもキチガイ扱いの粗悪なところもあるのだろうか?
10代後半はそれでなくても微妙にして劇的な歳。
なんにも周りが見えていないのに、見えてる気で、何でもできそうと思ってて、
実際の自分も分からないけど、大人になって何が変わっただろうか??
少しは周りと自分になれてきて、付き合うことができるだけで、
大事な部分に目を閉ざしている事実は変わらないのかもしれない。


notes and movies(2001.8~ part3)

2014-01-12 09:04:16 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『THE X-FILES SEASON 6』

監督:クリス・カーターほか 出演:デイヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソン ほか

【FILE No.601 THE BEGINNING】
もうどこまで観たかも思い出せない今シリーズ
新作は第8シーズンのビデオが出てたから、すごい長寿番組だ。
多分5のどれかをすっ飛ばしてる気がするが、とにかく仕切り直し?
なぜか諮問会議にかけられてるモルダーたち。そこに起こった体ゼリー状事件。
読心術少年が絡んで、THE X-FILES創始者というダイアナさんまで登場。昔はモルダーとイイ仲だった?
スモーキングマンの息子までからんでた。なにがなんだか分からんが趣向は変わってないみたいw


【FILE No.602 Drive】
逃走犯をヘリで追うTVクルー。これはアメリカではおなじみの実況中継らしい。


【FILE No.603 Triangle】
ここでもなぜか正義の勇者のスカリーと再会、現在のスカリーとクロスするシーンもあり、
未来に戻るため「これが最後かも」と長ーーーいキスシーンがある
無事戻れてスカリーと再会。「I love you」「かんべんしてよ」w
今作はサービスたっぷりでロングショットの連続。
かなりお遊びムードで息抜きといったところか。


【FILE No.604 How the Ghosts stole Christmas】
放映時期がxmasに合わせてなのか前回と合わせてサービス満点。
イヴなのに幽霊屋敷にスカリーを呼び出すモルダー。
モルダーは孤独からくる妄想狂の診断を下され「エイリアンを見たとか言うだろ?」w
ほんのちょっとしたイタズラだった。で、互いにプレゼント交換してxmasの夜を過ごす。兄妹みたいだな。
幽霊があまりにお茶目すぎて怖くない。百戦錬磨の2人、とくに怪しげなものを信じないスカリーが
幽霊を観て「キャー!」と叫ぶのはどうかな?


【FILE No.605 Two Fathers】
なんだか知らない間にどんどん話が進んでるなあ・・・


【FILE No.606 One Son】
よー分からんうちに重大発表があって、とりあえずは秘密の真実も暴かれて
また振り出しに戻ったらしい・・・とり残されてしまった
妹はやっぱ生きてるのか? エイリアンにみんな日干しにされた後、
あれま、みんなシリーズから降ろされちゃったわけね

「お前にもビル・モルダーの息子のように父を誇りに思ってほしかった」

ほんと血も涙も人情もない奴。 蜂による伝染病で人類滅亡は免れたの??
目も口もつぶれたエイリアンらは新タイプねv


【FILE No.607 Dreamland part1】
またまた茶目っ気ありのサービスバージョン。本人と視聴者にはそのままの姿で
周囲が気づかない“すり替わり”のギャグ定番+マルクスbros以来の
鏡の前でのパフォーマンス芸まで披露w



「まともな生活に戻りたいとは思わない?」「これがまともサ」


【FILE No.608 Dreamland part2】
「フセインは俳優でスカウトしたんだよ」とかの曝露話も笑える。が、このままじゃシリーズが続かない!
関係者の記憶が消えないのはおかしーぞ。
TVのエロ番組、エロ本が出てきて、ベッドルームがゴミ溜めで、
思わずモルダーの言う「こいつ10年も女と寝てないゾ」は本当か?
モルダーの鏡の前でのダンスはなかなかw


『THE X-FILES SEASON 5』


【FILE No.513 Patient X】
シリーズ5の残りがこちら。これでやっと話がつながってきた。
「カサンドラを見て、自分がどれだけ変人だったか分かったよ。意見をかえてもいまだに変人扱いだけど」
ってゆうモルダーの自嘲ギャグは笑えるかも。その後が気になる。


【FILE No.514 The Red and the Black】
珍しく催眠状態で1人乱れるスカリーが見物かもw
私も受けてみたいな催眠療法。
あんなにカンタンにかかるなら、自分の知らない記憶が眠ってるかも??



notes and movies(2001.8~ part4)

2014-01-12 09:04:15 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『THE X-FILES SEASON 5』

【FILE No.515 Travelers】
らしさが戻って嬉しい半面『エイリアン』系グロさが残る
スカリーが一度も出てこないのはなぜ!? 「THE X-FILES」の起源もちょっとのぞく。
'50代のFBIには今ほどプロファイラー、検死技術もないかわり、まだまだ人情が通っていたのも。
独身のはずのモルダーの薬指に指輪! ドゥカブニー結婚後の撮影にしても撮影中は取るべきじゃないの??


【FILE No.516 Mind's Eyes】
今作の盲目の女性キャラはイケてる。彼女が自由となった表情がイイ。
自由かどうかは環境じゃなく、心の問題ってワケ。


【FILE No.517 All Souls】
スカリーもどんどんと超自然現象に巻き込まれてゆくシーズン5。
次第に科学実証一辺倒だった頭もほぐれてきたか?
スカリーに娘がいるっていつの話だっけ??
信仰にも無関心だったのが、この頃は教会にも通うようになったらしい。かなり宗教的なエピソード。
スカリーの珍しいエモーショナルな一面が見れる。悪魔の福祉士も怖いし


【FILE No.518 The Pine Bluff Variant】
今度はガラリと変わってテロ防止のFBI通常業務に参加してるモルダーたち。
たまにはこんなこともするのねw

昔から今もわたしたちの知らないところで日々作られる化学兵器、生物兵器etc...
自分らが作ったものに、結局自分らが恐怖におびえる結果になるバカな話。
モルダーらは人々の暗黙の不安を叫び、問い質すアンチヒーローなところに人気のヒミツがあるのかも。

アメリカ、アメリカ、愛国心をうたっているのにフシギな国。
「裁判してどーなる!? 知らなくていい真実もあるんだ」
と逆ギレて言い切る男もまた誰かの駒でしかない。本当に牛耳ってるのは誰か?


【FILE No.519 Folie A Deux】
今度は正式に?スキャナーから依頼されて捜査。

「50億人の中で信じられる、頼れる人はスカリー、君だけだ」

カマキリが別の虫を襲う時、相手に幻覚を起こさせるらしい?ってことからヒントを得たみたい。
昆虫チックな悪魔の影が壁や天井をカサコソ這ってく姿はなかなかブキミ。


【FILE No.520 The End】
今作がシーズン5のラスト。すぐ6が始まるって分かっているせいか、あっけない&次への伏線になってる。
モルダーの昔の彼女ダイアナ登場。前にもそんなのがいたな。
けっこう青春は楽しんでいたんじゃん、5年前スカリーに会うまでは?

Xファイルは再び閉鎖―――どころか焼かれてしまう。
いまどき全部紙でしか保存していないのもどーかと思うけど。
2人はこうして異動させられたのか。やっとシーズン6に突入だ!


『UTADA HIKARU BOHEMIAN SUMMER 2000』(2000)

宇多田ひかるってこーゆーキャラなんだ
黒のセクシー系で現れた時はおお!って思ったけど、喋ると近所の女子高生みたいw
ブラウン管を飛び出して、ファンに直接会えたのが嬉しい初々しいLIVE感満載。

千葉マリンスタジアム?はちょっと見、NYのヤンキースタジアムって感じで、
潮風吹く夜、大勢集まってかなり盛り上がった緊張感が伝わってくる。

宇多田の言う通り、追加公演3日目、最終日フィナーレだけあって
持ち歌全部+山口百恵、尾崎豊!(間違えて、やり直してる)、
'80ロック(クイーンの♪Live in on my own の選曲も意外)、♪Fly me to the moon なんて
スタンダードもカッコよくアレンジ、リンゴのモノマネまであり(似てる!
メンバー紹介はなぜかコスプレ、M.ジャクソン、プリンスらをプロデュースしたらしいブルース・ブラザース風の黒人2人も参加。

アンコールもたっぷり時間とって、一体何時間やってたの?ってくらいサービス満点ステージ。
その後もヴィデオ用に裏話の雑談まで入ってる、途中3~5分間でプレハブ?みたいなところで
早着替え初体験の笑い話付き。2回目のチェックの衣装も可愛かった。

思うに彼女はもっと小さめの会場で歌ったほうが合うと思うんだけどな。
最近ドームでなんでもかんでもデカきゃいいってコンサートはなくなってるし、声量や声質もドームにはキツそう。
最初のはじまりはホームページもってコミュニケートしてる彼女らしくメール風で
“体脂肪燃やしてこーゼ!”ってメールを送信されるところがおもしろくて、あー21世紀だなって思ってしまうw
まだ10代だっけ? 今、大学生か、これからどんどん変わってゆく様子も見ていきたい。


『尾崎豊 愛と自由の世界』
なんだか最初からハードコアな部分から入っちゃったみたい
宇多田が尾崎の歌を歌ったからってワケじゃなく、たくさんの人に支持されて、
今でもまだその火は燃え続けてる濃い世界が全然理解できなかったから、
ちょっとだけ見てみようかと思った1本。近所のレンタル屋には他にも2、3本あった気がする。

この高い熱いテンションで120分やられた日にゃちょっとキツそう。
今作はホームビデオ風。ま、元がホームビデオだからってこともあるけどBGMにしろ、
ヤフーのフリマに使うようなデジカメ写真かいってゆう“思い出の品”コーナーも、
「知ってるつもり」系の紹介にしろ、もちょっとどうにかなりそうな40分間・・・
でも、これが尾崎の世界なのか?

