【 Photo by Shunsuke Kudo 】
学校の帰り
いつも家まで
小石を蹴って
帰って
靴の先が
いつも破れて
めちゃ怒られてた
ある日
石は
コーラの
蓋にかわって
靴の裏を
道をこするような
蹴り方になって
今度は
靴の裏に穴があいて
まためちゃ怒られた
また
道ばたの
小石を蹴りながら
歩きたい
靴を
ちょっと
大切にしながら
周りの眼も
かなり
気にしながら
友達になら
何やってんの？
って笑われたい
そしたら
石蹴って
家まで行けたら
何か
変わってるかも
しれないじゃん
って言うんだ
この今が
全部かわるかも
しれないじゃん
って
ワタシの
思いはくりかえす
ワタシの
悲しみはくりかえす
ワタシの
笑いもくりかえす
ここまでも
ここからも
今度の石は
どこまで
蹴りつづけられだろう
この固く冷たい石を
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【 Photo by Kentaro Noomaru 】
ボクには
いくつかの
悲しみの種があって
普段は
幸せの実で
おおいかぶせて
あたりまえな顔をして
バランスを
とっている
それでも
悲しみの種は
消えずに
たまに幸せの実を
押しのけて
顔を出す
あーあ
また来ちゃったね
そろそろ
だったんだね
また数週間
つき合っていくか
気にならない
ようになるまで
笑顔がいいんだ
こういう時は
酒はダメなんだ
こんがらがるから
朝はいいんだ
朝日が元気に
してくれるから
夜はダメなんだ
もっと深い闇が
呼び続けるから
そんなときこそ
合いたかった人に会おう
ずっと欲しかった本を三冊買おう
もったいない位高いお茶を飲もう
くだらないことを喜ぼう
ささいなことに感動しよう
つまんないことでも人生は変わるから
悲しさは消えちゃくれない
だからどこかで折り合いをつけて
さりげなく一緒にいるんだ
うまくやって
大暴れしないように
仲良くやってけばいい
昔っから誰だって
そうやってきたのさ
そうしなきゃ
やってこれなかったのさ
たまに
雨がふるように
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【 Photo by Yoshionobu Tashiro 】
春が吹いてきた
命がひと巡りして
新しい風が顔を出す
ずっと春を待ってた娘だけは
足止めされて
またお部屋に逆戻り
毎日毎日お日様に
あんなにお願いしてたのに
春においていかれた娘に吹く風は
少し冷たい
春風のお詫びのように
どこからか子供たちの歌声が運ばれてくる
もうみんな浮かれ始めてるのに
膨らみはじめてた
夢の蕾が小さくなっていく
風が運んでくる童謡は
たまに寂しく物悲しい
季節に忘れられた娘の春は
何が運んでくるのだろう
はぁるよこい
はぁやくこい
春を嫌いにならないうちに
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【 Photo by Yoshinobu Tashiro 】
競争をやめれば
まわりの空気が澄んでくる
家族の顔を笑顔でみつめれば
灯るあかりがほんのり明るくなる
田舎の愛し方に気づけば
この街の色が薄くなって
便利との追いかけっこをやめれば
足りないことの魅力が見えて
繋がり続ける満足を棄てれば
キレイな夕陽が見えてくる
陽なたの石ころのあたたかさ
足元を照らす月の明るさ
道端で笑いかける草花のやさしさ
水に映る自分の顔
どこかに 何かが ありますように
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【 Photo by Shunsuke Kudo 】
あっという間の一日だった
一日には
長い長い一日も
まあ普通の一日も
あっという間の一日もあって
自分がどこにいたのかで
その長さが決まってゆく
今日はどの辺にいれたかな
スティングの唄が
寂しいのか？と
話しかけてくる
天使が羽を広げてる
そんな形の雲が
今日のボクを許していく
なんとなく
早足になったボクの襟に
残りものの木枯らしが
別れの挨拶をする
冬の夕焼けなのか
春の夕焼けなのか
そろそろ始まろうとする
そんな春の空にも
一日の影は映ってゆく
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