種山壮(shuzanso)NY

ラスベガス編

Stinger  ヒッグス粒子

2012年07月07日 | バーサフラン

バー・サフラン 

ここはバー・サフラン、大人の憩いの場所。毎晩様々な人が集い、楽しい話に花を咲かせる。週末ともなると、怪しげな話が飛び交う。さて、今夜のお客さんは・・・・・

バーテンダー: いらっしゃいませ。おや先生、今夜はお早いお越しで珍しいですね。どうぞ奥の席に。いつものようにまずビールにされます?。アメリカの友人がうまいクラフトビール(地ビール)を送ってくれたのがありますが。

男客: 確かにこのビール旨いね。それにたまには早くから酒を飲むのもいいもんだね。それより、最近家内の奴、毎晩バーやナイトクラブに行ってるんだよ!

バーテンダー: それはまたどうして。

男客: 彼女いわく、「僕を探しに」だってさ。どうだか分かったもんじゃないが。それで今夜は早く帰宅しようと思ってるだがね。

バーテンダー: ところで、先生のところ「ヒッグス粒子」の発見で大騒ぎではありませんか?

男客: わたしは文系で直接関与してないが、物理のほうでは多くの人が研究に携わってるので、そりゃぁー喜びようは大変なものだったね。まだ興奮冷めやらずといったところだよ。友人の話だと、我々人類は4%程度しか分かってなくまだ96%は未知の物質でこの宇宙は埋め尽くされてると。まだまだ終わりのない先の長-い研究が続くんだろうね。

バーテンダーは客の話を聞きながらブランデーとペパーメントをシェーカーに入れて、シェークした後カクテルグラスに注いだ。

バーテンダー: 先生カクテル「スティンガー Stinger」をどうぞ。

   

男客: 甘口の中に爽やかさが漂う。旨いね。それにしても、君も食わせ物だね。家内の話しを聞いて僕に「Stinger」か。私の専門は英文化だと知ってるよね。そろそろ帰るとするか。せいぜい家内に「刺され」ないようにしないとね。

Stinger =刺す動物、いやみ、当てこすり、皮肉、痛撃

バーテンダー: 申し訳ありません。そろそろお帰りになったほうが宜しいかと思いまして。

男客: ところで私のセミナーに興味深い女性が来ていてね、熱心に勉強してるよ。講義の後ちょっと雑談する機会があったがね、面白いことに自分のことを「マンハッタン」と呼んでいて、どうも君の事知ってるみたいだったよ。


Elegant Flower

2012年06月01日 | バーサフラン

バーサフラン 

ここはバーサフラン、大人の憩いの場所。毎晩様々な人が集い、楽しい話に花を咲かせる。週末ともなると、怪しげな話が飛び交う。さて、今夜のお客さんは。。。。。。

バーテンダー:いらっしゃいませ。おや、またご来店頂きありがとうございます。たしかぁー「ソープ マンハッタン」―――おっと失礼しました。マンハッタン (前回の記事)

女客:いえいえ、お構いなく、そのとおりですから。今夜はお礼が言いたくて立ち寄ったの。

バーテンダー:はいっ!! お礼を言われるほどのことはしてないと思うのですが、とりあえず奥の席へどうぞ。お飲み物は何にされます。

女客:そうね、じゃぁー この間と同じものを。

バーテンダー:どうぞ、貴女にふさわしいカクテルの女王、マンハッタンです。

女客:そうそう、これこれ、私マンハッタンもセントラルパークも何も知らなかったでしょう。悔しくって、それで私、行って来ちゃった。

バーテンダー:アメリカのニューヨークまで。それはそれは。

女客:ひとりではちょっと不安だったけど。五番街で買い物をして、タイムズスクエアーを歩いたり、ダウンタウンのほら911で崩壊したワールドトレードセンター跡、今は大きなビルが新しく建てられてるけど。泊まったホテルが「カサブランカ」というの。洒落てるでしょう、きれいで、ブロードウェイのシアター街の近くで、ミュージカル「シカゴ」も観てきたわ。

バーテンダー:ああー今米倉涼子が7月に主演デビューするとかで話題になってますね。セントラパークには?