学生時代はもろヤンキー、親友もヤンキー その親友の結婚式に多忙な中、九州まで駆けつけ、
つたないピアノの弾き語りでヒットナンバーを熱唱。有名な歌手でなかったら「どーしたの、このお兄さん」て感じ
あんまし書いてると熱いファンに怒られるか? 別に悪く言うつもりはないんだが。

詩がイイのかもね。アウトローな、今でいうなら登校拒否や、ひきこもり、モラトリアムで、中途半端で、
世の中のメジャーについてゆけずにくすぶってる層の心を見事に表現、体現したのが彼なのかも。
もしかしたらその子どもの心から抜け出せないまま亡くなったのか? 30代だったっけ?
このヴィデオだと、ちょっと中年太りしかけて丸みを帯びた穏やかな表情は落ち着いた印象を受けるけど、
謎の死だったんだっけ? まだ知らなさ過ぎる。もう1本見るかどうか微妙だけど、
なつかしのあの歌コーナーのサビだけじゃなく、いつかキチンと聴いてみたくはある。

朝霞の学校に通って練馬育ち。護国寺でたしか葬儀したんだよね。もう随分前な気がする。
同時代をともに生きたファンにとっては、この1本てかなり貴重なレアもので、
自分の青春がよみがえっちゃう涙ものなんだろうな・・・
奥さんの自伝みたいのも出てたっけ? あれは松田優作か?
とにかく人生そのものにドラマがありそうな人だ。


『ヒマラヤ杉に降る雪』(1999)
監督:スコット・ヒックス 出演:イーサン・ホーク、工藤夕貴 ほか
なんとなく予想はついたけど――――アメリカ映画の日本人って中国系になっちゃうか、
日本映画のようにつまらなくなっちゃうかのどっちか。これを観てアメリカ人は感動したろうか?
映像とフラッシュバック、静かに流れてゆく展開、ハリウッドの分かりやすいドンとくる感動がすべてじゃないけど、
美しい情景のほかにもなにか物足りなさが残る。

「愛してた。同時に愛してはいなかった。結ばれるべきでなかった。もう2度と会いません」

戦場で腕を失い、厳しくも偏見のなかった亡き父(サム・シェパード! この父子の顔合わせはピッタシ)
を継いだが偉大な父にコンプレックスをもっている。老人の弁護士もイイ。
検事も証人も、たぶん陪審員の中にも偏見をもつ人はいただろう。唯一、裁判官が公正だったのは奇跡。

この映画を盛り上げるのはイーサン・ホークだ。前作でも耐え忍ぶ愛を演じさせたらほんとハマってた。
ひと頃のアイドル感がすっかり抜け、大人の男の中にも複雑な若いパワーと繊細さが同居している
彼のキャリアに今後も期待大。


『YUMI MATSUTOYA INTO THE DANCING SUN』(1995)

マジシャン風キラキラタキシード&トップハットで中央から光とともに登場。
シタール! 王冠をかぶせて踊る演劇風、マハラジャ風ダンスがロボット的
蛍光色の女猫とムチをもつSM風。巨大スクリーンと一体化する技は前もあったな。
ムチの音ってあんなにイイ音?、ウエスタンン。ビートの効いた曲。ハンディカムで撮りながら、
♪You're so far away~(キャロル・キング)、卒業生ルック。ちょっと年齢層高めのスクールメイツ?!

しっかり練り上げられたショウ。お金かかってる! 一体何回衣装替えがあるのか。
ツアー自体は半年、準備・リハは1年前からだったらしい。
ユーミンって40代? どこにこんな勢力的パワーがあるのか、ビックリ!
円形ステージで後姿も見れ、逃げ場がないというのがすごく不安だったらしい。
ずーーっと円卓テーブルの上じゃ目も回るよねw

最近改めてユーミンのテープを聴き直して、中学、高校時代、20代には分からなかった
詩の1行1行が心に染みる。恋愛の思うままにならないところ、別れた恋人を想う切なさなんか
実感して初めて分かる世界だったんだ、ユーミンの詩の世界って。

ミラーボールに乗っかってる! 天使はワイアで空を飛ぶしサルティンバンコ状態、この曲懐かしいな。
出ました、自慢の美脚、ミニスカとヘソ出し! これまたド派手な帽子のカーニバル風、
でもこーゆーほうが似合ってる。♪真夏の夜の夢 マンダラのごとく万華鏡になるのが圧巻!
黒レザーでキメたマドンナバックダンサーばり、♪春よこい 中国の姫みたいな淡くやわらかなドレス、桜吹雪、
祭りに使うような竜が舞う。童謡の「春よこい」が流れる中、あれ?いつのまにかいない。竜と一緒に退場したのか?

1時間ちょっとの中にこれだけみっちり詰まった、まさにエンタテイメントショウ。
歌だけじゃないユーミンの豊かなイマジネーションの世界に迷いこめるリッチなひととき。
アドリブは一切なし? MCもなかったのかな? ライヴはもちろん、MVとしても完成度120%、さっすが。



notes and movies(2001.8~ part5)

2014-01-12 09:04:14 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづきで、このノートのラスト。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ロスト・ソウルズ』(2000)
監督:ヤヌス・カミンスキー 出演:ウィノナ・ライダー、ジョン・ハート ほか
こういう淡々とした小説みたいな悪魔祓い系オカルト映画ってなんで定期的に作られるのかな?
同じルールで大した盛り上がりもなく、登場人物らがただ真剣に恐怖を熱演する。
日本で量産されるホラーと一緒で欧米人の好きなジャンルの1つってゆーだけのことか?

ウィノナはどうして今作に出たのか?「ジョンと共演できるから」って理由なら納得
もういくつになるのかわかんないのに全然変わらずセクシーでいられるジョンを観れるだけで今作は一見の価値あり
どうしてこんなに胸トキめくのか!?

時計が666になるって、『オーメン』を思い出すねえ!
悪魔は永遠に消え去ったのか。いや、絶対の愛と優しさの裏にも、人々の心の裏にも悪がはびこる理由はいくつもある。


『インヴィジブル』(2000)
監督:ポール・バーホーベン 出演:ケビン・ベーコン、エリザベス・シュー ほか
分かってたけど、やっぱハリウッド映画だよな・・・
まあ、SFにリアルさを求めるのが間違ってるのかも知れないけど、
なんかパターンから抜けられないものか。久々ケビン主役なのは嬉しい。
シューみたいなかわいい研究員がそろったラボは珍しいと思うけど。

結局どんな天才でも、男の脳が考え出す天国は知れてる
サーモで動きを見るのは『エイリアン』風。殺しても殺しても復活するのは『ターミネーター』風。
燃やそうが焼こうが叩こうがめげない彼は透明にならなくても不死身のスーパーマンだが、
腹をえぐられても恋人を助け、逃げる時もハシゴをスイスイ登っちゃう男もどーかと思うんだな。
ニトロで全部吹き飛ばして、ラブラブの2人だけ助かる。

なんといってもマッドドクターが消えた時点で、どーしてみんなサーモのメガネを始終もち歩くか
着けるかして、備えないのかがフシギ。
いろいろ言いたいけど、CGの素晴らしさは認めよう。今までの透明人間ものでもっとも自然?
目に穴があいた覆面のまま動いたり、物がそれなりに動いたり、水や煙をかぶった時のシーン、
消えたり、浮き出たりする人体の様子は芸術もの。
せっかくのベーコンの顔が前半しか見れないのは本人同様さみしい。撮影は本人か? きっとハードだったろう。


『Love Like POP aiko』(2000)

インディーズ、ストリートからファンを増やしてヒットを飛ばすバンド、シンガーソングライターたち。
ギャルバンドも増えて、事務所が組んだユニットにはない生の歌のよさを体感できる。
aikoのライヴを通して聴くと、意外とジャズっぽいスキャット、変則的なリズムなのに驚いた。
ボーカル力もドリカム歌ってもイケるくらい上がったり下がったり、裏声がキレイ。
でもそこは多種多様の個性ひしめく世界。ドリカムのメロディアスさはドレスで聴いても、
aikoの場合はTシャツに短パン+スニーカーのラフなノリ。大阪パワーってのも大きなキーワード。
“Thank You!”の代わりに“おーきにい!”てのがイイ
客のノリは、ドーム級とはいえないにしても、野太い男性の掛け声もあり、人気がある。


『君の名は』(1953)

監督:大庭秀雄 出演:岸惠子、佐田啓二、淡島千景、月丘夢路、笠智衆 ほか
これが有名な作品か。“まちこ巻き”が流行ったってゆう。ロードムーヴィの先駆けか?w
東京→佐渡→新潟→北海道→九州、当時、新婚旅行が熱海ってくらいだから、
国内旅行の気分も味わえてよかったんだろーな。

TVシリーズの映画化とか。言われてみればメロドラマにぴったし。
女性ファンはこの2人の成り行きにTVにかじりついて見てたんだろう。
それにしても岸惠子さんは185min中180minは泣いてた
佐田さんは憎いくらいイイ男で、2人の真面目さがちょっとイライラするくらい。
淡島さんがいつもの艶っぽさでドラマを丸くしている感じ。

絶対ラストはマチコが心労で結核に罹って亡くなると思ったんだけど、
それじゃファンから怒鳴られるからハッピーエンドにしたのか?
ちょっと豪華に一足速い年末年始気分を味わえる長編を観たカンジ。

摩周湖なのに、この南の島みたいな設定はどーしたことだ!?
マチコは新たな自由を勝ち取ったしたたかな現代女性なのかも、実は。核家族の発端も垣間見れる。


『黒蜥蜴』(1968)

原作:江戸川乱歩 監督:深作欣二
出演:丸山明宏、木村功、川津祐介、松岡きっこ、西村晃、丹波哲郎、三島由紀夫 ほか
新宿TSUTAYAで気になってたけど、近所にもあるとは! 美輪になる前は丸山なのね。
三島と共演、しかもキスシーンまであるなんて衝撃的。そしてかなりアングラ。
美輪さんの妖しいブッ飛んだ芝居が堪能できる。一人芝居でもイケそうな勢い
シャンソンから始まって、この作品の妖しさはこの人にしか演じられないかも。
対する明智のキャラは平凡すぎない?

