「日々これせっせとお薬作り」 -製薬会社新米研究員SIUの日常-

新薬の研究に営む毎日・・・のはず。製薬会社研究職の日常をつたない文章でつづります。

適正なMRさんの数と未来像

2007年02月04日 | 製薬研究職を目指す人向け
適正なMRさんの数と未来像について思うところをコメントに書いていたら
エライ長文になってしまったので記事にしてしまいます(笑)

MR数に関しては国内最大数のファイザーが縮小を
打ち出しているのを見てもわかるとおり、今後はただ単に増やせばよい
という方向性ではなく、その会社においてある一定数を超えている場合は
むしろ生産性の高い(つまり売り上げの良い)MRさんを
自社においておき、そうで無い人員を減らしていくかという方向にシフトしていくと思います。

では「MRさんの適正人数とはなんぞや?」という話になりますが
それは各社の製品ラインナップ(ピカ新を多くもつのか?古い薬で細々とやっているのか?)とか
事業戦略(手広くいろいろな薬を売っているのか、ある領域に特化してるのか)とか
もちろん「先発品メーカーか?後発品メーカーか?」など色々なことが影響するので一概には言えないと思います。

ただわかりやすい話だけすれば、昨今の合併で大きくなった
会社(アステラス、第一三共、田辺三菱)は
MRさん数はもっと少人数にする方向を志向していくのかな?と思ってます。
まだアステラス、第一三共は売るべきピカ新を抱えていますが
田辺三菱製薬は売るべきピカ新を抱えていないため
間違えなく、現在のままのMR数(合併後はpfizerについで国内2位のMR数だそうで)だと
人数が過剰のため絞込みに入るはずです。

しかしながら絞込みに入ると、優秀な人材が逃げやすくなるのも事実
その辺の兼ね合いが本当に難しいのでしょうね。

近い将来の話は上記のようになると思っていますが
もう少し先になってくると自社でMRさんを抱えないで
(コントラクトMRさんもいますし)絞り込んでいく
形が顕著になっていくのでは?と予想しています。
その理由としては「eディティーリング」がかなり大きな力を持ってくる
のでは無いかと考えているからです。
すでにm3.com(http://www.m3.com/index.jsp)や
ケアネット(http://www.carenet.com/index.aspx?cookie_test=true)
のようなサイトもずいぶん大きくなってますし。

お医者さんの立場から言うと「欲しい時に欲しい情報を得る」
というのが、一番望ましいと思うので
まずはカンタンにアクセスできるネットから検索して
より詳しい情報が欲しくなったらそのサイトからMRさんに
きてもらうというシステムは、利便性が高いのではないでしょうか。
実際、製薬会社の宣伝ばかりではなくて
有名医学誌(Lancetとか)の日本語アブストラクトや
トピックにアクセスできるので普通に便利です(SIUも良く覗きます)

加えてこのようなサイトでは医師のカバー率を高めるために
普通では考えられないようないろいろな特典をつけています。
(お医者さんを多く会員に持つということは
いろいろな業種に販売機会を与えることになるのですね)

振り返って製薬会社のほうから考えると
人件費の問題というのは頭の痛いことであり
『減らせるものなら減らしたいよ』というのが本音ですよね
ただ他社との競争力が保たれないのも困るので
MRさんの数を苦慮している状況ではないかな?と考えます。
そこで、この先「eディティーリング」がそれなりに効果的だということが
認識されていくとしたら、ある程度のコストを運営会社に支払っても
人件費との兼ね合いからペイすると考えるようになるのではないでしょうか?
すでにSIUにはそのトレンドは出始めている気がします。

まあ現場を知らない研究職のたわごとだと思いますので
現役MRさんは怒らないで「素人風情が!」と思っていてください
訂正があればお願いいたします。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (一兵卒)
2007-02-10 15:38:15
はじめまして。
いちMRとしての声です。
たぶん、循環器(血圧)や消化器など、"share of voice (宣伝数におけるシェア)" と販売実績が相関すると言われる領域は、いらなくなるんじゃないかな、と思ってます。
開業医さんとズブズブにやって、キャンペーン期間に何軒売るとかいうのは...。
1例ごとに注意深く仕事する領域は、MRは生きれるかな...。
返信する
なるほど (SIU)
2007-02-15 00:45:26
一兵卒さん、こんにちは。
やっぱり、ドブ板営業っていうのは減っていくのでしょうかね…
たしかに一症例づつ適正に薬を選択していく
お手伝いが出来る分野ってのは残っていきそうですな。
それでこそ本当の意味でMR
(:Medical Representativeメディカル・リプレゼンタティブ)って
感じですよね。
またよろしくお願いします。
返信する