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峠のコーヒー仙人。

2011年03月10日 | 1
  嗚呼、果てしない杉林…の一部。
 「べにふうき」のお茶の木で防波堤を設けたらどうですかね…。

先日春を撮る…つもりで山に出かけたのですが、山奥は春を迎えるに、まだ時間がかかりそうであります。

五木村の一番北部に、大滝という私がお気に入りの撮影ポイントがあり、地名の示す通り、うっそうとした森の中を川沿いの小道沿いに30分程行くと大きな滝があります。その滝に行くまでの小道で、様々な森の表情を撮るつもりで入口に立つと看板が…。

「雪の為、倒木があり通行不能」。

 熊本でも今年の冬は寒く、特に山間部では雪が多かったのです。それでも無理を押して先へ進むと、大きな木が崖ごと崩れていて確かに通行不能でした。仕方ないので違う場所を探して村内をうろつき…道端で“小滝”を見つけてようやくそれなりの写真を撮り帰路に。

 ちょっと時間があったので、久しぶりに峠のコーヒー店「どんぐり」へ行きました。相変わらず、控えめな看板。



「どんぐり」の店の標高は779メートル、大通峠の上にあります。



 大通峠は八代市と五木村を分ける境界にあり、急坂でヘアピンカーブが連続、最後はループ橋でぐるりと回って到着する陸の難所です。近年、峠の直下にトンネルができみんな通り過ぎていく為、よけいに「どんぐり」は知る人ぞ知る存在となりました。



 夜になると誰もいない、灯りもない。まさに峠は闇の中、森羅万象の世界でしょう。

 森羅万象堂も最初は森羅万象に存在する“自然のままの食品”の販売や開発を目指していたのですが、あまりにもその意味が漠然、広大すぎて挫折!今はコンセプトをちょっと変えた、紅屋富貴子を店長とした新・森羅万象堂になっています。

 「どんぐり」にほとんどお客はないのに、どうやって食っていけているのかは不明です。入り口で店主のNさんが、何やら作業をしています。Nさんは、陶芸家でコーヒーは彼の焼いたカップに淹れられ出て来ます。奥さんも出てこられ、しばし歓談。高2の息子さんを学校まで、毎日片道40キロ、峠から送迎されているとのこと。交通機関なんて確かにない…朝夕の合計走行距離160キロ…それでも、ここがいいそうです。

 あごひげを生やし、仙人のような風貌のNさんは淡々と語ります。今、ツリーハウスの建設を計画しているとのこと。標高779メートル、プラス数メートル。雲の上からちょこんと顔を出す、小屋からどんな景色が見えるのか。いよいよNさんは本当に仙人になるのかもしれません。

 最後は村に住まないですか!と強く勧められて困ってしまいました。次回、ヤマメを釣りに行く帰りにまた寄るつもりであります。






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