松岡きっこさんてこんなセクシーギャルキャラだったんだ
川津さんと結ばれ、キャッキャッとどっかへ行っちゃったw
美輪さんが男装して逃げるシーンを見ると、やっぱ男装だし、
女性を演じてる時はやっぱ女装に見えるし、なんともフシギな世界。中性ってゆうのが一番ピッタリ。


『美わしき歳月』(1955)

監督:小林正樹 出演:久我美子、木村功、佐田啓二 ほか
xmasに映画三昧計画第1弾。久々、新宿TSUTAYAに行ったら大収穫! 久我さんの作品が4本も見つかった
久我さんはいつもの勝気で、どこか屈折した影などない素直な娘役。
それにしても秋田って昔は海外のように遠い異国扱いだったんだ/驚 「生水を飲まないようにね」て/爆

それにたった2000円の借金で自殺者がいたとは、とんでもないデフレ
「大学は出たけれど・・・」の世界だったんだね。
xmasの夜にはアメリカ兵がキャバレーで踊って、中にはとんでもなくプロ級のドラマーまでいるしw
まだまだ戦争の爪跡が生々しく残っていた頃。


『噂の女』(1954)
 
監督:溝口健二 出演:田中絹代、七代目大谷友右衛門、久我美子、進藤英太郎、浪花千栄子 ほか
何が“噂の女”なのかイマイチ分からなかったけど、なんてったって大御所の田中の年増の愛憎と
久我との母子の愛憎がっぷり四つの遊郭の話だからね~かなり重めなテーマではある。
今作の久我さんはまさにオードリーを意識して、くるくる巻き毛の前髪&ベリーショートがモダンな感じで似合ってる
気の強い、いい家のお嬢さん役もぴったし。

苦しい時代、娘さんたちは一家を支えるために田舎から出てきて太夫になり、
芸やお酌のほかに身売りまでして送金してたんだ
そこまでさせても客が入るって、さすが世界で最初の職業といわれる売春。
どんなに不況だろーが、戦時中だろーが、男の性欲は限りない。
こーゆーバカさ加減を見てると、ほんと気持ちが腐るけど、これも現実なんだな・・・涙

京言葉でチャキチャキ動く女将になりきった田中の演技は絶賛もの!ホレボレする。
能、狂言で老いらくの恋を見て笑う娘と医師に嫉妬とショックを隠しきれないシーンとか、
押したり引いたりで青年をなんとか繋ぎとめようとする女将が、実は親の見合いで嫁いできた女性で
「恋はこれが初めてなんや、笑いたかったら笑ってええ」と恥も顧みずすがってしまう女心が悲しい。


『背徳のメス』(1961)

監督:野村芳太郎 出演:田村高廣、久我美子、高千穂ひづる、山村聡 ほか
今作での久我さんはとことんサエない行き遅れの女役。“オバサン”なんだけど、歳は33!
うーん昔はもう終わってる年齢だったのね

女たらしの青年医師と学識も腕もあるベテラン病院長、一見善悪カンタンだと思っても
単純に白黒つけられないのが人間と道徳。

長い手術シーンがリアルで緊迫感ある。次第に医療も進んで医療ミス問題も増えてきた頃か?
今も切ったり貼ったり野蛮なのに、昔、メスなんか持ち出して体切って治してたかと思うとゾッとする


『正義派』(1957)

原作:志賀直哉 監督:渋谷実 出演:佐田啓二、田浦正巳、久我美子、野添ひとみ ほか
前作と同じ「正義」を描いても、こちらはヒューマンタッチでハッピーエンド。
なんといっても威勢のいいおせっかい婆さんがイイ味出してる。こーゆーオバチャン近所に1人はいるw
うるいさいのが玉に瑕なんだけど、世話好きで、物不足だった当時、どこから仕入れるのか、たくましく生きてたんだ。

この当時から電気カミソリがあるんだから驚き! まだコード付きだけど。
久我さんは病気がちな控えめ女性。でも恋愛の末の駆け落ちだから勇気ある。
佐田との共演も結構あるんだ。若いのにお風呂も入れず「垢がいっぱい出ちゃった」とは!
ここに出てくるどの犯罪も悪意から出たものではない。戦後の苦境が原因で正義=良心だ。
東京下町の人情、互いに支え合いながらなんとか生きてる姿がある。


『1982 Yuming Visual Volume2』

♪カンナ8号線:コワイ!鬼の形相でシャウト!
♪14番目の月:こりゃまた早変わりでボルグ風パンチラあり、バックボーカルも燃えてる!
♪恋人がサンタクロース:舞台挨拶も初々しい!「東京公演初めてで緊張してる」!?
♪よそゆき顔で:おー!キーボード弾き語り。あがり症なんだ、初めて知った。
♪ひこうき雲:荒井由美時代のデビュー曲を神妙に歌う。ほんとにキーの高いこと。
♪真珠のピアス:いい曲。ちょっと声量落ちてる。
♪街角のペシミスト:ナイトクラブ風にセットチェンジ。ぎこちないダンス。よく見たら10cmピンヒール
声が裏返った。おっとリズム間違えたか?w

♪メドレー
中央フリーウェイ、海を見ていた午後、GOOD LUCK & GOOD BYE、たぶんあなたはむかえにこない、
あの日に帰りたい、ベルベットイースター、12月の雨、きっと言える、恋のスーパーパラシューター、ESPER

おいおい黒のランジェリーで踊って、どまん中でドレスにお着替え! チューブライトが自動車運転席。
あみんステップ。揺れながら舞台そでへ消える。うわーモロ'80デザインのスーツ。
なんか無理矢理つなげてるぞ、このメドレー。大股開きジャンプ! 髪を振り乱し、息も荒い。
足元に落ちてたのはカラーテープだっ! そしてムーンウォーク? スローモーションの後は・・・
バックスクリーンが宇宙でスゴイ。でも目の吊り上がったユーミンの顔のほうがより強烈!
パワー炸裂! 手を振り振り退場、そして幕が下りた。

メンバー紹介「東京大好き!」で踊る/爆
♪DESTINY:白いパンツに紺ジャケット。

・・・スゴイなあ~。'80のパワーか。ユーミンにも、こんなハジケまくりな時代があったのね。
コードマイクだし、どっかの公会堂みたいだし、多分、当時27歳くらいだから、
TVも出ずに知名度も今ほどじゃないのか、拍手もイマイチ

しかし美脚は見せる! とことん出すもの出して、相変わらずソバージュは今も変えないんだね。
次々歌う名曲の数々。緊張を誤魔化すためにいつも派手にしているのか? いやースリル満点な1本。

(なんかすごい罵倒しているように聴こえるけれども、最大の賛辞のつもりかと。それだけインパクト大だったんだと思われ/謝×∞




【読書感想メモ】
「ペンギンの音楽会」エルケ・ハイデンライヒ著 クヴィント・ブーフホルツ絵
「黄金豹」江戸川乱歩/著 カバー挿絵/柳瀬茂
「ムーミン谷への旅 トーベ・ヤンソンとムーミンの世界」講談社
「黒猫ネロの帰郷」エルケ・ハイデンライヒ著

「世界の子どもたち10 ネパール モヒタの夢の旅」偕成者
「カトマンズ百景」内田良平著
「ショトル・ミュージアム チベット―マンダラの国」奥山直司著
「山渓フォト・ライブラリー 聖なるカトマンズ ネパール」大村次郷著
「ふくろうの本 図説 チベット歴史紀行」石濱裕美子著
「アジア楽園マニュアル 好きになっちゃったカトマンズ」下川裕治著・編
「インド」少年写真新聞社
「危機に立つアンコール遺跡」朝日新聞社
「面白いほどよくわかる 仏教のすべて」日本文芸社

「世界の子どもたち 14 ギリシア 風の島のカテリーナ」広河隆一/写真・文
「世界の子どもたち 24 タイ マナと緑の大地」折原恵/写真・文
「JTBの旅ノート 7 東京」
「JTBの旅ノート 8 横浜」

「マンガ世界の文学1 赤と黒」原作/スタンダール 里中満智子/著
「マンガ世界の文学5 カルメン」原作/メリメ 伊万里すみ子/著

「国際理解に役立つ よくわかる世界の宗教4 ヒンズー教」アニタ・ガネリー著
「国際理解に役立つ よくわかる世界の宗教1 イスラム教」
「国際理解に役立つ よくわかる世界の宗教6 仏教」
「国際理解に役立つ よくわかる世界の宗教3 ユダヤ教」モニカ・ストップルマン著

「火の鳥 1 黎明編」手塚治虫著
「火の鳥 4 鳳凰編」
「火の鳥 9 宇宙・生命編」
「火の鳥 10 太陽編 上中下」
「火の鳥 12 ギリシャ・ローマ編」

「ブッダ 1 カピラヴァストウ」手塚治虫著
「ブッダ 2 四門出遊」
「ブッダ 3 ダイバダッタ」
「ブッダ 4 ウルベーラの森」
「ブッダ 5 鹿野苑」
「ブッダ 6 アナンダ」
「ブッダ 7 アジャセ」
「ブッダ 8 祇園精舎」

「手塚治虫傑作選集19 人間昆虫記」手塚治虫著

「恐怖 2」楳図かずお著

「スヌーピーの初恋物語 1」チャールズ・M・シュルツ著 谷川俊太郎訳
「スヌーピーの初恋物語 3 バレンタインだよスヌーピー」
「Peanuts Essence 2 どうなってるの?」
「Peanuts Essence 10 何かあったら」

「新竹取物語 1000年女王」松本零士著
「日出処の天子 1~8 山岸凉子全集」山岸凉子著
「まんがで覚える英会話きまり文句」新星出版社
「英語で言うとこうなります!」竹書房
「短いフレーズで超かんたん英会話」
「Shotor Library 続々々・映画の昭和雑貨店」川本三郎著
「二十世紀ノスタルジア キネマの美女」文藝春秋


【イベントメモ】
2001.8.20 引越し
「ギャラリーTOM」@渋谷
ネパール 2001.9.29-10.7
横浜トリエンナーレ@パシフィコ横浜展示ホール、赤レンガ1号倉庫
江戸東京たてもの園@東小金井

ジョージ・ハリソン 死去 11.29


notes and movies(2001.5~ part1)

2014-01-08 09:39:47 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は「男と女」の歌詞のメモが見える透明なルーズリーフからご紹介。
まだまだ昭和の邦画にハマっていたらしい。
それからプライベートにもいろいろあって、自己啓発本をやたら読んでた時期でもあった

  

photo1:スヌーピーのイラストがそこかしこ。
photo2:オーラソーマに出会ったのもこの時期か。
photo3:ビュフェ展はまた観たいなあ!

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『善魔』(1951)

監督: 木下惠介 出演:森雅之、三國連太郎、淡島千景、桂木洋子、笠智衆 ほか
森の妖しいデカダンスな魅力を満喫できる。
ロマンス・サスペンスかと思いきや、妙にお堅いつくり、セリフも形式張ってる。
まだ新聞記者が正義と分別をわきまえていた頃の話か、
それとも三國(今作のヒットをキッカケに芸名にしたらしい)のおかしなまでに一本気な役所のせいか?
どんな作品も観るほどに状況が一つ一つの動作・演出からより深く読み取れて、
そのたび見落としていた魅力が引き出されるんだろうけど、もう一度観直すにはどうか・・・?

「悪とたたかうために、善も悪の要素、つまり魔が必要だ」

Nの理念からのタイトル。正義感の塊から出たキツイひと言もこれのせい?
学生服姿の森もほのぼの 今作ではとにかくキビキビした記者役に徹している。


『ある落日』(1959)

監督:大庭秀雄 出演:岡田茉莉子、森雅之、高橋貞二 ほか
今度はウェットなだけの不倫映画。あんまり泣いてばかりのヒロインってのも好きじゃないんだな
相手も病気の妻を振り切って、しかも自分の幸せまで思いやってどっちの道も選べるのに、
口では「いいの私は」と言いつつ、自分に好意を寄せる男を巻き込んで前進しない女より、
もっと他に選択はないものか?

