「日々これせっせとお薬作り」 -製薬会社新米研究員SIUの日常-

新薬の研究に営む毎日・・・のはず。製薬会社研究職の日常をつたない文章でつづります。

(2005年の製薬業界を予想!その2)の*補足

2004年12月31日 | スペシャル
泌尿器の山之内*
別名「おしっこの山之内」
別に山之内の社員が、よくおしっこに行く
という訳ではない。
ハルナール*(一般名:塩酸タムスロシン)という
排尿障害に対するお薬が、良く売れており
また最近、承認がおりたお薬に頻尿・尿失禁治療薬
Vesicare(ベシケア*)という大型化が望める製品を
有しているため、このような名称で呼ばれたりする。
というか社員が自分で言っているらしい(笑)
ひと昔前は、ピカ新ではなくゾロ新を多くそろえていたため
「まねのうち」とさげすまされていたが、今は豊富な
パイプラインを持つ。社長の竹中さんが研究畑を
歩んできただけあって(いまでも毎年・薬理学会は
欠かせないと、日経に書いていた)
ゲノム情報にもかなりのお金を落したようだ。
(有効に使えてるのかな?)
さあ、みんな
アステラス製薬になるまでの残された時間に
尊敬の念をこめて呼ぼう「おしっこの山之内」と…
(2004.12.31)(2005.1.7改定)

ハルナール*
製品名:Harnal(米ではFlomax)
[一般名:tamsulosin HCl(塩酸タムスロシン)]
山之内製の排尿障害に対するお薬。
この薬は軽症~中等度の前立腺肥大症等で
おしっこが出にくくなった人に使われたりする
(らしい)
このオクスリはα1受容体の拮抗作用を持ち
それにより薬効が発現している・・・
らしい(笑)
このオクスリは非常に良く売れていて
山之内のHPから2004.11.4の株主向け資料で
確認すると、ハルナールの売上は681億円/yearで
あると記されている、すごいね!
(2005.1.7)[Special Thanks:gumecchimanさん]

ベシケア*
製品名Vesicare(ベシケア)
[一般名:solifenacin succinate(コハク酸ソリフェナシン)]
山之内製の頻尿・尿失禁治療薬。
どんなオクスリかというと・・・
一般的に年をとると、そんなに尿が
たまっていないのにもかかわらず
頻繁におトイレに行きたくなる。
これが「頻尿」。頻尿は過活動膀胱等の原因によって
もたらされるが、Vesicareはこれに抗する作用を持つ
新薬。作用機序はムスカリン受容体拮抗によるもの。
米国FDAにより2004年11月に承認された
大型化が見込まれる製品である。
(2005.1.7)


免疫抑制の藤沢*
藤沢が国内で勝ち組と呼ばれる理由、それが…
免疫抑制剤 FK506(一般名:プログラフ)
臓器移植の際に欠かすことの出来ない、この薬の元は
筑波山の山中に住む微生物から見つけられた。
当時、筑波に研究所を持つ他社の研究本部長はみな
これを見つける事の出来なかったために
本社に呼び出され怒られたという、いかにも作り話っぽい
お話しが残っている。
なぜ、筑波の山中からこんなものが見つかったかというと
製薬業界において一時期、森林の色々なところをつついて
微生物を培養し、その中から有効な化合物の骨格を
見つけ出す事が流行った
(らしい、SIUは当時を知りませんので)
からである。
ちなみに、その当時、出張の際にはみんな竹串を渡され、
地面をつついて来るように言われた、らしい。
(ホントかなぁ…)
微生物由来の化合物のメリットは、思いもつかないような
変な骨格の化合物を作り出してくる事
(と化学屋さんが言っていた)
今ではこの分野にしぶとく力を入れているところは少ないが
成功体験がある藤沢は、やはり力を入れているようだ。
(2004.12.31)

古い日本的な考え方*
SIUは会社に入るまでは「仕事ではきっちり付き合うけど
プライベートでは別だぜ」って、アメリカンに考えていましたが
「趣味とか、全然仕事と関係無い分野で会社の人と仲いいと
仕事まで、うまく進むなぁ」というのが会社に入った後の感想。
自分でもこうなるとは意外。
まあ、自分の趣味が主で会社の付き合いはあんまり無いけど(笑)

最初に狙っていた疾患ではなく、他の疾患に効く*
現在、多くの会社において
重点疾患領域の絞込みが行われています。
経営において資本の選択の集中を行う必要性は
理解しますが、選択と集中が最終的にものを出すこと
(薬を上市すること)にプラスである、とは
断言できないことを、経営陣に覚えておいて
頂きたいと思います。
アリセプトにせよ、メバロチンにせよ社内で
必ずしも順調なプロジェクトでは無かった
ということが、一つの証であると思われます。
…ってこんなこと、マジにweb上に記して
どうする気だワタシ?(涙)

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