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進撃の巨人の最終回を読んだ感想

2021年04月10日 20時19分39秒 | 日記
11年も連載してたんですね。
驚いたわ。

本作、リアルを追求してて、理想を追うのは現実的ではないってスタンスが魅力で。
最終回もそう言っていい内容だと思いました。

エレンは最終的に殺されるつもりで虐殺を開始したのか。

そうしないと、エルディア人を人間扱いしてもらう術が他に無いって判断したから。

エルディア人以外の壁外人類を8割虐殺し、壁外人類から戦争を起こす体力を奪いつつ、それの実行犯たる自分を、かつての仲間に討ち取らせることで「エルディア人が自分たちのために立ち上がってくれた」という英雄譚を作る。
そこまでしないとエルディア人が人間扱いしてもらえる未来は来ない、って。

ここのとこ、納得できましたわ。
話し合いじゃどうにもならない現実についてはこれまで何度も語ったものね。

エルディア人がどんなに理詰めで正しいことを言ったとしても。

「ああ、黙れよゴミが」

と、銃弾一発放たれたらそれでおしまい。
射殺しても誰も問題視しない状況になったら、もうその相手との話し合いなんて無理なのよ。
話し合いで全て解決できるってのは幻想なの。

それを分からせてくれるシナリオでした。

そんな状態から、エルディア人の真の解放を目指すには

「物理的に戦争できなくする」「対話せざるを得ない状況に持ち込む」「怨みを忘れる口実を用意する」

……このへんは必須ですわな。

国をぼろぼろにしてやったから、壁外人類は復興するまで戦争を起こすことが無理になったし。

エルディア人が積年の恨みを今のタイミングで晴らしに来ると、わりと詰むから、今度は壁外人類側が対話を画策せざるを得ないし。

かといって、クズ野郎どもに媚びへつらうのは人間、辛くてたまらないから「違う、そうじゃない」って思える何かが必要。そこで英雄譚。

そして、対話を続ければ、民族浄化ともいえる無慈悲な振る舞いは止められるかもしれない。

血塗れですが、現実的なハッピーエンドになるのかな、と。
読んで思いましたね。

エレンは死んでしまったけどね。

……完全なハッピーエンドは進撃の巨人には相応しくないから。
いいエンドだと思いました。

お疲れさまでした。