岡田茉莉子ってもっとモダンで活発な役が似合いそう。
まだまだ女の自立には遠かった時代なんだ。
大学出て外国人と英語でやりとりできるキャリアがあるのに「2、3年社会見れば充分でしょう」
って当然に言われてるんだもんね

人の縁とは計り知れないもので、必ずしも一生添い遂げられる、幸せになれるとも限らない。
そのまま素直に受け入れるか、周囲を気にして自分の気持ちを抑えるか、
先が見えててもまた会いたくなる気持ちを抑えきれない。
「僕たちはいつも別れの連続だった」とは不倫の状況をよく言ったもの。生産的関係とはいいがたい。
生産的にできる人もいるけど。本当の縁を後で見つけて貫くのはやっぱり罪業になるのか?


『この広い空のどこかに』(1954)

監督:小林正樹 出演:佐田啓二、久我美子、高峰秀子 ほか
戦後まもない、皆がそれこそ必死に1日1日を生きて復興しようとしている時の話みたい。
家の残った人はまだまし。路上で暮らして水を売ったり、働き口を捜して夫の帰りを待つ女たちが逞しい。
嫁の立場の勉強にもなるかも。佐田啓二みたいに優しく頼りがいのある二枚目な旦那なら
家の苦労も気にならないって観たファンがたくさんいたことだろう。

久我がいつもより我を抑えた役ながら、明るさを忘れない初々しい嫁役、
高峰が珍しくイジメる小姑役なのが面白い。
『挽歌』でも好演した石浜朗が大らかな現代っ子なのにも注目。
でもやっぱアパートに夫婦きりのほうがいいなあ

「そのうち10年もすれば、新しいタオルだって君がいなきゃ分からなくなるくらい
 全てが手の中に収まるようになるさ」っていい慰めの言葉だねぇv

「この空のどこかに、自分と一緒に苦労することが幸せだと思ってくれる人が、必ずいるんだって思うと生きる希望がわく」

「2人で暮らしてても、家族と一緒でもやっぱり同じなんだよ」そうかも知れない。

2人でも孤独でケンカすることもあるだろうし、大勢でいても愛し合う気持ちさえあれば幸せだ。
幸せで温かい余韻の残る1作。


『誘惑』(1948)

監督:吉村公三郎 出演:原節子、佐分利信、杉村春子 ほか
原の場合はアッサリ不倫家庭に馴染んじゃうんだw
父はいないは、身寄りはないは、妻は病気でいないは、子はなつくは、旦那と相部屋、相床になるは、
倒れた先で温泉、酒、ダンス、これだけ条件そろって、この2人ならどーにかならないわけにいかないじゃないw

森の退廃的魅力と対照的に、堅実な父親的魅力の佐分利信もイイ。
それにしても夜訪ねてくる杉村春子さんってのは、かなり後で祟られそうだよ
20歳代の役所のせいか原の恥じらい演技がオーバーなくらいで笑える。

「もう抑えられなくなった」とキスシーンが、
足だけのイメージショットで控えめなんだな。いいところなのに
旦那の部屋の窓から抱き上げてもらうシーンはお茶目。
その後のラブラブな生活は観客のご想像にお任せなのが残念。

原って大柄なのかな。なんだか今作ではやけにふくよかに見える。
森と佐分利信の共演ってのも観てみたい。飾らない素の演技がリアルに近くて、他の作品も観てみたいな。
奇しくも後見人と不倫シリーズが2作続いた。
互いの気持ちに気づき、すぐ決心して明るい未来を見てる今作のほうが後味はスッキリ。


『喜びも悲しみも幾歳月』(1957)

監督:木下恵介 出演:高峰秀子、佐田啓二 ほか
邦画で初めて日本縦断ロケで撮影。昭和の激動の歴史を交えて、逞しく生きた人々を描く。
“灯台守”って具体的にどんな仕事だったんだろ? こんなにあちこち転勤しなきゃやっていけないものなの?
主演の2人は今作で数々の賞をもらったらしい。

「子役大成せず」のジンクスを破って、高峰が娘から中年まで見事に演じ分けている。
「見合い結婚だけど、私、お父ちゃんに恋してるんだわ」なんて言えるいつまでも可愛い奥さん。
優しくて頼りになる理想的な夫役の佐田もイイ。


『朱唇いまだ消えず』(1949)

監督:渋谷実 出演:高杉早苗、佐分利信、杉村春子、久我美子、佐田啓二 ほか
不倫のほかに何も展開のない作品が多いのは“不倫”というテーマそのものが新しく新鮮だったからか?
宝塚女優みたいにスマートな美人のヒロインは誰か?
18歳で見合い結婚なんて昔は無茶なことしてたな
久我がポッチャリほっぺで分からなかった! 若かったのか? 佐田もセリフのないちょい役だし。

「そうおっしゃって下さるだけ有り難いと思って」と号泣。
これがまた杉村春子さんだから、なんだか空恐ろしい
2人の夫婦役はこれでもう2作目。こーゆーフツーの妻役も結構やってたんだ。
小津作品での小ウルサイおばちゃん役が印象強くてどーも。。。

今だったらもうバリバリ肉体関係あるところからサスペンスか何かが持ち上がるってパターンだけどね。
でもいくら好きとは言え、女の立場は微妙で辛いものだろう。
佐分利信の役みたく経済力もあって開き直ってたらハマりやすいかも知れないけどさ。


『にごりえ』(1953)
原作:樋口一葉 監督:今井正
●「十三夜」出演:田村秋子 ほか
●「大つごもり」出演:久我美子 ほか


●「にごりえ」出演:淡島千景 ほか


女優の競演による三種三様の女のドラマ。
昔はほんと身を粉にして働いて、やっと1日を生き抜いていたんだ。
結婚したからといって幸せにもなれない女の受難の時代。
でも毎日豊かに暮らせるようになった現代でもやっぱり幸せと自由が手中にあるとはいえない。
艶っぽさの淡島、まるでシンデレラみたいに身につまされる心理を熱演する久我、見応えのある1本。


『四人目の淑女』(1948)

監督:渋谷実 出演:森雅之、木暮実千代 ほか
これは森ファンとして満足のいく1本。
とゆーのも戦争から帰ってきた時は無精ひげでボロボロなのに、
ちょっとタキシード着たら、たちまちこの世の者とは思えない美しさ
憂いを帯びた実も花もある美男!

いつも思うけど、どーして昔の邦画って学生時代を描くのに子役を使わないの?
こないだの佐分利信の中学生役はビックリしたよ/爆

家没落の借金返済に金目当てで嫁いだ相手がなんと笠智衆!
守銭奴役にもっとも遠い男優ではないかい?
ダンディなスーツ姿は似合ってて、森に負けないくらいカッコいいけど。

仮装パーテイに日本の祭りの仮面なのが可笑しいw
つまりタイトルの4人目の淑女とはDのことだろう。
一度お金の有り難味を知ったから悟れたんじゃないか?
彼女さえ放っておけばBもAもそれなり幸せに暮らせたろうに、厳しすぎって感じ。
ま、森さんgetするにはここまでして当然かw

(役名が分からない時は大抵A、B、Cでメモってたらしい


『暗くなるまで待って』(1967)
監督:テレンス・ヤング 出演:オードリー・ヘップバーン、アラン・アーキン ほか
音楽:ヘンリー・マンシーニ
豪華スタッフで制作したブロードウェイの大ヒットドラマ。かなり本格サスペンス。ヒッチコック並。
オードリー迫真の盲目女性演技。
1つ気になったのは、どこかイタリアンマフィアっぽい喋り方のロートがMPのギャグにソックリだったことw

あくまで妻から来させようとするのは厳しくないか?
NYで裏口もないってのは、物騒極まりないっしょ。
いつでもドアが開けっぱなのも無用心。


『夜の鼓』(1958)

監督:今井正 出演:三國連太郎、有馬稲子、森雅之 ほか
こんな“正当な殺し”なんてあるものか。若い夫婦を新婚早々離れ離れにしちゃうのがそもそも。
ま、酒が悪と魔の引き金で日頃、真面目なだけに美しい女も耐えてたのが切れたんだろう。
でも昔は一族の恥として生きながらえることは許されなかったのか。厳しいーーー。
師団だって、あれだけスキ見せられて許されなかっただろーに。

森の必死で逃げるシーンはスゴイ!
で、とうとうこれまでと振り向いた表情が、なまめかしいほどに美しいんだな、これが
浪曲はなんて渋い声! 森さん本人の唄か?!

切ったり切られたり、恨んだり、未練が残ったりじゃ、当時の霊が浮かばれなくなるのもムリはない。
この時代フツーに幸せになれた人なんて一体何人いたことだろう?


notes and movies(2001.5~ part2)

2014-01-08 09:39:46 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『おとうと』(1960)

監督:市川崑 出演:岸惠子、田中絹代、森雅之、岸田今日子 ほか
なんだか身につまされるような家庭から心温まるクライマックスと思ったら
湿っぽいままで、いきなりのエンディングってフランス映画じゃないんだから
昔の病院ってほんと陰気だなぁ。壁のひとつも塗り替えるとか花でも飾るとか、
せめて音楽くらい明るくしようよ。毎日お経みたいなのを聴かされたらたまんない。

どこまでも生来の勝気さで弟とケンカしつつ守る姉役に岸惠子が熱演。
森は、ちょっとだらしなく見えても、父として息子と娘、後妻のことを思いやる人。
田中のクリスチャン熱心ぶりはちょっとブキミ。
日本じゃ次第に宗教って煙ったい存在になっていったみたいね。
でも熱心な人に偏った人が多いような気がするのはなぜか。


『わが生涯のかがやける日』(1948)

監督:吉村公三郎 出演:森雅之、戸田節子、山口淑子 ほか
父を殺した男でも愛しちゃう。森だったらあり得る ワルな格好も似合うこと。全然嫌味じゃない。
TにせよKにせよ元々戦時中は真面目青年とお嬢さまなだけに、
悪ぶって落ちぶれてても仮の姿。すぐお嬢さま、青年に戻っちゃうのが可笑しいw

ヤクザ映画ジャンルとしては、今じゃバイオレンス、セックス、血の連続、スピード展開になれてるから、
やけにトロく感じるけど、人情ドラマなんだよね。
金持って2人で逃げることもできたろうに、わざわざボスに「これから自首して、あんたを潰す」って言って、
のんびり決闘しちゃうんだから・・・

Tの兄の職は検察官だっけ? 自由思想の若者を拷問してたのかな? 日本もナチみたいな時があったんだな。
山口がハリウッドのクラシック女優のように美しい妖艶な魅力!


