森の詞

元ゲームシナリオライター篠森京夜の小説、企画書、制作日記、コラム等

日々の生物(ナマモノ) 第3回

2008年11月09日 | 日々の生物(ナマモノ)

タコ・イカ編-1

 まとめると何故か、タコやイカに関する質問が多かった気がします。
 好きなのか? 丹後の高校生は軟体動物が好きなのか? 


Q:「なんでタコは足が8本で、イカは10本なの?」
A:「実は足の数は両方8本です」

 何故8本なのかはよくわかりませんが、イカの場合は「触腕」と呼ばれる他より長い足(専門的には腕らしい)があります。この触腕でイカは獲物を捕らえたりします。
 つまり、

  タコ→足が8本
  イカ→足が8本 + 触腕が2本

 ということになります。
 イカの方がタコよりも活動的(タコは基本的に海底にいるが、イカは泳ぎ回って獲物を捕らえる)なため、獲物を捕らえるための器官があるのかもしれません。
 イカやタコの祖先はもっと多くの足を持っていましたが、進化の過程で8~10本に落ち着きました。おそらく、これくらいが一番、機能的なのでしょう。


Q:「なんでタコは赤色なの?」
A:「加熱によって皮膚の色素が変化するためです」

 タコやイカは赤い印象がありますが、実際には日本で見られるものは殆ど赤くありません(赤っぽい茶色くらい)。赤くなるのは熱湯で茹でた結果です。タコでも寿司に使われるものは茹でてあるので赤いですが、生で食う場合は赤くないことが多いですね(タコワサとか)。
 赤くなるのは皮膚の色素が加熱によって変化して赤くなるためです。タコの皮膚には様々な色素があり、体の色を変えたりします。この色素のどれかが加熱によって変化して赤色になると考えられていますが、特定はされていません。イカやカニが赤くなる色素は判明しています。


Q:「タコの血は青いんですか?」
A:「青いです」

 ヒトを含めた動物の血は「ヘモグロビン」(授業でやりましたよね)という赤い色素が含まれるので赤いですが、タコ、イカ、貝などの軟体動物や昆虫は「ヘモシアニン」という色素を持っていて、これが空気に触れると青くなります。
 ただ、魚屋で売られている場合は血が抜かれていますし、茹でると色がなくなります。それに元々、はっきりとは見えにくいようです。

 わかりやすい例としては、エビやカニの卵が青色なのはヘモシアニンのためで、要は血の色です。イカの内臓も青みがかっていますね。