素振りブログ。

一般でスピーチできる話の素振りのはずなのに、無理な話がほとんどのブログ。

ふりさけみれば

2016年07月22日 19時43分03秒 | 日記
明日で産経の連載小説「ふりさけみれば」が終わるみたい。

正直、あまり面白くなかったです。
事実を列挙しただけ、みたいな。
昭和天皇実録を語る、ってコンセプトの小説でしたから。

事情は分かるけどさ。

読んでて面白くない。
事実の列挙だからテーマも感じられなかったし。

面白いと思えたの、石原莞爾の出てくる部分と、2・26事件の話ぐらいでしたなぁ。

石原莞爾は戦争の神と言われた天才軍人なんですけど。
性格がメッチャクチャだったらしく。

上官相手でも「アホ」だの「ボケ」だのと平気に口にしたとか。
しかも、その際に相手の反論を封じてしまうようなド正論を叩きつけてくるせいで。

結果はどんどん出す天才にも関わらず、周りに憎まれていたようです。
そのせいで失脚して、人生の終盤は意に沿わないような状況に追い込まれてしまったという。

まぁ、そういう不遇の人なんですよ。
私がもし同じ時代に生きていたら、傍に居て欲しくない人ではありますが。
(おい)

だってヤだよ。平気で「アホ」だの「ボケ」だの言ってくる人。
で、そこに被せるようにド正論叩きつけてくるんだよ?
地獄じゃん。

……まぁ話で読む分にはそういう人は面白いわけですが。

天才軍人が信じられないような作戦で、大きな戦果を挙げる。
ここは面白かった。


あと、2・26事件の部分。

クーデターを起こした青年将校らが、舐めてるんですよね。
甘えてるというか。

お前ら、陛下舐め過ぎ。甘え過ぎ。

クーデターを起こして、自分らが「国賊」と思い込んだ陛下の重臣たちを殺しまくり。
陛下に「よくやった!」とでも言ってもらえると思ったら。

陛下、激怒。

そこで慌てて「分かりました!自決致しますゆえ、立ち合いに勅使の派遣を!」

お前ら甘えんな。

読んでて乾いた笑いがこみ上げてきましたよ。

勅使っていうのは、前も言ったと思いますけど、ほぼ「陛下の分身」みたいな存在で。
ただの代理とは違うんですよ。

そんな存在に「自決の現場に立ち会ってもらいたい」なんていうのは、自分らの行動の一部くらいは認めて欲しい、って言ってるに等しい。
これがどれだけ舐めた行動か。
大体の方には分かってもらえるかと思います。

自分の大事な部下を殺した奴が「志くらいは分かって!」なんて言ったわけですよ。
これが舐めた、甘えた態度じゃなくて何なのか。

だから、ある意味、読んでて面白かったですわ。
(ちなみに、そんな甘えた決起将校たちへの陛下の返事は「自殺したいなら勝手にするがよい」当然ですな)



次の産経の連載小説は検察が舞台のお話のようですが。
次はテーマの感じられる普通の小説がいいなぁ。