本日も諸処の事情により最近の詩で評判の良かったものの再掲載になります。
いつでもボクらの周りでは、何かが終わり、何かが始まっています。
しかしそれはいろいろな感情や感傷を生み出します。
人、ひとりひとりの中の始まりと終わり。
そんなことを考えさせられた時と写真だったのかもしれません。
明日からは通常に戻れそうなのですが・・・
さてどうなりますやら
【 Photo by Tokuyuki Takashima 】
春は
こうして
終えていく
まだ
花の欠片を
残したまま
未練も
名残の美しさに
焼き付けたまま
雨だれの
ひとしずくが
運んでくる
終了の笛を
きっかけに
春は
こうして
雨に
散ってゆく
春は
もう隣にはいない
あの人が
残したままの
変形した枕と
まだ
匂いさえも
消えていない
シワのままのシーツように
心残りだけが
まだそこで眠っている
ここで終わりですか
今日から始まるのですか
傘を差し
じっと立ったまま
雨の先で煙る景色を
見つづける少女の前で
終えて行くものと
そこに立とうとするものが
ひとつは消え
ひとつは現れながら
重なりあって
明と暗の記憶に
なっていく
ちいさい頃から
雨の中の
紫陽花が好きだったボクは
また今年も
春の遺骸に
違うものを見た
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