
レイミさん(クララ)美人さんがする美人の役

正しい!無慈悲な程に正しい

主人公や登場人物のセリフにいちいち心の中でツッコミを入れないで舞台を見れる喜び

どの舞台でツッコミを入れていたかは永遠の秘密…
美人だし、有名ピアニストだし、良き妻、良き母、伝記にもなって…でもケチ!夫の医療費を見て最初の一言が「まぁこんなに…」なんかギャップがスゴイです

夢見がちな男2人に挟まれて、現実を見据えての行動は、普通に格好良くて

音楽の高みを目指している2人もイイですが、地に足をつけて、目の前の問題に正面から立向ってるかクララが一番頼もしかったです

月雲の時もそうでしたが、ヒロインを一番現実的な人に書いてる作風が他の宝塚の先生とはまた違っていて、面白いです
ヨハネスにも恋愛感情は合ったとのだろうと感じさせるセリフや演出が多々あるのですが、それ以上にヨハナスを包みこむ様な母性?にも似た大きな愛がとても素敵でした

ロベルトへは真直ぐな愛

だし、内面を凄く理解していて、全ての行動を起こしている姿が、この物語の大きな芯の一つになっていて、舞台全体の清潔感を上げていたし、伝記になってる人はやっぱり違うなぁと思いました

ありえないことですが、リストのプロポーズを受けて、社交界を派手に飛び回って活躍しているクララとリストってカップリングも見てみたかった気がします
キタさん(ロベルト)ひたすら音楽を追い求め続けるピュアガイ

でもその精神とは逆に音楽才は尽き始め、身体も病魔に蝕まれている…ちょっとなんですかこのキタさん

段々弱っていって、ボロボロになってもベートーヴェンを弾いてる姿…ヤバイ!キタさんの持ち味はそっち系じゃないとわかっているのに、「さすらいの果てに」や「ロジェ」を思い出してしまい

「弱ってるキタさんもイイんじゃーい

」ってなってしまいます
とても理性的な人の役だからこそ、段々音楽が出来なくなっていく姿や、ルイーザの言葉によって堪えて来てたものが一瞬にして崩れ去ってしまう姿が。本当に悲しくて、切なくて

この表現こそ、キタさんの学年だから醸し出せる男役の哀愁と、しみじみ感じました
季節の移り変わりを、とっても美しく表現している舞台なのですが、個人的にはロベルトが入院してからの移り変わりがとっても心に残っていて、これから温かくなっていて希望に溢れる早春

の時に川身を投げて、季節とのコントラストがとって切なくて、次に登場する夏の午後がこれからまた寒く暗い季節へって時に少しだけ調子が良くなって、外には出れるけど、今度は季節と共に…

の表現が美しくも悲しい感じで、グっと来ました