【 Photo by Shunsuke Kudo 】
月の灯りよりも 明るいものができたので
恋人たちは 隠れる場所が 少なくなって
月の灯りよりも あなたに届くものができたので
月に憶いを寄せる 詩人がいなくなり
そして
寂しい女の夜を 明るく照らせなくなった月は
自分の美しさを 忘れていった
でも誰も
月が見てきた 本当の物語も
月が明るくしてきた 片隅の凍えるような寒さも
月が引き受けてきた 涙と失望の捨て場所の寂寥も
知ろうとはしない
でも希望は必ず きっとどこかに あるはずだから
月が自信を取り戻して
ボクらを照らしてくれるかもしれないし
夜も鳴き続けるカラスが
闇を追い払ってくれるかもしれない
きっとこれまでだって 何度も そうだったように
寒夜に厚着をして
月と向き合えば
それだけで
ここに在ることを感じるはずさ
白い息で手を温めながら
丸まった背中を無理矢理伸ばせば
命への感謝が湧いてくるはずさ
きっとその時わかるはずさ
夜は 決して 暗くないと
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