日本の歌謡映画シリーズ『ノンちゃん雲に乗る』(1955)

監督:倉田文人 出演:鰐淵晴子、原節子、藤田進 ほか
原つながりで借りたんだけど、すっかりこの天才少女、鰐淵晴子のファンになっちゃった。
歌謡映画ってミュージカルとは違うのか?w 童謡が多いけどね。
父がバイオリニスト、母がドイツ人だよ! バイオリン弾けて、天使の歌声、
バレエを踊っても様になって、演技もしっかりしてる!
日本映画の当時としては、異色のファンタジー、フシギでエキセントリック、和風OZの世界!
藤田と原の両親ってのもゴージャス。愛犬のエスが可愛い

「ウソをついたら帰してあげる」「ウソは嫌いなのおおおお」と泣き崩れるw

組長になって喜んだり、小学生にしちゃやけにいい言葉でハキハキと挨拶する子どもは時代柄?
でも可愛い子にちょっかい出したがる男の子はいつでもいるね。

一番可笑しいのは、母と兄が東京に行ったと知って号泣して父を困らせるシーン。
「××しませんよう」「○○ですよう」と泣いても、なんかお年寄りっぽい喋り方w
本人はいたって真面目だからなお可笑しい。

子どもって可笑しいね。時々大人に近くて、時々動物みたいに理屈が通らなくなる。
冒頭に原も歌うシーンがあるが、本人の声? 原が母なんて理想的。


『キューポラのある街』(1962)

監督:浦山桐郎 脚本:今村昌平 出演:東野英治郎、吉永小百合、市川好郎、浜村純、菅井きん、浜田光夫、北林谷栄、加藤武 ほか
川口は鋳物職人の町だったんだ。中小企業の町。
まだまだみんな貧しかったけど「OK」「Bye!」とか喋ってて、
「中学出て働け」という親と「高校出なきゃ一生下積みで終わる」と学校教育の重要性に気づき始めた時代。

子役がすごく上手い! 吉永小百合も当時18歳で最年少ブルーリボン賞とっただけある。
苦境に負けないで希望に溢れた若者役を好演。

パチンコ屋でバイトしたり、弟は新聞配達、クズを盗もうとしたり、
「俺もそろそろ考えないと」って小学生のうちから言ってるんだからエライ!
月給が2万だって、弟が盗んで飲んでた牛乳、
その家の息子は「病気の母のために働いているのに何にもならない!」と怒る。
毎日がその日暮らしの不安定な生活。
でも世の中がもっと便利に発展していくっていう変化が目に見えてわかったから希望も抱けたのかも。


『生まれてはみたけれど』(1932)

監督:小津安二郎 出演:斎藤達雄、吉川満子、菅原秀雄 ほか
サイレントで弁士付きと思ったんだけど、全くの無声とゆーか無音・・・?? これでいいのか?
時々入る字幕だけじゃ細部が分かりにくい。
それにしても昔はサラリーマンってそんなに情けない職業だったのか?

「お前たちはヤクザな会社員なんかになるんじゃないぞ」てそんなに貶さなくても

男子の友情って微妙だな。変なプライドと強弱で成り立ってるんだ。
“スズメの卵飲んで強くなる説”みたいな摩訶不思議な理論があるんだよね、子ども世界って。
ま、子どもから見たら大人世界のほうが不思議か。父親に物言えるだけ自立してるんじゃない?
どんな人が一番偉いか、説明してできないこともないだろうに、子どもには通用しないのかな。
ちなみにここで飼われている犬も“エス”。腹痛でお医者さん呼んでもらうくらいだから結構いい家なんじゃないか?


『青い山脈』(1949)

監督:今井正 出演:原節子、木暮実千代、池部良、杉葉子、若山セツ子、龍崎一郎 ほか
とにかくラブレター1枚でこの騒ぎになっちゃうんだから改革って大変!!
考えれば戦前も戦後も人々の良心と道徳観の根底は変わらず、
世の中の建前だけが歪んでいたんじゃないかな?

「しかめ面してる人ほど女グセが悪く、戦時中は不名誉な病気で産婦人科に・・・」
と弱い下ネタで抑えてる

快活にバスケやテニス、水着で泳いで自己主張する杉葉子がイイ。
封建的な田舎町にしては、理事会で納得が早かったな。
実情はまだ女はお嫁に行って、夫に殴られ、子どもを育てるって考え方が父母に残っていたんじゃない?
今作で日本は変わるってアピールしたかったのか、先陣切って。
今じゃ解放されすぎて、10代の妊娠、中絶問題など、なんでもいきすぎはよくないもんだ。


『NHKスペシャル 大英博物館 第2集』(1990)
「王に触れるな、王は神なり! エジプト・大王ラムセスの帝国」
音楽:式部 案内:壇ふみ VOICE:おおたか静流

1753年ロンドンに建設。1000万点という収蔵品。5000年に及ぶ人類文明をおさめる大英博物館。
中でもエジプトのコーナーは素晴らしかった

1799年、ナポレオンが発見したロゼッタストーンに書かれたヒエログリフによって明らかとなった
人神ファラオと、人々の高度で神秘に尽きない生活、祭り、文化etc...
今作では王の中の王、ラムセス2世にスポットを当てる。

ラムセル1世、父セティと続き栄華を取り戻したエジプト。
2世は幼い頃から王となるべく教育を受け、90歳で亡くなるまで権威を保持したという。
太陽神ラー・アメン神の化身とされ、太陽の光の演出を計算しつくされた巨大なアブシンベル神殿、
死後の世界観を描いた『死者の書』等、エジプト文明の遺産には興味が尽きない。

とにかく1日じゃ見きれなくて早足で見て、説明もなかったから、
どれがどんな物語を持つのか知らないまま見学したのは残念。
ビデオにするにもエジプトコーナーだけで何十巻にもなっちゃうだろーけどね。


『風花』(1959)

監督:木下惠介 出演:岸惠子、久我美子、有馬稲子、笠智衆 ほか
岸の円熟した演技と、久我の因習にとらわれない新鮮な魅力の競演がイイ。
昔の閉鎖的な村社会って、ちょっと道からそれたら、それこそ末代の恥にもなりかねないくらい、窮屈だったんだな。


『破れ太鼓』(1949)

監督:木下惠介 出演:阪東妻三郎、村瀬幸子、森雅之、小林トシ子、桂木洋子、宇野重吉、東山千栄子 ほか
なんだかとっても身近に感じるな、この家族
ちょっと前までは、こういうワンマンでガンコな親父だらけだったんだろうね。

「愛のない生活は孤独。子ども6人1人ずつ愛したら6日、残りは母にあげればいい。英雄は己を知る」

まるで武士道みたいな父、でも根底の愛情を信じて引き出した家族の絆はスゴイ力。
森は気が弱いが人生プランを立て、長男として家族を守ろうとする役をコミカルに演じている。
父役の坂東もいかにもどこかにいそうなガンコ親父をオーバーに誇張して
(いや、これぐらいの人もいるかな)憎めない父を熱演。


『NHKスペシャル 大英博物館4 インド編』
「姿なきブッダのかたち インド 仏教美術の源流」
音楽:式部 案内:壇ふみ VOICE:おおたか静流

19C、英考古学調査隊が発掘した推定1~2C南インド・アヌラーバティ王朝時代の仏塔跡は、
仏教の開祖・ブッダの生涯を物語る浮き彫りがほどこされ、
大半が大英博物館に特別に保管され(石灰のため、温度、湿度が一定)30年も非公開になっている。

バラモン(一部の高僧)が権力を握り、人々を支配していた時代。
ブッダは“宗教は一切を救うべき”と悟りを得て、1人直談判した。
様々な考えが各地で起こってた1つだったらしい。

布教の末、80歳で亡くなり、涅槃(煩悩から解き放たれた理想の境地)、
仏塔(ストゥーパ)が各地に造られ、浮き彫りにはブッダ自身の姿はなく、
仏足、菩提樹(ブッダの母がこの木の下で産んだ)等であらわしていたが、
ローマ、ギリシャとの商業が盛んになり、神を人間像にする文化が流れこみ、仏像の原型が生まれたという。

その後、ヒンドゥー教が復活、仏教は中国、日本に移り栄えることとなる。
今でも12年ごとに行われるヒンドゥーの祭りにガンジス川で沐浴する人々がいる。
川の水はキレイとは言えないんだがなあ・・・

仏教・仏像の起源を聞いたのはこれが初めて。
インドの今の風景と浮き彫りをオーバーラップした映像美がリアルに歴史のロマンを蘇らせる。


notes and movies(2001.5~ part3)

2014-01-08 09:39:45 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『名作100選 NHK特集 ジョバンニの銀河・1983』
宮沢賢治没後50年記念作品。以前、行った記念館と賢治が作品を書いた家、
それも同じように雪深い花巻の思い出が懐かしくよみがえった。

スウェーデン翻訳者をはじめ、信じられないくらい広く世界に訳され、愛読され、
死後、世界に誇る文学者となった賢治。

チェロを弾く音楽家でもあり、あらゆる鉱石を掘り出した地質学者、
様々な実験をした化学者、仏教徒、農業のことも真剣に取り組み、
地域に密着して貢献した等々、改めて千手観音みたいな人だったことが分かる。

後半は、金髪の少年を主人公に「銀河鉄道の夜」の抜粋を朗読して、イメージの世界を映像化した。
画家パウル・クレーの絵と、あれは顕微鏡で覗いた写真だろうか?
(ビニルや包装紙もあんな風に見えるとしたら、万物に神が宿っているとしか思えない
が次から次へと色鮮やかな世界が幻想的な賢治ワールドにピッタリ。


『NHK 映像でつづる昭和史 第1部 昭和元~16年』(1989)
第一次世界大戦が終わってからの話で、日本は過去から大して学ばなかったらしい。
犬養毅などの政治家も次々暗殺されているし、“安全大国日本”になったのは、
太平洋戦争で国民皆が痛みと悲しみを味わった後の話。

小津安二郎の『大学は出たものの』がヒットしたのもこの頃。
「激動の昭和史」の実際はどうだったのか、今、こうして貴重な映像資料が残っていて、
見て学べるのはスゴイことだ。


『フィルムに残された あのころのにっぽん 第6巻 戦中~戦後篇』
米軍が戦争攻略の資料として集めた昭和18~31年の日本の貴重なフィルム。

1.国土篇 2.国民篇 3.日本人の行動 4.民主主義への道 5.日本での心得

欧米人から見た日本人はすべてが逆さま。男尊女卑がいい例。
狂信的で、戦争マシーン、天皇を現人神として死をもいとわぬ団結力を強調。
ちゃんとアマテラスやイザナミ、イザナギ等の神話まで紹介して、本質に迫ろうとしているのはスゴイ。

原節子主演の『新たな土』で茶道も紹介。
戦争一色から戦後、西欧文化を取り入れて変化していく様もとらえている。

後半は、観光案内的。横浜から鎌倉、“ちょっと足をのばして京都”w、箱根から見る富士山。
「寿司も珍しい物好きなら美味しさも分かる」とのこと。

いろんな国と戦ってきたアメリカは、こういう映画もいろんな国があるんだろうな。
なにせ説明が多くて、早い上に字幕が縦で読みにくく、映像に集中できないのが残念。


『顔』(1957)

松本清張 監督:大曽根辰夫 出演:岡田茉莉子、笠智衆 ほか
のこぎり音楽ひゅろろ~が妖しい。“顔”を売る商売で成功したい野望を持ちながら、
顔が知れると過去がバレてしまう哀しい女の話。
考えてみれば男が死んだのは正当防衛なんだけど、どんどん追いつめられちゃう。

「皆、色のついた光を求めて東京へきた。可哀相な奴らだ」笠智衆の刑事がシブイ。

当時から女の世界、モデルの裏事情は厳しかったんだな~。
先輩、後輩に妬まれ、プロモーターのオヤジに迫られ、過去も洗いざらい弱みにつけこんでたかられetc...
悪女役もなかなか板についてる岡田さんにもっと頑張ってほしかったな。


『チューブ・テイルズ』(1999)
監督:ボブ・ホスキンス ほか 出演:レイチェル・ワイズ ほか
たった88minを、いろんな監督が好きなように使って実際はもっと長く感じる。
“地下鉄の哀愁”って日本と通じるものがあるのに驚いた。
ジュード・ロウ初監督作品はいったいどれだったろう?