女客:エンパイアーステイトビルデングの展望台から観たマンハッタンも素敵だったわ。東のほうはイーストリバーを挟んでクインズ区、西はハドソン川を挟んでニュージャージ州、南の方を見ると碁盤の目のように走る道路、ワールドトレードセンター、そしてNYハーバーには自由の女神が。北の方を望むと大きな長方形の緑の島がビル街の真ん中に浮かんでたわ。あぁーこれがセントラルパークかと自分に呟いちゃったわ。

更に客の話は続く。バーテンダーは客の話を聞きながらテキーラーパトロンのボトルを棚から下ろし、ミキシンググラスにエルダーフラワーコーディエルと一緒に注いだ。そしてスパークリングワインを注ぎフラワーを浮かべた。

バーテンダー:テキーラーをベースにしたカクテルElegant Flowerです。今夜の貴女、以前おいでになったときより活き活きしてらっしゃる。これが本当の貴女なのでしょうね。ついこのカクテルをつくってしまいました。

                      

女客:ありがとう。濃厚でいてわずかな花の風味。口の中ではじける清涼感。おいしいわ。一週間ほどニューヨークにステイしたけど、今は何か吹っ切れた感じで清清しいきもちなの。あら、ちょっと長居したわ、今夜はありがとう、またお邪魔します。

バーテンダー:おっとお客さんお忘れ物。

女客:あっー、それあなたへのプレゼント。後で開けてね。

と客はTIFFANY & COの名前がついた小さな包みを残してドアーを後にした。


El Diablo 悪魔

2012年04月27日 | バーサフラン

バー.サフラン

ここはバーサフラン、大人の憩いの場所。毎晩様々な人が集い、楽しい話に花を咲かせる。週末ともなると、怪しげな話が飛び交う。さて、今夜のお客さんは。。。。。。

バーテンダー:いらっしゃい, おや、しばらくごぶさでしたが、どこかにお出かけでしたか。

男客:久しぶりだね。仕事でね、アメリカの西海岸、サンフランシスコ、ロサンジェルスを回ってた。時間があいたのでついでにラスベガスにも足を伸ばしてね。

バーテンダーおや! ラスベガスですか? 大丈夫ですか。

と、バーテンダーは客の顔をうかがいながら、心配そうに尋ねる。

男客:あぁー、私は大丈夫だよ。そんなにギャンブルが好きなわけでもないし、それにうちには先々代からいる、うるさ型の大番頭が経理してるからね

するとバーテンダーは氷を入れたタンブラーに、テキーラ、クレーム・ド・カシスを注ぎ、ステアする。ライムを搾り、そのまま入れる。グラスをジンジャー・エールで満たした。

                

バーテンダー:どうぞ、貴男に飲んで頂きたいカクテルです。テキーラをベースにしたエル・ディアブロ (El Diablo)、悪魔です。

男客:なるほど、毒は毒をもってせいすか。予防薬だね、私もギャンブルの悪魔に取り付かれないよう、悪魔をのみほすか。

バーテンダー:いやぁー恐縮です。

 


マンハッタン - !!??

2012年04月13日 | バーサフラン

バーサフラン

ここはバーサフラン、大人の憩いの場所。毎晩様々な人が集い、楽しい話に花を咲かせる。週末ともなると、怪しげな話が飛び交う。さて、今夜のお客さんは。。。。。。

バーテンダー:いらっしゃい

客:あら、しっくで素敵なお店じゃない! あなたもイケメンだし。

バーテンダー:ありがとうございます。そういうお客さんもなかなかなもの、セクシーですよ。お飲み物は何されます。

客:そうね、今日はカクテルを飲みたいは。おいしいもの作って。

バーテンダーはライ・ウイスキー、スイート・ベルモット、アンゴスチュラ・ビターズ数滴をミキシング・グラスに入れてステアしてカクテル・グラスに注いぎ、マラスキーノ・チェリーを飾る。

        

バーテンダー:どうぞ、貴女にふさわしいカクテルです。カクテルの女王、マンハッタンです。

客:素敵な色ね。おいしそう。でもマンハッタンって懐かしいは。もうあれから何年になるかしら。

するとバーテンダーはチェリーを取り出しパセリの葉をカクテルの上に浮かばせた。

客:あら、何かしら?

バーテンダー:セントラルパークです。

それでも客は怪訝そうな顔してるので、

バーテンダー:マンハッタンが懐かしいとおっしゃったので、てっきりご存知かと思いまして。

客:あらいやだー! 私のマンハッタンは「ソープ」なの。長いこと働いてたのだけど色々あってね。