素振りブログ。

一般でスピーチできる話の素振りのはずなのに、無理な話がほとんどのブログ。

モズクズ様が登場したね。

2016年07月30日 06時46分34秒 | 日記
今週のアニメのベルセルクですけど。

もうモズグス様出るのか。

手元に原作が無いのと、読んだの遥か昔だからだいぶ忘れてて。
これが原作通りの流れなのか色々すっ飛ばしてるのか分からないんですけど。

モズグス様。

わりと好きな悪役ですね。

狂信者で、異端と判断すれば誰であろうと生かしておかない。
そんな人。

彼の行動原理って、おそらく彼自身が信仰によって救われた何かがあったことと。
彼自身が教典(の自分の解釈)に従って忠実に行動しているってことでしょうな。

成功体験ってのは自信をもたらしますし。
一個のルールに従って、例外を認めず、ただひたすら忠実に行動するってのは自分の行動の正統性を高めてくれますからの。

以前某所でさ、ブラック企業の社長に多いのがモズグス様タイプだ、って話を読んで。
なるほどと思ったことがあるんですが。

曰く、自分の立身出世、という成功体験をご神体にして、そこに至るまで自分がやったことを教典化する。
で、他の人間にその教典の絶対順守を押し付ける。

俺のやってきたことだ。俺はやれた。だから正しい。だからお前らも俺の言う通り俺の経典を守れ、ってな具合。

で、大概無茶な内容のその教典についていけず脱落したり心を病んでしまう人間が大半なのですが、中にはその教典の内容を守り抜く体力と精神力を持った人間がおり。
そういう人間は、社長、いや教祖様のシンパへと変貌してしまう。

何故かというと、山ほどの脱落者を乗り越えて自分が生き残った、という成功体験があるから。
教典の内容が無茶である、ということが眩しい自分の成功体験の輝きで見えなくなるんですな。
俺は耐え抜いた。そしてその果実を手にした。経典は正しい。そしてその経典を書き上げた教祖様(社長)も正しい、と。

こういう構図を説明されて。
モズグス様タイプという説明に納得し、面白いなと思った思い出。
モズグス様の直属の部下たち拷問吏も、社会に疎外され、行き場が無かったところで「お前たちが邪悪な存在であるなどということは、この経典には一切書かれていない」とモズグス様にその存在を認めてもらったから。
俺たちを認めてくれた経典は正しい。そしてそれを教えてくれたモズグス様も当然正しい。
こんな感じで忠実な部下になったんですしね。確か。


……いや、実際にそういう手で洗脳されてブラック企業の社長の手足になり果てる人がいるんだぞ、面白いなんて、笑い事か、というお叱りは分かるんですけどね。

人の心の面白さといいますか。
本来は万人に否定されてしかるべきものが、成功体験という輝きに惑わされ、そういう風に思えなくなる。
面白いじゃないですか。