11

11

しみじみ、ウルトラマン

2015年12月01日 | Weblog

僕が子供の頃、世界の一大事は
宇宙からやってきた怪獣どもで、
連中が建物を壊し、船を沈め人々を恐怖に陥れた。

そんな怪獣をやっつけてくれたのが
ウルトラマンであり、ウルトラセブンだった。

彼らが住んでいるウルトラの星は太陽系にあり、
星自体が光を発しているらしいが、
彼らのエネルギーの基本は
太陽のエネルギーがもとになっているらしい。

なんで今更、こんなことを僕が知っているかと言うと、
ラジオで「空想科学」の研究所の先生が
説明してくれていたのを聞いたからだ。

その先生が、空想科学の道に入るきっかけも
ウルトラマンを見たことが原因らしい。

彼は子供の頃、
真剣にウルトラマンは存在すると思っていた。

氏は語る。

ウルトラマンが何故、3分間しか持たないかというと、
地球は太陽から遠く、ウルトラマンが太陽エネルギーを得て
動くことの出来る時間は3分しかないのです。

流石に詳しい…。
しかし、彼の話を聞いていくうちに
だんだんさびしくもなってくる。

ウルトラマンの空を飛ぶ速度は、マッハ5
時速6000キロの猛スピードで空を飛ぶらしい。

しかし、ウルトラマンの体力が持つのは3分間。
マッハ5の速度で飛べても、

3分間では、つまり300キロの距離しか
移動できないのだ。

大阪に怪獣が現れたら、
東京から飛んで、
滋賀県の琵琶湖の上空で3分経過。
そこでウルトラマンは
早田隊員に戻って落下してしまうのである。

つまり、今まで気が付かなかったけど、
ウルトラマンは東京から300キロ圏内でしか
怪獣と闘うことは出来なかったのだ。

それ以上の対策は、「ビートル」で
現場の近くまで飛ぶだけ飛んで、
そこから変身するしかなかったのだ。

空想科学の先生、自分の研究成果を
誇らしげに語るのだけど、
どんどん夢が壊されていく僕。(苦笑)

現代版ウルトラマンが放送されるとしたら、
ビートルが飛べない時は、
移動するにはもう新幹線しかないだろうな。

早田隊員は、基地に戻る余裕がない時、
仕方なしに大阪行きの一番早い新幹線に飛び乗る。

今は日本全国新幹線が網羅されているので、
大概のところには、間に合うようになってきた。

新幹線の車内で、早田隊員はどうするか。
座席に座り、新聞でも読むか。

あせっても仕方ないので、
気をまぎらわせる為に
携帯でラインでもするか。
ヤフーニュースでもみるか。

リアルに考えれば考える程、
彼の奮闘ぶりを想像するに、
心が何かしみじみとしてくる。

世界は今、怪獣どころではない。
広げた新聞は、地球のあちこちで始まった
戦争の記事で満載だ。

怪獣が、登場するとしても
彼らは何か、日本の財政難に気を使い、
あまり建物を壊さないように足を運ぶような気がする。

しかし、あまりやさしいと
ゆるキャラと勘違いされ、馬鹿にされる恐れもある。

一体一体の怪獣にも、フアンがついて、
ウルトラマンより
怪獣を応援する人も多いだろう。

僕も今もって、
「ジャミラ」や「亡霊怪獣、シ―ボース」
の大フアンで、もし彼らが再登場するなら
ウルトラマンより彼らを応援するだろう。

ああ、そうだ。
流星の形の通信機もあったな。
星の先のアンテナを伸ばして
隊員同士で交信するのだ。

今や携帯で充分かもしれないが、
やはり、世界の平和を守るための交信は
あの形でないとダメなような気がするよ。
探せば、押入れの箱の中にあるのかな。

空想を科学しすぎると、
味もそっけもない現実が現れてきて
ウルトラマンどころか、サラリーマンも
今も殺伐とした現実の中では3分ももたない。

そんな時に、あの流星の形の通信機が
今も必要な気がするよ。


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。