強烈なのはフェロモン丸出しの女に興奮するジイサン
「もう二度と会わないんだから気にするか!?」
心を落ち着けようとサッチャー首相をイメージするのが笑うツボ。

頭から雀が出てきちゃうのもビックリ。
ジイサンが一生懸命運んで、解き放つ瞬間、観ている者もホッとする。

赤いドレスの少女が母とはぐれて自由に駆け回る。
不思議なガーディアン・エンジェルなオバサンがイイ。

キョーレツ第2弾はゲロ女。MPのゲロ男に次ぐ豪勢な吐き方
皆の憧れの的だったのに、哀れ、視線恐怖症だったのか?

ラストは『シックス・センス』系の美しい物語。


『フィルムに残された あのころのにっぽん 第1巻 昭和30~34年』
「朝日ニュース」をつなぎ合わせたもの。ナレーションの言い回しや、音楽の使い方がいかにも古くて苦笑。
でもなぜかカタカナ英語の発音“ティーム”とかはイイ
戦後10年、暗い影と贅沢が同居していた。

ニュース例:
民主主義教育が始まる中、女性パワーも出てくる反面、売春禁止(取り締まるべきは買う側のはずなのに)、
米兵と一緒に祖国を離れる女たちや、捨てられて父なし子と残された女たち。
相変わらず裁縫やらお嫁修行も続き、真の解放からはほど遠かったのがうかがえる。


『タイタス』(1999)
監督・脚本・製作:ジュリー・ティモア 出演:アンソニー・ホプキンス、ジェシカ・ラング ほか
シェイクスピア作で最もドロドロで残酷極まりないと言われる今作。
さすがの『ベイビー・オブ・マコン』の吐き気をもよおす迷宮の悪夢は、
『ロミジュリ』に似た現代劇と、少年をまじえて薄めているが、
血で血を洗ったヨーロッパの歴史は実際、親戚も親子もない権力争いと、
人にここまで残酷な心を持たせ、非情な仕打ちを思いつかせるかと思うくらい
非人間的世界を想像させるには充分。

しかも、ラストの異常に長い、子どもに未来を託す象徴的な後ろ姿のロングショットは、
どこかで観たような既視感を感じた。

復讐は続いて終わりがないから、どれも正義であるはずはなく、
人殺しを神と誓うなんてもってのほか!
人の浅はかな知恵と愚かさは、まるで底なしだ。
『ハンニバル』ばりのホプキンスと、悪女役が板についたラングの競演が迫力。


『ひかりのまち』(1999)

監督:マイケル・ウィンターボトム 出演:ジーナ・マッキー ほか
まさに共感!の1作。「誰か側にいて欲しい。でも誰でもいいワケじゃない」

求め彷徨って、幸せって何だって探して、自分をすり減らして・・・
それぞれの男女が、それぞれの立場で、それぞれの悩みを持って毎日必死に生きていくこと。

イギリスのワーキングクラスって私らが思うよりのっぴきならない無常な世界なんだな。
子どもから大人が身ぐるみはいでいくなんて!

“どこかに必ずいるはず自分と合う人が”って思わせる終わり方がイイ。


『ファイナル・カット』(1999)
監督:ドミニク・アンシアーノ, レイ・バーディス 出演:ジュード・ロウ、サディ・フロスト、レイ・ウィンストン ほか
友人の私生活を隠し撮りして、恥ずかしいシーンばかりをつなげたジュードは、
自分の葬式に皆に観てもらうようにと言い残した。
次から次へと何なのこいつら?ってくらい表裏激しすぎる醜態がさらされて、仲間割れもいいとこ。

J「でも、目を離せないだろ? 真実だからさ」
趣味悪い奴と、どーしよーもない連中って言ったらそれまでだけど、
皆自分を振り返ったら他人事とはいえないのかも。

普段仲のいい友の悪口を別の友に言ったり、人が見ていないプライベートで変な真似したり、
犯罪ギリギリのことをしたり、悪気がなかったり、フツーだって思ってることも
人から見たら常識じゃないこともたくさんある。
でも、欠点もひっくるめて、その人の個性で、微妙なバランス関係で人間社会は成立している。

あんなに仲良しな友、親戚集団もひと皮むけばこの通り。
でも、血縁関係は切りようがないし、人間関係は1人1人の価値観の違いを超えたところにある。

J「後で人から聞いて知るより、今、自分の眼で見て知って良かったじゃないか。ショックは小さいよ」


『薔薇の眠り』(2000)

監督:アラン・ベルリネール 出演:デミ・ムーア ほか
私好みの作品。『ANNNA OZ』『Julia & Julia』と同じ系。
特に『Julia & Julia』と同じ曲を使っている気がするのは私だけ?
デミが久々肩の力を抜いたラブ・ロマンスに帰ったのもイイ。
観た後、ほのかな哀しみと安心、静かな感動に包まれるのもイイ感じ。

上記の2作に比べたら、アメリカ映画らしく、ミステリアスながら
ラストはキチンと筋を通して、かつハッピーエンディング。
まるでセラピーの感動実話ドラマのようで二重人格症の治った症例みたい。

どちらの生活も女性として夢に描く幸せ像で、2人の男は見た目は違っても
完全に味方になって理解してくれ、わがままを聞いてくれそうな優男
私なら心身続く限り、両立していきたいなw

もともと夢も現実も似たりよったり、区別なんて難しい。
一度の人生、2度おいしいじゃん。
でも、どっちかっていったら、やっぱ若いアロンのほうがいかな
この男優よく見るようになったけど、なかなか有望株。


notes and movies(2001.5~ part4)

2014-01-08 09:39:44 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづきで、このノートのラスト。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『マルコヴィッチの穴』(1999)
監督:スパイク・ジョーンズ 出演:ジョン・キューザック、ジョン・マルコヴィッチ、チャーリー・シーン ほか
人の脳に入って操るドアが、しょっぱいビルの7と1/2階にあるってアイデアもイイけど、
それがJ.マルコヴィッチってとこが本作の当たり所w
なぜか納得できちゃう、このミステリアスで才能にあふれ、セクシー、知的、スター気取りじゃないこの男。
皆がなりたいマルコヴィッチ!? 本人はこーして取り上げてもらってどんな気分だろーか??

ジョンが自分の無意識に入ると全員がJ!
MとRが入ると、しょんべんたれだの言われた幼少期、下着を嗅ぐJなど抑えられた狂気や記憶が次から次へと。
人の無意識下ほどドロドロした所はないだろーからね。ジョンに限らずとも。
今作中の操り人形は実際素晴らしい。それを演じるジョンもいいが、かなり下っ腹がたるみはじめてる
ジャンキーみたいなチャーリーの友情出演も楽屋落ちでイイ。


『リトル・ダンサー』(2000)
監督:スティーブン・ダルドリー 出演:ジェイミー・ベル ほか
イギリスの労働者階級の生の姿がどんどん映画化され、ヒットしている。
その多くは厳しい生活を送る人々だが、アメリカ映画のラブ・ロマンス、
アクションものにはないリアルさとドラマ、感動がある。

田舎の貧しい炭鉱夫の息子がバレエダンサーになる!
その意外性が面白い今作も片親家庭、ストライキの闘い、
父と息子の微妙な力関係と愛情が心を動かし、勇気を与えてくれる。

なにがイイって全編通してT.REXだもの

続きも観たかったが、あくまでこの少年が主人公ってことみたい。
なにせ何千人だかのオーディションから選ばれた才能あふれる男の子だからね。
自身の体験も重なるだけに、思いも入っていることだろう。
行く末が楽しみなハンサムボーイ。タップもアステア並!?

この歳であれだけ踊れるんだから、そうとう小さい時から習っているんだろーな。
才能って、やっぱ環境も大切だけど、素質と、本人の中に燃える炎っつーか、
あふれて止められないものなのかも。


『サイダーハウス・ルール』(1999)

原作・脚本:ジョン・アーヴィング 監督:ラッセ・ハルストレム
出演:トビー・マグワイア、マイケル・ケイン ほか
思った通りの名作だった。J.アーヴィングってどっかで聞いたよーな。
きっとこーゆー心に染みるドラマを書き続けてる人なんだろう。
主演の男優も要チェック。他の作品も気になる。医師役の名優も名前なんだっけな?

当時のキリスト教国の堕胎手術は違法(今でも場所によってはそーか)なのに、
純粋に患者の立場で考え、子どもたちを素直にのびのび育てる孤児院は、
ある意味、最も幸せな場所かもしれない。

「信じるかな?」「信じたいから、信じるのさ」

世間のいろんなことを知り、いろんな人と会うことも楽しくて意義のあることだけど、
人にはそれぞれ居場所があって、必要としている人がいることが一番の幸せかもしれない。

「おやすみ、イングランドの王様たち」と先生と同じように声をかけた時の子どもたちの安心した笑顔がイイ。
大人の世界の事情は複雑で、倫理や道徳だけじゃ通らない。
その結果残された子どもたちを守るのも、やはり大人なんだ。


『A.I.』(2001)
原作:スタンリー・キューブリック 監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:ウィリアム・ハート、ジュード・ロウ ほか
天才少年と天才監督が組んだ超話題作。
でもキューブリックが自分のコンセプトを元に自分で撮ったら一体どーなったろう?と、つい考えたくなる。

今作はあくまでスピルバーグ的!
このまますぐユニヴァーサルスタジオのアトラクションに加えられそうなくらい。
一生懸命ロボット化社会の究極の姿、倫理観を数千年にも及ぶ時の流れに描いて、
これでもかってくらい母子愛満載の泣かせもの、ラストは引っ張って、引っ張って
ハッピーエンドになんとかもつれこませたって感じ。感動屋の私はすぐ泣くんだけど

“自分がユニークな価値ある存在であること”を認めてもらい、
母の愛情を得ることが、子どもが自己確立する方法だと強調して何度も出てくる。


『ウェブマスター』(1998)
監督 トーマス・ボーシュ・ニールセン 出演:ラース・ボム ほか
近未来もののデンマークだかの作品で、なんか口許と声がズレてるなー
演出効果か?と思ってたら英語吹替えなのか? 皆美しい出演者ばかり。
丁寧にお茶をいれる主人公のスキンヘッドの男優も繊細な線でイイかんじ。

近未来では自然は皆無なのか・・・
このままネット、バーチャル、3Detc..がエスカレートすると、
サイバーで遊ぶ未来もそう遠くなさそうね。


『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(2000)

監督:ラース・フォン・トリアー 出演:ビョーク ほか
ビョークがここまでの演技を見せてくれるとは驚き。
少女みたいだけど母でもある彼女、共感するものがあったのかも。

「彼は母を必要としている!」「彼には視力が必要なの!」
盲人が今作を観たらどう思うだろうか?

