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港町 ロマン派

2008年07月30日 | 1
 
 27日は私の町の「港祭り」でありました。駅前の広場のステージでは地元のものまねタレント氏が大熱演で、暑い夏の夜を更に暑くする。最後は恒例の花火が夜空を飾り、そしてお祭りは終了。今年も楽しかった。

 数年前にはなんと嘉門達夫氏も登場。田舎ではほとんど知名度のない氏が熱演すればするほど、みかんのコンテナを椅子代わりに座るじいちゃん、ばあちゃんをドン引きにさせ、その冷たさは「あったらこわいセレナーデ」で極に達し、関西弁の「いやらしか」芸人はたまらずギターを置いたのでした。



 



歴史ある「港祭り」しかし、実はもう船なんてほとんどいない。長崎・島原港行きのフェリーの航路も廃止。終着駅を降りるとそこには広いアスファルトの駐車場が海まで続くのです。ヤドカリの形の「海のピラミッド」も地元有志の連中がイベントを企画して頑張っているようですが、もはやそこは「港」ではないのです。

 港の再生・・・。
 
 体験観光で過疎の町が蘇った例もある。長崎の松浦市は「ほんまもん」体験観光で九州でも指折りの名所。年間通して海へ山へ、都会から修学旅行生がやって来る。見学に同行させてもらったことがあるけど、見てるほうも感動した。大阪から大型バスが何台も小さな港に入り、漁師のおじさんがハンドマイクでがなりたてる。ライフジャケットを着た大阪の中学生がグループごとに漁船に乗り込み、いきなり漁に出る。「ほんまもん」体験なので手加減なし。結構キツイ作業があるも子供たちは生き生きしてた。もちろん漁師のおじさんたちも生き生き。そしてメチャメチャカッコいい!これは理想形。さて、我が町に出来ますか?

 「幻想を見る仕掛け」はどうだろう?これはお金がかかりませぬ。
駐車場で「港にまつわる映画」の上映。洋画邦画、問いません。だいたいそんな映画の舞台はうらぶれた港町。「寅さんシリーズ」あり、「祭りの準備」(誰も知らんか)・・・洋画の「グラン・ブルー」「ニューシネマパラダイス」(古いか)とかもそうじゃなかったっけ?観客は旅人として終着駅に降り立ち、ふらりと(駐車場)映画館に入る、そして出てきた頃にはうらぶれた映画の主人公気取りで・・・それから路地裏の「カモメ」というバーに入りぬるいビールをあおる。(もちろんこんなバーは、村上春樹の小説の舞台の雰囲気ではなく)店内ではおかっぱ頭の、やせた暗い目をした女が煙草をふかして窓の外を見て、男の船が帰ってくるのを待っている。その女の名前はマキ。(誰も知らんか?淺川マキ)そんなことを、つらつら考えていると、そんな店をほんとに探したくなってしまった。

 人も町も、うらぶれるならロマンの味付けが必要。それで味気ないコンクリートの岸壁も味が出るかも。






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