途中セルマが♪私はもう充分に見た 子羊も 人が寿命を全うせずして死んでいくのも
ジェフが、エンパイアステートビルや中国も見てないじゃないか と歌う。

「心理的な影響で手術が効かなくなることがある」現代医療でも難しいのか?

ビルとの2人の秘密を守ったセルマ。
自分のせいとも知らずセルマを憎むビルの妻。何が幸福なのか、
それはそれぞれの価値観で決まるからなんとも結論は出せない。


『ダンサー』(1999)
監督:リュック・ベッソン 出演:ミア・フライア ほか

「兄として妹の必要なことをサポートしてあげればいいのさ。
 自分が妹に必要だと思うことじゃなくさ」

この言葉は何気ないけど重い。本物の愛情ってそうなのかも。
真っ白なウェアを着たIの体いっぱいのダンスは素晴らしい。

兄「マネージャーは卒業だが、ダメな兄貴は一生もんだ」
I「ダメでイイ、マネージャーと兄貴を一生してほしい」
兄「それならできる!」

今作はこの主役の彼女なしには成立しない。
彼女自身の物語ともシンクロしてるかも(もし実際も口がきけないとしたら)
キュートでセクシーで、どんな曲でも踊れる、観客もインスパイアされる1作。
人が体ひとつでどこまで自己表現できるか。
鍛え方と才能でここまでしなやかに、スピーディに、情感豊かに、動きで感動させることができるのはスゴイ。


『オーロラの彼方へ』(2000)

監督:グレゴリー・ホブリット 出演:ジェームズ・カヴィーゼル、デニス・クエイド ほか
久々かなり練りこんだプロット、二転三転、四転もする、サスペンスあり、ヒューマンドラマあり、
しかもアメリカ映画らしくラストはムリヤリ?ハッピーエンドにねじ伏せた感じ

タイムパラドックスはもっと複雑だと思うけど、こんな夢物語もいいさ。
NYメッツの野球が重要なポイント。父と息子を結ぶものはどの国でも似てるね。




【読書感想メモ】
「永遠のマドンナ 原節子のすべて」出版協同社
「日本映画戦後黄金時代12 日活の監督」日本ブックライブラリー
「さよなら妖精」KKベストセラーズ

「火の鳥7 乱世編」手塚治虫著
「火の鳥3 ヤマト異形編」
「火の鳥2 未来編」
「火の鳥5 復活編・羽衣編」
「火の鳥6 望郷編」

「マンガ日本の古典28 雨月物語」中央公論社
「マンガ日本の古典26 葉隠」
「マンガ日本の古典25 奥の細道」
「マンガ日本の古典8 今昔物語」水木しげる著
「マンガ日本の古典24 好色五人女」
「マンガ日本の古典17 徒然草」
「マンガ日本の古典7 堤中納言物語」


「映画の昭和の雑貨店 完結編 川本三郎著
「大霊界を見た 死後の世界の驚異」丹波哲郎著
「別冊太陽 名女優 写真家・早田雄二の撮った“永遠に輝く一瞬”」平凡社
「SNOOPYのもっと気楽に 1 なるようになるさ」チャールズ・M・シュルツ著 谷川俊太郎訳
「Peanuts Essence 13 ちょっとだけ」

「目でみる仏像シリーズ2 目でみる仏像・菩薩」東京美術
「Photo Mandala 吉岡たすく 野の仏紀行」写真:斎藤貢一 文:吉岡たすく
「NHK 祈りの造形 仏像物語 仏はどこに、どんな姿で」ニシムラ公明著
「MOE BOOK 美術館のある旅 SPECIAL」白泉社
「HUG2」キャサリーン・キーティング著 ミミ・ノーランド絵

「ef別冊 幸せになるカラーセラピー」泉智子著
「羊の宇宙」夢枕獏/作 たむらしげる/絵
「FOR BEGINNERS シリーズ63 歎異抄」遠藤誠/文
「もっと幸福な一日」吉野朔実著
「恋をしつづける女たちへ 新しい男と女 愛の進化論」秋山さと子著

「小学館ライブラリー14 マンウォッチング(下)」デズモンド・モリス著
「こころに水をやり育てるための50のレッスン」廣瀬裕子著
「一千一秒物語」稲垣足穂/文 たむらしげる/絵
「「気」と時間」河野十全著
「東京・美術館への散歩道3」東京新聞出版局著

「ブッダの生涯」小林正典著
「素敵な出会いをひらく 性格の本」秋山さと子著


【歌詞をメモした曲】
Un Homme Et une Fenme


【イベントメモ】
寄席「国立演芸場五月公演」@国立演芸場
「ビュフェ追悼展」@小田急美術館
「ジノリ展」@東京都庭園美術館



notes and movies(2000.9~ part1)

2014-01-01 10:10:28 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回はヴィヴィアン・リーの切り抜きが貼ってある透明なルーズリーフからご紹介。

  

photo1:オーランドのディズニー・ワールド、ユニヴァーサル・スタジオに行った。
photo2:なぜかオードリーと、ジミーの切り抜きが貼ってある。
photo3:仕事を変えるたびに派遣にいろいろ登録してて、求人の切り抜きがいっぱい!

昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ホワイトアウト』(2000)機内にて
監督:若松節朗 出演:織田裕二、松嶋菜々子、佐藤浩市 ほか
ハリウッド的スケールとストーリーでなかなか面白かった。


『60セカンズ』(2000)劇場にて
監督:ドミニク・セナ 出演:ニコラス・ケイジ、アンジェリーナ・ジョリー、ロバート・デュヴァル ほか
なぜか日系女性がとろいドライヴァー役でちょっとムカつく。
ラストは和気藹々のパーティでめっちゃハッピーエンディング
おいおい、犯罪者の集まりがこんなハッピーでいいのか!?
これほど女みたいに車を愛する車オタクじゃないと務まらないプロ集団。
渋いクラシックなロックを聴いて「よし、やろう!」ってシーンもイイ。
スピードびゅんびゅんのカーアクションに目がついていかないほどの迫力!
あえて余計なロマンスシーンもカットしてあるのがクール。


『ムーラン』(1998)
監督:バリー・クック、トニー・バンクロフト 声出演:エディ・マーフィ ほか
基本的なストーリー展開、キャラ構成がほとんど同じなんだけど、
誰と観ても一様に楽しめるエンタテインメント性はさすが。

「一番の誇りはムーランなのだよ」

Aの声をエディ・マーフィが担当。ユーモア担当を見事にこなしてる。
これでパレードをもう一度見たら意味が分かるかも(もう2度見たが
昔の中国の男女差別をけっこー批判的に描いているのが特徴。
ディズニー映画のヒロインらしくないアジアンの顔は欧米の子どもらにどう受け留められただろうか?


『eXistenZ』(1999)

監督:デヴィッド・クローネンバーグ  出演:ジュード・ロウ、ジェニファ・ジェイソン・リー、イアン・ホルム、ウィレム・デフォー ほか
ゲーム業界が日々3Dだなんだとリアルに発展していく中、
いつか現実と区別のつかないヴァーチャルゲームが出来るというのは夢・・・のような本当のような。
爬虫類の変異グチャグチャを存分に使って、どこまでもリアリティに近い非現実を描いて危機感をえぐり出してる。

「これもゲームなのか?」

飛行機シュミレーションゲームのつもりでハイジャック、現実との区別ができない若者の犯罪が増えている。
すべてゲーム業界のせいともいえないが薄暗い恐怖感は否めない。
リーのクールでダークな魅力が出てる。


『スターシップ・トゥルーパーズ』(1997)
監督:ポール・バーホーベン 出演:キャスパー・ヴァン・ディーン、マイケル・アイアンサイド、デニス・リチャーズ ほか
10/14公開の『インヴィジブル』を撮った同監督作品をチェック。
噂通り突然変異BUG軍団の脅威と、次々切り刻まれてゆく兵士のCGがスゴイ。頭の中がすっかり軍事一色。
宇宙戦争になったら地球中が軍事一色になるのだろうか?
近未来にすっかり男女区別がなくなってるのは、むしろ中性のアリの群衆みたいに見える。
とにかくデカくなっちゃった虫の集団。巨大カブトムシみたいのも気味悪い極致だけど、
終始わざとらしい健全さをアピールした映像がより不気味。


『シュリ』(1999)
監督・脚本:カン・ジェギュ 出演:ハン・ソッキュ、キム・ユンジン ほか
爆発的ヒット作となった今作。フタを開けたらあまり目新しくなかった。
長ーーーーい銃撃戦、敵同士の恋人etc...
分断された国事情を背景にしたのが話題性か?

南北に別れてしまったのか? よほど貧富の差が大きいらしい。
冒頭の弱肉強食の訓練で血しぶきもものともせず勝ち残る女の姿がスゴイ。
が、やはりいくら殺人マシンとて女のフツーの幸せがほしかったってこと。


『アメリカン・ヒストリーX』(1998)
監督:トニー・ケイ 出演:エドワード・ノートン、エドワード・ファーロング ほか
『ファイト・クラブ』に続いてぶっちぎりのノートン。目立たない俳優と思っていたら、あれよあれよの快進撃!
人種差別問題、その根深い根底と終わらなく続く憎しみと怒り。
一度爆走し、道を誤った者に真の平和と平凡な幸福は閉ざされる。
こーゆーエンディングになることは分かってた。

「怒りをぶちまけるには人生は短すぎる」
「怒りがお前の生活を幸せにしたか?」

Dのレポートは「敵を作るな。皆仲間なのだから」で締めくくられる。
デレクの人種差別思考は、他でもない父親から洗脳されたものなんだ。
こうして無意味な争いの種が新しい無垢な命に刻まれ、結果的に憎み合い、犯罪となっていく。


『SF巨大生物の島』(1961)
監督:サイ・エンドフィールド 特殊効果:レイ・ハリーハウゼン
出演:マイケル・クレイグ、マイケル・カラン ほか
ジュール・ヴェルヌ『神秘の島』を原作に撮った作品だが、いろいろ混ざったり、削られたりしてる。
わざわざお色気をとってつけなくてもいーのになぁ
最先端技術の天才ネモ艦長の潜水服はともかく、ボンベが巻き貝ってのもw

漂流した2人の女性が“私たちを守るのは男の役目よ”とばかり強気なのが変。
裁縫やインテリアには熱心だったようだが。
エレナはロングドレスからパンツ丸出しの超ミニワンピに着がえて
「私、彼と結婚するわ」なんて、のんきなこと言ってるし

巨大カニ、鳥、タコは食糧難を救う前にヒトが食われちゃうんじゃないか?
60年代パニック、アドベンチャーもののほのぼの感は嫌いじゃない。

(まだレイ・ハリーハウゼンに本格的にハマる前だな


『スネイク・アイズ』(1997)
監督:ブライアン・デ・パルマ 出演:ニコラス・ケイジ、ゲーリー・シニーズジョン・ハード ほか
脂ののった2人の男優の競演。あらゆる角度から見た陰謀が絡み合って真実をうやむやにする。
ラストに光った赤いものは何だったのか?
その後はBとうまくいきそうなラスト。「とにかくTVには出れた」
ノリノリに切れまくる汚職警官、悪になりきれない善の男役にケイジがピッタリ。


『ヘンリー・フール』(1997)
監督:ハル・ハートリー 出演:トーマス・ジェイ・ライアン、ジェームズ・アーバニアク ほか
さて、これがドタバタコメディだろーか? よくよく選んだ結果がコレ?
自称小説家の怪しい男に詩の才能を見出されたサイモン。
どこに逸材が眠っているか、それを呼び覚ますキッカケがなきゃ始まらない。
その役目を負ったこの男にも生きる意味があったワケだ。


notes and movies(2000.9~ part2)

2014-01-01 10:10:27 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
昔のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ディナーの後に』(1998)
監督:イム・サンス 出演:カン・スヨン、ジン・ヒギョン ほか
きっとAV以外で性をオープンに映画にしたって画期的なんだろうな。
しかもありきたりのBoy meets Girl のめでたしストーリーなんかじゃなくて、
いろんな形で始まって終わる(大抵中途半端に)リアリズムに徹したのが心地いい。
韓国女性の新しい恋愛観に共感。観た後もすがすがしい風を感じる。
美人だからって恋愛に恵まれるとは限らない?!
まっぱで窓の外の雨に触れるラストシーンが心地いい。

「流れに任せるだけ」っていうYのセリフが印象に残る。
恋愛も性も仕事も、きっとすべてが待ってるだけだと失望することになるんだな。
自分でつかんで選んだものなら、失敗しても悔いの残り方が違うんだろう。
「男なんていらない、女3人で会社作って暮らそう!」なんて女友だちの約束ははかない
世の中、男と女でできてるんだから、ピッタリのパートナーを見つけるのも目的の1つだろう。


『ザ・ビーチ』(1999)
監督:ダニー・ボイル 出演:レオナルド・ディカプリオ ほか
『タイタニック』のあと100本以上のオファを蹴って出演したらしい本作。
みんなが夢に思い描く理想郷が、もし本当に存在したら?
次第に文明社会のモラルから逸脱してゆく理性、狂気を熱演。
キャンペーンでこの舞台となったピピ島に行けるらしい

サメに襲われるようじゃ完璧なビーチとは言えないな
確かに今じゃどんな辺鄙な場所にも観光客がいて、それをカモにする商売人がいて、
あっという間に秘境は便利なリゾート地に変わってしまうのは止められない。
皆が自分だけのオアシス、プライベートビーチを持つなんて不可能だから悲しい。
でも実際ピピ島みたいに美しい場所がまだ残されているんだから地球もまだ捨てたもんじゃない!?


『オリーブの林をぬけて』(1994)
監督・脚本・編集・製作・出演:アッバス・キアロスタミ 出演:ホセイン・レザイ ほか
『友だちのうちはどこ?』『そして人生はつづく』に次ぐ“ジグザグ道3部作”のフィナーレ。
アッバス作はどこまでフィクションかそうでないかの面白さがある。
でもこれは“純愛”というよりストーカーだ。何度も何度も繰り返されるシーン(映画作りはそんなものか)、
理想を並べ続けるホセイン(都市部出身者なら森でレイプして殺して終わりだろう)、
あくまで返事をしないタヘレ(一度NOと言えば済むものを)、そして出演もしているアッバスが仕掛け人。
つまり余計なお世話で話をややこしくする年老いた天使役だ。

丘をこえてずーーーーーーーっと追いつづけてから、ずーーーーーーーーーっと走って戻ってくるまでを
ずーーーーーーーーーっと撮って終わり。
きっと何の進展もなかったろう。

地元の子どもたちとアッバスとの自然なやりとりとかはイイ。
親類が一気に何十人も死んじゃうなんて、美しい自然と対照的な残酷さ。


『野生のエルザ』(1966)

監督:ジェームズ・ヒル 出演:バージニア・マッケンナ ほか
ケニアの地に半年も腰をすえて撮影したとあって原作に忠実な人とライオンの触れ合いをリアルに描いた。
実際、夫婦でもあるマッケンナとトラバースは、動物好きらしく息もピッタリ。
こんなに頼れて理解ある関係は理想。

この物語は人とライオンの触れ合いと同時に、人の都合でペット化した動物を野生に返すのがいかに大変か、という警告でもある。
それにしてもライオンがこんなに人になつくお茶目で賢い生き物とはビックリ!
夫婦の忍耐強い挑戦とともに、動物の適応力の柔軟性、野生と人との関係を両立するエルザに
人と動物の可能性の広がりも感じる。

動物園で安全だが柵に囲われている身にするより「Born Free, Live Freeがエルザのため」
と主張したジョイは、ラスト、エルザの子を抱くことをあきらめる。
野生をペット化することに対するヒトの責任の重大さを身をもって体験したから。


『1000日のアン』(1969)
監督:チャールズ・ジャロット 出演:リチャード・バートン、ジュタヴィエーヴ・ビュジョルド ほか

「私は愛し愛された日々を思い出せる。欲望も」
「自分の罠にはまったの? 男のプライドが問題なのね。
 私の娘はかつてない大英国の立派な女王となるでしょう。私の死はそれに価する!」

それほど男子が欲しいなら一夫一婦制の誓いなどやめればいのに。
あれほど1人の女性を強く求めたのが単に男子を産ませるだけなら、相手は誰でもよかっただろう。
でもこの国王の苦悩と女の犠牲の末に女王が誕生したなら意味もあるのか?

ジュヌヴィエーヴの可憐で堂々とした演技が魅力。
エリザベスが女王になったとしたら、ジェーンとの間にも男子が産まれなかったってことか。
歴史のイタズラ。結果的にアンは死なずともよかったものを。
エリザベス1世とはどんな女王だったか、その後も知りたい。


『地上最大のショウ』(1952)

製作・監督:セシル・B・デミル 出演:チャールストン・ヘストン、ジェームズ・スチュアート ほか
アメリカが誇るリング・リング・ブラザース=バーナム&ベイリーサーカスを丸ごと使い、
ハリウッドスターもスタンド・インなしの演技で見せた華麗なる一大サーカスのショーと舞台裏、それに関わる人間模様。
半分ドキュメンタリーでもあり、一過性のサーカスの素晴らしい魅力を後世まで残る映画としておさめた意義も重要。

ビデオで観ても空中ブランコや綱渡りは手に汗握るし、動物やクラウンは楽しい。
今もサルティンバンコが人気だが、昔ながらのサーカスの推し量れない巨大さと、
混沌にして規則にのっとった大所帯、そこで繰り広げられる生死を賭け、肉体を駆使した
パフォーマンスとは、また違った趣だ。

罪から逃れるために普段からメイクをとらないクラウンがあのJ.スチュアートと分かるのが
刑事の渡した写真からって演出が憎い。

ディズニーを真似した小人のパレードもあり、元々は現在のディズニーのパレードも
サーカスを起源としているのかも?と思わせる。

“6才から60才まで!”と銘打つ司会者の言う通り、子どもに負けじと大笑いする大人の観客たち。
意外と冷めてる子どももいて、それぞれのシチュエーションで楽しむ客の反応も入れているのがイイ。


『かもめのジョナサン』(1973)
原作:リチャード・バック 音楽:ニール・ダイアモンド
監督・製作:ホール・バーレット
最初かもめと人の触れ合いかと思って、違って、かもめを擬人化したロードムーヴィーかと思って、違って、
今作は主人公はかもめだけど、精神の高度な到達点?を描いたとんでもなくハイレベルな話だと判明。
共感しやすいように原作者がかもめを選んだばっかりに、原作に忠実にした監督・撮影スタッフは大変だったろう
実際かもめがそこまで思考しているかは不明(だったら面白いね

「ここは天国か?」「天国は“行く所”ではない」

「思考と肉体はつながっている。自分で壁を創らず、自然体で理想を現実として感じるんだ」

「自分のしたいことをする。物理学と同じくらいシンプルだ。愛は与えるもの、学ぶ旅は永遠だ」

「彼らの中の善を引き出してやるのだ。これからは君が導いてゆけ」

死をも超える精神の境地とは? 原作者はどんな世界を見ていたのか?
映画としてはキツイかも。鳥の生態のドキュメンタリーではないし、
ストーリーよりも精神の哲学の問題だから。セリフも音もない静けさが目立つ。
N.ダイヤモンドの高らかな歌が苦しいミュージカル風だし


『クマのプーさん』(1977)
原作を全部ところどころつなげちゃったって感じ。
友だちがWOWOWで録ったディズニーアニメ映画シリーズ第1弾。
ハニーハントでまたブレイク中、新しい映画もできたし、
顔中をハチミツだらけにして歌もたくさん入ってる。終わり方がちょっと悲しい。
学校に通うことになったロビン

「僕のこと忘れないで、100歳になっても」
「その時、僕はいくつ?」
「99歳だよ、プーのおバカさん」


『グーフィとマックス ホリデーは最高!』(1995)
グーフィーって子どもいたのね。でも母親が出てこないのは父子家庭なのか??
つい最近の作品らしく、ロックに恋に夢中になる息子と父の確執がテーマ。
テーマ曲を歌う甘い声は誰?


『眠れる森の美女』(1959)
友だちの話だと、おとぎ話にはドロドロした実際の結末があるとのこと。
皆が知ってるハッピーエンディングはディズニーの功績だとしたら、それもスゴイ。